鳩の撃退法 (下) (小学館文庫)

著者 :
  • 小学館
3.42
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  • (17)
  • (10)
本棚登録 : 658
レビュー : 50
  • Amazon.co.jp ・本 (557ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094064872

作品紹介・あらすじ

多くの作家をも魅了した著者の最高到達点!

直木賞受賞後の会見で、著者は「勝手な想像ですが」と前置きした上で、
「『鳩の撃退法』の存在がなければ、今回の直木賞受賞は考えられない。あれで機運が熟したのではないか」
と語った。
事実、本作は、山田風太郎賞選考委員はもちろんのこと、推薦文や書評、口コミやSNS等を通じて、驚くほど多くの作家たちから激賞された。

下巻は、「ほぼ日刊イトイ新聞」主宰・糸井重里さんの解説を収録。

【ストーリー】
「このままじゃおれたちはやばい、ラストに相当やばい場面が待っているかもしれない。だけど厳密にやばいのはあんただよ。わからないか。夜汽車に乗って旅立つ時だよ」
身を潜めてせっせと小説の下書きをつづけていた津田伸一は、社長からいきなり退職金を手渡され、いよいよ決断を迫られる。
ついに“あのひと”が現れたのか?
鞄の大金は裏社会から流れてきたものなのか?
忽然と姿を消した家族、郵便局員の失踪、疑惑つきの大金、そして鳩の行方‥‥。多くのひとの運命を狂わせたあの日の邂逅が、たった一日の物語となって雪の夜に浮かびあがる。

読み進めると、謎が深まる。読み返せば、伏線がわかってくる。
上巻だけでは、この小説のおもしろさは半分も伝わりません。
急展開も待ち受ける下巻の最後の1行まで、ぜひ「鳩」の行方を見届けてください。読み返すほど、おもしろいはずです。

感想・レビュー・書評

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  • 鳩の撃退法(下)読了。
    (上)に続き(下)も一気に読みました。
    大金の謎や『鳩』の意味が次々と明らかになりページをめくる手が止まりませんでした。
    そして何より物語の描き方が斬新でした。
    途中から主人公である津田さん書いている小説を読んでいる感覚になりどこまでが本当でどこまでがフィクションかが段々わからなくなる感覚になりました、だけどよく考えるとこの小説自体が佐藤正午さんの描いたフィクションの小説なので本当のことは何もないんです笑
    なんか新しいカタチの小説に出会った気がして久しぶりに小説を読んでワクワクしました。
    次はなんの佐藤作品を読もうかな!

  • 意外にも終わり方があっさりしてた。

  • 不思議な小説だった。

  • 買ってから相当熟成させちゃったけど、読み始めたら面白かった。展開が読めないにも程があるお話。そして不明なままの点もあるにはあるけど一応スッキリ解決はしている。こういう小説は初めてだったなぁ。

  • あるとき、新聞か何かでたまたま著者のエッセイを読んで、軽妙な文に興味を持ちいつか小説を読もうと思っていたのだが、ようやく代表作を。

    これといってストーリーも構成もないようにみえ、どことなく人を食った内容が上下2冊延々つづく。通読したいという熱意も持てないのに、なぜか心地よくてずっと読み続けたくなる、本当に不思議な小説。仕事のことで頭が一杯になりがちなこの時期、現実逃避にぴったりであった。

  • 2019.03.08~04.05
    ただただ、面白かったの一言。やっぱりこの人の作品、好きだ。

  • 上巻で気になっていた伏線が次々に回収されスッキリ。
    ラストに近付くにつれ思わぬ事実に涙ぐみそうに…が、しかしこれは津田が勝手に創作した妄想紛いの小説では?
    実際のところはどうなの?
    ここで涙ぐんだら津田にまんまと嵌められることになるのか?
    立つ鳥跡を濁さず、と言いつつも結局濁して逃げてる津田に半ば呆れながら、けれどみんなに煙たがれながらも何やかんやとアテにされている、どこか憎めないキャラに苦笑いしてしまう。
    「鳩」の意味も分かり消えた本の謎も解け、また津田の続編が読んでみたいと思った。
    願わくは、コーヒーの染みの付いたピーターパンの本だけはこの先も津田にはしっかり持っていてほしい。

  • 読み終わって良かった
    途中投げ出したくなるが 最後の締めは さすが
    文章上手い!かっこいい!

  • この文章は、クセになりますね。

    私は児童向けに省略されたピーターパンしか読んだことないけど、確かにあれは、こちらに語りかけていた。
    ティンクが死にそうなとき「拍手してください!」みたいな指示があったのを覚えています。
    それ以来です、こんな文章(笑)

    ダメ男なんだけど、津田さんがなんか憎めないなあ。
    まったくつながりなさそうな出来事が、あっちもこっちもつながってて、でも津田さんが実際見聞きしたことと、想像で書いてるとことあって、なんだか不思議な気分です。

  • 一生に一度は誰でもあの時こうしていたらとか、そっちを選んでいたら…という思いに捉われたことがあると思います。佐藤正午の小説はこうした人生の分岐点を取り上げ、もしも…したら…していればの、もう一方の風景を描いてみせます。
    今回の小説は、落ちぶれた直木賞受賞作家の津田伸一が主人公。現実の自分を俯瞰している小説家の津田が同時進行で、物語を創りあげていく過程を述べながらの内容で、重層に入り組んでいるので最後の方まで結末が予測が出来ませでした。
    「ピーターパンとウエンディ」この子ども向けの本のフレーズがところどころに引用され、隠喩となり本自体も行方が重要なお話の鍵となります。
    生活苦で喘ぐ津田に思わぬことから突然転がりこんできた大金でしたが、このことが発端になり事件に巻き込まれていきます。「別の場所でふたりが出会っていれば、幸せになれたはずだった」というお話の中で登場するキャッチコピー。この言葉の持つ悲劇性が暗示するように、夫婦と幼子の3人が忽然と姿を消した事実も関係し、事態はその人間関係を軸に複雑に絡み合い、縺れていきます。ストーリーもさることながら、登場人物の会話も頭文字会話が出てきたりで笑える部分もありながら、ハードボイルド的な要素も含まれていますから意外性も十分。
    読んでいる私たちが先が読めないのは当然のこと、ようやく最終局面で、様々なエピソードを繋ぎ合せお話は収束するかのように見えながら、書いている津田自身も…ほんとうに終わりなのか…と自問自答しているくらいですから無理もありません。
    人生においてはどうしてそうなったのか当の本人にはわからないことばかり。神ではない私たちに全体の風景はけっして俯瞰できないものだからです。

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著者プロフィール

1955年長崎県佐世保市生まれ。『永遠の1/2』ですばる文学賞、『鳩の撃退法』で山田風太郎賞受賞。おもな著作に『リボルバー』『Y』『ジャンプ』など。

「2016年 『まるまる、フルーツ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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