裏が、幸せ。 (小学館文庫)

著者 :
  • 小学館
3.55
  • (4)
  • (6)
  • (8)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 98
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094064889

作品紹介・あらすじ

「裏日本」の魅力満載、酒井版『陰翳礼讚』

常に時代を先取りする話題作を刊行してきた酒井順子氏が、”控え目だけれども鋭い光を放つ”日本海側の魅力を存分に伝えるエッセイ。
経済発展=幸福と、太平洋側を「表」として走ってきた日本ですが、とくに東日本大震災以降、その構図はくずれつつあります。経済至上主義によって、私たちは、日本人にとって大切なものをたくさん失ってきたのではないかということに、多くの人が気づき始めています。
そして、その開発の手を逃れて、ひっそりとマイペースで生きてきた日本海側=「裏」には、裏だからこその日本の大切なもの=「幸せ」が、たくさん詰まっていることに、日本中を何度も旅してきた著者は魅了されました。
都道府県別幸福度ランキングでは、トップ3は福井、富山、石川の北陸三県。富山にある世界一のスタバ、日本海が必須の演歌、美人が多い秘密、谷崎潤一郎、水上勉、泉鏡花、川端康成が描いた「裏」、顔を隠す盆踊り、金箔のほとんどを生産する金沢…などなど 「裏日本」の宝ものが次々と紹介されます。「裏の幸せ」を求めて旅に出たくなるエッセイです。解説は福井県出身の宮下奈都。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 佐渡に行くにあたり借りるも読まずに行くパート2。
    そして帰ってきて、佐渡の回だけ読む。

    なるほどその通りで、高貴な流人が持ち込んだ文化たちは、本当に厚くて様々な佐渡の文化を作っていた。
    素朴な田舎であり、非常に高い文化性を帯びた島。なるほど。そらいい島だわ。
    薪能もいつかみたい。

    そして、隠岐島にも行きたくなりました。

    #裏が幸せ #酒井順子 #読書記録 #佐渡

  • ふむ

  • 少し固めの旅行エッセイの感覚で読みました。納得するような話が多く、楽しめました。

  • 2018 9/29

  • 裏、という言葉にはどうしてもネガティブなイメージがあるので、裏日本、という言い方にも否定的なものを感じてしまう。
    でもこの本では、表日本、すなわち都市が集まる太平洋側、にはない特性を持つ地域として裏日本を書いている。
    文豪の名作を引いてみたり、その場所の裏的な点は何だろうと考えたりしながら、裏うらうらと連呼する。そのうちに、裏日本という響きにネガティブなものを感じなくなってくるほどの力説ぶりがおもしろい。

  • 私はまだこの境地に達していないけど、東京一極集中にはおもうところもあるのでこういう価値観もっと広まればいいなと思った。
    ただこの人の本はほぼ全部読んできたのでその話前読んだ、みたいなエピソードもちょいちょいあったな。

  • 裏日本という言葉は差別用語のように言われ、姿を消した。しかし、著者は「裏」という言葉に秘められた、また醸し出す日本的な美しさがあること、またそれが「裏」に人たちにとっても受入れられていることを主張している。「内裏」「裏千家」など、情緒のある言葉が多いことは事実である。文学にも詳しく泉鏡花,室生犀星、水上勉などの北陸ゆかりの方々に詳細に触れているだけでなく、川端康成の「雪国」、漫画家・」柳沢きみおの「なんだかなァ人生」にも言及があり、奥深さを感じる。日本の艶歌は日本海、裏日本、傷心・涙・孤独などの薄幸の女が似合う!全く同感である。
    「裏日本はそこがほの暗い「裏」であるからこそ、繊細な光が美しく輝く」「空気と景色が美しく、居心地がよくて、人々が幸せそうなのが裏日本。その裏が抱く充実感こそ、これからの日本が必要とする」「裏であるからこその幸せ」などの魅力的な言葉が煌めいている。最強美人として登場する板額御前という人は知らなかった。源平の時代の越後の国とのこと。詳しく調べてみたいと思った。この他、美人県に関わる話題、風の盆などの踊りに関わる話題など、楽しい話が満載!!

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

エッセイスト

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

酒井順子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×