21グラムのタイムトラベラー (小学館文庫 あ 40-1 キャラブン!)
- 小学館 (2018年4月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094065039
作品紹介・あらすじ
僕の前に現れたのは、未来からきた君の幽霊
梅雨のある日。小学生のすばるは学校の近くで、未来からやってきたという若い女性の幽霊と出会う。アイハラコトナという名を名乗る彼女は、なぜかすばるのことをよく知っていて、「変わらないね、すばるくんは」と微笑んだ。そして彼女はすばるに言った。今日、クラスに相原琴奈という子が転校してくる。でも、その子と仲良くしないでほしいの――。だが、琴奈がすばると同じ飼育委員になったことで、すばるは琴奈と親しくなっていく。
その後も、中学、高校、大学と、成長していくすばるの前に、時々思い出したようにふと現れる幽霊の彼女。相原琴奈の未来が幽霊の彼女だとしたら、相原琴奈は若くして死ぬということなのだろうか――?
メディアワークス文庫デビュー、青春小説の旗手による泣ける青春ミステリー。どこまでも透明(ピュア)なラブストーリー!
感想・レビュー・書評
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全体的に少し薄味って感じがしましたが、その分の2人の気持ちの描写がしっかり描かれてたかと思います。
ミステリーというより恋愛小説。
21グラムの想いが伝わってよかったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ひさびさの天沢本。
序盤〜終盤にかけて、すごく平均点ギリギリぐらいのストーリーが続いていて、これは...と思いましたが、オーラスでちゃんとK点超えてくれてホッとしました。
どんでん返しという感じではなく、あくまでそういう幸せな世界であってほしいと願った読者の思いが具現化された感じ。
これはこれでアオハル物なんだろうと思います。
好きな人にちゃんと想いが伝わるっていいですね。 -
『娯楽』★★★★☆ 8
【詩情】★★★★☆ 12
【整合】★★★☆☆ 9
『意外』★★★☆☆ 6
「人物」★★★★☆ 4
「可読」★★★★★ 5
「作家」★★★☆☆ 3
【尖鋭】★★★☆☆ 9
『奥行』★★★☆☆ 6
『印象』★★★★☆ 8
《総合》70 B- -
恋愛小説に求めてはいけないと分かりながら、タイムパラドックスの問題がどうにもすっきりしなかった。
2019/6/5 -
ははあ、そういうお話だったのか。
21グラムはもちろん魂の重さのこと。
つまりは幽霊が未来からやってくる話なのだけど。
幽霊の彼女の願いは、彼だけが助かることだった。
なぜ彼女は自分が助かることを望まなかったのか?
彼女が死ぬことを知らされた彼はどうして助けられなかったのか?
最初、そんな疑問を覚えたけれど、子供時代から丁寧に綴られる二人の物語を読むにつれ、確かにそれもむずかしかった様に思う。
それでも、お互いにもう少しだけ勇気があれば変わっていたかもしれない。
そうして、悲劇で終わるのかと思わせて、ああ、そうか、そういう話だったんだと思った。
これはいわばよりよい未来を願って何度もやり直すお話だ。
ただ繰り返す人は違っていた。
今度は彼が魂になってタイムトラベルするのだ。
今度は間違わないように。
勇気を出して。
だから、ラストのハッピィエンドにはホッとさせられた。
21グラムの彼女、彼によかったねと言ってあげたい。
そんな優しい物語。
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著者らしい綺麗な良いお話。
もっとページ数増やして何回かループしても良かったとも思うけど、これはこれでシンプルでよいと思う。