ガラパゴス (上) (小学館文庫)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 128
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094065329

作品紹介・あらすじ

大ベストセラー『震える牛』ふたたび!

警視庁捜査一課継続捜査担当の田川信一は、メモ魔の窓際刑事。同期の木幡祐司に依頼され、身元不明相談室に所蔵されている死者のリストに目を通すうち、自殺として処理された案件を他殺と看破する。不明者リスト902の男の発見現場である都内竹の塚の団地を訪れた田川と木幡は、室内の浴槽と受け皿のわずかな隙間から『新城 も』『780816』と書かれたメモを発見する。田川が行った入念な聞き込みにより者不明者リスト902の男は沖縄県宮古島出身の派遣労働者・仲野定文と判明した。田川は、仲野の遺骨を届け、犯人逮捕の手掛かりを得るため、宮古島に飛ぶ。仲野は福岡の高専を優秀な成績で卒業しながら派遣労働者となり、日本中を転々としていた……。
現代の生き地獄を暴露する危険きわまりない長編ミステリー!


【編集担当からのおすすめ情報】
聞こえるか。人間の壊れてゆく音が。
古い団地の一室で、自殺に偽装して殺害された心優しき青年。
彼は、遠く故郷を離れ、日本中を転々とする派遣労働者だった。
大企業にとって、非正規労働者は
部品と同じである。

感想・レビュー・書評

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  • 派遣労働者の現実に驚愕するばかり

  • 大ベストセラー
    メモ魔の窓際刑事のミステリー感が面白い。

  • 震える牛があまりにも面白かったため、続けて拝読。
    テーマは派遣労働者とエコカー問題。
    派遣労働者を物として扱う企業の姿勢を強調しており、少し過激な内容。
    「人間は置かれた環境と歳月で激変する」
    同感。

  • このところ多忙につき、読感を書いている時間がない。
    とりあえず、読みましたということで、読了日と評価のみ記載。

    2018/10/21

  • 警視庁捜査一課継続捜査担当の田川信一は、メモ魔の窓際刑事。同期の木幡祐治に依頼され、身元不明相談室に所蔵されている死者のリストに目を通すうち、自殺とされたナンバー903の男が他殺だったことを看破する。二年前に死体が発見された都内竹の塚団地を訪れた田川と木幡は、室内の浴槽と受け皿のわずかな隙間から『新城も』『780816』と書かれたメモを発見。903の男は、沖縄県宮古島出身の派遣労働者・仲野定文と判明した。仲野は福岡の高専を優秀な成績で卒業しながら派遣労働者となり、日本中を転々としていた…。

  • とある事件からストーリーが企業の人材派遣労働者への非人道的な問題へと発展。
    刑事ものかとおもいきや、前作「震える牛」を彷彿とさせる。
    後篇の展開に期待!

  • 派遣。
    自分の身の回りで見かけないから全く内情を知らなかったし、稼いでる側だって、辛い思いをたくさんしてお金を稼いでるんだよって訴えたいところはかなりあるけど。
    アリ地獄みたいで、入ってしまうと出るのは本当に大変なんだなという事がわかった。

  • 古い団地の一室で、自殺に偽装して殺害された心優しき青年。遠き故郷を離れ、日本各地を転々とする派遣労働者だった彼は何故殺されたのか。現代の生き地獄を暴露する長編ミステリー。
    資本主義経済は搾取する側とされる側の下成り立っている。ただひと昔前は、そこに我が国独特の家族的な労使関係が存在していた。その妥協点を消滅させた国際間競争や政策によって起こる悲劇。読み進めるのがとても苦痛に感じる。でも目を背けてはいけない。

  • ストーリーの背景が少し前という感じがして新鮮さは無かったが、確かに社会や経済の問題として大きな議論があった。
    この時期より少し経済が持ち直してきているが、まだまだ雇用形態が派遣という事で思い悩んでいる人々がいると考えると暗い気持ちになる。
    下巻には明るい結末があるとは思えないが読まずにはいられない。
    ストーリー展開が巧みだと思う。

  • 「ガラパゴス(上)」
    震える牛の事件から四年後。梢に娘が誕生。


    「震える牛」に続く読了。前作は抜群に面白くて田川信一にも強い魅力を感じ、これはシリーズものになればいいのに・・・と思ってました。しかし、ちゃんとシリーズものでした。有難や。


    今回は、前作の4年後の2015年8月、田川信一が鑑識課である木幡祐司に協力を依頼されることから始まる。ノルマを達成する為、同期である田川に泣きついてきた経緯から、田川は身元不明者リストに目を通すうち、2年前に自殺として処理された案件に不審を抱く。事件前日に起きた通り魔殺傷事件が起きていたことからも他殺の疑いを強め、木幡と共に再捜査を開始するのだ。


    自動車メーカー、人材派遣会社、そして警察官の3者によって生み出された闇を田川が炙り出す一冊。田川の捜査側だけではなく、彼ら加害者の視点からも事件の側面が描かれています。田川が偽装殺人を見破るのと時を同じくして、警察官の再就職を斡旋する鳥居の悪徳警官振りや自動車メーカーが推し進めるコストカットと引き換えに犠牲にしたもの、鳥居と人材派遣会社の森社長との黒い関係が並行して描かれています。


    また、本書はハイブリットカーを題材に日本の自動車メーカーが世界から置いてけぼりになっているガラパゴス化の実態と推し進められるコストカット、その余波を受けて深刻化する派遣労働者の労働環境を加害者側と被害者側の視点でリアリティを以て描いており、非常に考えさせられます。特に、取り換え可能な部品の様に扱われる派遣労働者とそう扱って当然という人材派遣会社との格差は、現実社会の暗い闇を描いています。


    上巻は、派遣労働者である田川の近所に住む工藤の話を聞いたところで終わります。工藤から話を聞き、日本の雇用環境が激変したことを思い知らされる田川。派遣の現場の声が痛烈に響く所は、告発小説たる所以です。


    下巻へ一気に引き込まれる吸引力はさすがの一言。

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著者プロフィール

相場 英雄(あいば ひでお)
1967年新潟県生まれ。89年に時事通信社に入社。2005年『デフォルト 債務不履行』で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞しデビュー。
12年『震える牛』が話題となりベストセラーに。13年『血の轍』で第26回山本周五郎賞候補、および第16回大藪春彦賞候補。16年『ガラパゴス』が、17年『不発弾』が山本周五郎賞候補となる。

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