下町ロケット ガウディ計画 (小学館文庫)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 2571
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  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094065367

作品紹介・あらすじ

直木賞続編、遂に文庫化!あの感動が再び!

その部品があるから救われる命がある。
ロケットから人体へ――。佃製作所の新たな挑戦!

ロケットエンジンのバルブシステムの開発により、倒産の危機を切り抜けてから数年――。大田区の町工場・佃製作所は、またしてもピンチに陥っていた。
量産を約束したはずの取引は試作品段階で打ち切られ、ロケットエンジンの開発では、NASA出身の社長が率いるライバル企業とのコンペの話が持ち上がる。
そんな時、社長・佃航平の元にかつての部下から、ある医療機器の開発依頼が持ち込まれた。「ガウディ」と呼ばれるその医療機器が完成すれば、多くの心臓病患者を救うことができるという。しかし、実用化まで長い時間と多大なコストを要する医療機器の開発は、中小企業である佃製作所にとってあまりにもリスクが大きい。苦悩の末に佃が出した決断は・・・・・・。
医療界に蔓延る様々な問題点や、地位や名誉に群がる者たちの妨害が立ち塞がるなか、佃製作所の新たな挑戦が始まった。

ドラマ化もされ、日本中に夢と希望をもたらした直木賞受賞作続編が、待望の文庫化!

感想・レビュー・書評

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  • やっぱり面白い。『ガウディ』のネーミングも粋です。
    どんでん返し系なのは分かっているが、文体や構成によって憎らしさの度合いが映像化していなくとも文体で伝わって来る。池井戸先生の作品だからこそ味わえる臨場感。ドラマがうろ覚えだったからこそ楽しめたのかも知れないが、スッキリさせてくれました。

  • 下町ロケットの続編(2作目)。
    これも以前、ハードカバーが出たときに、
    すぐに読んだことがありましたが、再読。
    以前、読んだことあるとはいえ、
    完全にストーリーが頭から消失していたので、
    ゼロから楽しむことができました。

    ※下町ロケット
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4094088962#comment

    今回はロケットではなく、医療機器がテーマ。
    人の命を扱うテーマなだけに、
    重みのあるストーリー展開になっていて、
    何となくストーリー展開が見えるにも関わらず、
    感動的な場面がチラホラあります。
    分かりやすい正義vs悪の構造や
    最後にはやっぱり正義が勝つ!という鉄板も変わらずで、
    読んでいて安心感のあるストーリーです。
    (自分はこういう分かりやすい話が好きだったりする。)

    巻末にはないですが、間違いなく著者の池井戸さんは、
    医療関係や病院の構造についてリサーチしているし、
    そういう見えない土台がしっかりしているからこその
    エンターテインメントがハマる理由なような気がします。

    ちょっと元気がないときにも
    元気のもらえるサプリのような小説。
    3作目以降は、完全に味読なので、
    読むのが楽しみで仕方ありません。

    ※下町ロケット ゴースト
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/409407063X#comment

    ※下町ロケット ヤタガラス
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4094070648#comment

  • これもオーディブル。

    ここのところ、遅くまで雑務に追われる日々が続いている。
    会社帰りに電車の中で、歩きながらストレス解消に聴く。
    佃たちの奮闘ぶりを聴いて、明日も頑張ろうと思う。

    「何のために働くのか?」に改めて気付かされ、感動している自分の青さに苦笑。

  • 佃さん。
    とってもかっこいい経営者ですね。

    自分への不信感からやめてしまった部下がいても
    その不信感を与えてしまったことを
    先ず認めること。
    認めるから、自身を振り返れて、
    結果更に成長したリーダーとなる。

    失敗を認め学ぶ姿。
    こうした人に協力者は出来ますね。
    とっても参考になります。
    見習おうって思います!

  • Amazonオーディブルで聴いた。

    面白かった。
    池井戸潤は安定してるなぁ。

    貴船がクソで、一村はとても良い人だった。

    仕事に夢をなくしたらただの金儲けで、それじゃつまらないだろう?みたいな佃の台詞は美しいけど、私の仕事はただの金儲けです、どうもスンマセン…という気分(^_^;)

  • 単行本から文庫本へ。
    テーマは、ロケットから人体へ。
    中小企業の底力、ここにあり。
    文句無しに面白いです。

  • 「下町ロケット」が最高に面白かったので、読んでからすぐに第2弾の「下町ロケット ガウディ計画」を買ったのですが、先に買った別の作者の小説を5冊ほど読んでから読むことにしました。やっぱりすぐに読むべきだったと後悔しています。前作以上に最高の傑作です。池井戸潤の小説を読むのは10作目ですが、傑作中の傑作だと思います。次の「下町ロケット ゴースト」が早く文庫本化されるのを願ってます。
    前作はロケットエンジンのバブルシステムに中小企業の佃製作所が巨大企業に挑む話でしたが、今作はバブル技術を元に「ガウディ」と命名された医療機器の開発へ挑む話です。
    立ちはだかるのは医療界の権力、そしてNASA出身の社長率いるライバル企業。ライバル企業はロケットエンジンでも佃製作所に立ちはだかる。絶体絶命の危機から大逆転するストーリーはいつも通りですが、それでも複雑な絡みが一本一本解かれていき、最後は感動の結末になるのがたまらない。

  • Audible読了
    ロケットの次は先端医療だ!
    人間の命、もっというと心臓病の子どもたちの笑顔がドラマの重みをグッと引き上げている。子を持つ親ならばウルっときてしまう場面もあり、改めて池井戸作品の幅の広さを感じた。

    作中、佃社長の仕事に対する捉え方に目を引かれた。
    「仕事は二階建ての家」
    1階は文字通り生命維持に必要な台所やトイレがある。
    対して2階にあるのは見晴らしの良い部屋や遊び部屋。つまりは夢や理想を意味する。
    仕事に必要なのは、生活も夢もどちらもで、どちらが欠けてもダメだと。去り行く部下に、社長が言い聞かせるシーンにズシーンときた。シンプルに共感できるし、佃製作所という組織を見ればこそ、頷けるセリフ。こんなに熱量あるリーダーが作る、グルーヴ感。逆に残る側の部下からは「ウチの家なんか、風通しが良すぎて寒いくらいですよ」と軽口が飛ぶ。笑えるくらい、うらやましい。

    私が身を置く会社は、良くも悪くも帝国重工寄り。すでに陳腐化しつつある自動車産業の一角。組織の硬直化は言わずもがな。この家に2階があるのか。流行りの平屋なのかもしれん、と笑えるくらい、諦めた。最近イキのいい若手に会えて、この人を社長にしたいと思ったほど。

    そんな佃社長が会社のピンチをくぐりぬけ、達成感あふれる場面で放った名言がもう一つ。
    ──会社ってこうやって成長していくものなんだな。みんなと同じ成功体験をくぐりぬけ、時に何かを失いながら何かを得ていく。その繰り返しなのかもしれない。それは楽な道ではないと思う。だからこそ、お互いに励ましあって支えていかなきゃならないと思う。

    会社の成長と人の成長が見事にリンクした胸アツの一言。もうついていきたいですっ…社長!

  • 後味のスッキリできる作品。

    医療と技術を題材にされており、利権が絡むドロドロさ加減がとても面白かった。

    単純に様々な技術が大きさや方法を変えるだけで役立つ用途の可能性が広がることにも感心させられた。

  • 今回も面白かった、、、!!
    読み終わってから、映像版のキャストを見て納得する、というようなことをしました。笑
    ドラマも見てみたいなー。

    今作は人工弁技術に挑む佃製作所。
    あまりにきもちのいい勧善懲悪で、逆転するって信じて読み続けていくけど、本当に最初の方は読んでいてハラハラする。笑
    佃さんと社員たちが、やるべきことを粛々と行って、汚い手口には手を出さないところが、芯が通ってきて気持ち良い。そしてそれが大逆転に繋がるという。こういうふうに仕事がしたい。

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著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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