そして8日目に愛を謳った。 (小学館文庫 Cお 4-1 キャラブン!)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094065978

作品紹介・あらすじ

世界が終わる前に探し出した、本当の自分

わたしはこの世界が嫌いだ。
そんな気持ちを誰にも知られないように、周りが期待する「わたし」らしさを装って、当たり障りのないよう生きてきた女子高生の佐伯真魚。ある日、差出人不明の手紙で校舎の屋上に呼び出された真魚は、手紙の送り主がクラスメイトの九条シキだと知って驚く。いつも暗い雰囲気を漂わせて教室の隅にいる九条。だが、目の前の九条は晴れやかな笑顔を見せている。そしてその背中には、白く大きな翼が。人畜無害だと思っていた地味な男子生徒が、実は天使を演じるイタい人種だった…? そっと引き返そうとする真魚に、九条は謎めく言葉を告げた。
「佐伯さん、聞いて。あと七日で世界が終わるんだ」
世界を滅ぼすかどうかの選択者に、真魚を選んだという自称・天使の九条。そして滅亡を避ける方法は、真魚自身をこの世界から消す、というものだった。九条の言葉を信じられない真魚だが、翌日、いつもの景色から何かが失われていることに気づいてしまう――。
世界の未来をその手に握る真魚が、最後の一週間で見つけた“答え”とは? 若者の圧倒的支持を集める沖田円が描く、感動の青春小説!

感想・レビュー・書評

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  • もう最高!これが一番心にグッときましたね。

  • 主人公で女子高生の佐伯真魚は、仕事一筋の母親との2人暮らしで、父親は病気で他界しています。真魚はこの世界が嫌いだということを隠して無難に友達と接しています。そんなある日、手紙で屋上に呼び出され、存在感のないクラスメイトの九条シキから世界があと7日間で終わると聞かされます。しかも、このまま世界を終わらせて消すか、真魚自身の消すか、真魚自身がが選択するように言われます。世界が消えて無くなるまでの1週間で、真魚が本当の自分を見つけるまでの物語です。
    世界が終わるのと女子高生一人の母親や友人との葛藤との差が大きくは感じますが、女子高生にとっては、たった一人の母親やクラスの友達との関係そのものが、世界そのものだと思います。その世界を嫌っている女子高生が自分自身を見つけ、母親や友達と素敵な本当の関係になれたことの大事さを感じました。

  • 悪くない。ラストもまあまあ。

  • 五条の最後に言う名言最高すぎた

  • 白とグレー

  • 世界を崩壊させるか、否かの選択を任された主人公。
    嫌いな世界を滅ぼすか、守るか。
    悩み悩んで答えを決めるまでの8日間を描いた小説。

    YA向き。

  • 物語は面白かったけれど、最後選択肢にはなかった
    どちらも選ばない
    というのを選んだのが物語としてどうなのかなと
    思いました。
    まあハッピーエンドで良かったです

  • 「一日目 月曜日」
    放課後屋上に呼んだのは。
    突然世界が終わると言われても普通は変な人というレベルで済むだろうが、相手の背中から見えた物を信じるとなると話は別だよな。
    彼女の中に既にあるという答えは今の状態だと、世界を救うや誰かを助けるという選択肢は浮かんでくる気はしないな。

    「二日目 火曜日」
    よく見る景色から消えたのは。
    ふと思った事を口にした時に自分以外の全ての人間の記憶から、ある日突然誰でも知っているであろう動物の存在が消えていたら怖いだろうな。
    いくら仕事が出来て頼りがいが有り誇らしい母親だと他人に言われても、娘が寂しい想いをしているとも気付けない程コミュニュケーション不足なのは良くないのでは。

    「三日目 水曜日」
    彼女に着いて行きその先は。
    いくらなんでも彼の行動は少し強引すぎないかと思う反面、人との関わりを嫌う彼女の内側に入る為には丁度いいのかもしれないな。
    成り行きで泊まることになってしまったが、彼は人の常識を持っている様で変な所が抜けているような印象が強く見えた日だったな。

    「四日目 木曜日」
    珍しく体調を崩した時に。
    中々風邪を引かない人が目に見えて体調不良を起こしていたら、誰だって普通より倍心配するだろうし慌ててしまいそうだな。
    彼は下心も何も無しにただ彼女に着いて行ったが、彼は彼女を好きである限り嫌でも全て無しには出来ないだろうから自宅までは断るだろうな。

    「五日目 金曜日」
    風邪で弱った体は心も。
    普段は忘れていたり考えないようにしている事でも、体調を崩した事により変に考え始めてしまったり小さい事でも気になるんだろうな。
    外から聞こえた噂話は勝手な大人の推測であり、片親でも幸せである人だっているだろうし実際に血の繋がりが無い人を家族として迎えるには覚悟も必要だろうしな。

    「六日目 土曜日」
    思わず爆発した感情の波。
    いくら友人だったとしても踏み入って欲しくない話題や、簡単に触れていい話で無い事ぐらい簡単に分からないからこんな事になったのだろうな。
    彼が口にしたのは嫉妬や裏切られたという感情からだと思われるが、他人が隠していた事を逃げ場の無い人の多い場所で言うなんて有り得ないな。

    「七日目 日曜日」
    本当の自分と世界の見方。
    変わることは無いと思っていた彼女の答えは始めから間違いであり、本音は誰にも言わず閉じ込めたせいで自分でも気づかなかったのだろうな。
    彼女の事を本当に大切と思ってくれている人であれば、きっと本音を叫んだ彼女の心境や自分達の無神経さを恨み本当の彼女と向き合おうと思うだろうな。

    「八日目 月曜日」
    消えず続く変化のない日常。
    我儘な願いとも言えるかもしれないが、自分を愛してくれる人がいる事を知り世界の見方が変わった今ではこれ以上無い選択だったろうな。
    変わってない日常に見えるが、彼女が本音を隠さず接する事が出来る様になった今は以前とは全然違う世界に変わっただろうな。

  • タイトルの語感が良くて買ってみたけど、物語のスケールと主人公が釣り合っていなくて全てが薄っぺらく終わってしまった印象。オチなし山なし意味もなし

  • 世界が消えるか、自分ただ一人が消えるか。

    そんな命題を与えられたらどんな答えを出すのだろう。
    それを女子高生に与えてしまうところがいいよねえ。

    普通の女の子に究極の答えを迫るのがすごくいいと思うのです。たとえどんな世界だとしても、自分次第で良くも悪くも見え方は変わるものだと、改めて気づかされました。

    たぶん、わたしならこんな素敵な答えは出せなくて、きっと安易な答えを選んでしまいそう。

    愛を謳えるくらい、2019年の世界も綺麗なものでありますように。

    (わたしも真姫ママの唐揚げ食べたいなぁ(・∀・))

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著者プロフィール

愛知県安城市出身。2012年『一瞬の永遠をキミと』でデビュー。2015年末に刊行した『僕は何度でも、きみに初めての恋をする。』は累計25万部を突破しコミカライズされた。2018年には、『千年桜の奇跡を、きみに~神様の棲む咲久良町~』(原題『咲久良町シンフォニー』)がポプラ社ピュアフル小説大賞で金賞受賞。その他著書に、『喫茶とまり木で待ち合わせ』『雲雀坂の魔法使い』『神様の願いごと』『10年後、きみに今日の話をしよう。』『猫に嫁入り』シリーズなど、ヒット作多数。

「2023年 『怪異相談処 がらくた堂奇譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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