ロマンシエ (小学館文庫)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 1415
レビュー : 126
  • Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094066036

作品紹介・あらすじ

乙女な心を持つ美術系男子のラブコメディ!

有名政治家を父に持つ遠明寺美智之輔は、子どもの頃から絵を描くことが好きな乙女な男の子。恋愛対象が同性の美智之輔は、同級生の高瀬君に憧れていたが、思いを告げることもないまま、日本の美大を卒業後、憧れのパリへ留学していた。
ある日、アルバイト先のカフェで美智之輔は、ぼさぼさのおかっぱ髪でベース形の顔が目を惹く羽生光晴という女性と出会う。凄まじい勢いでパソコンのキーボードを打つ彼女は、偶然にも美智之輔が愛読している超人気ハードボイルド小説の作者。訳あって歴史あるリトグラフ工房idemに匿われているという。
過去にはピカソなどの有名アーティストが作品を生み出してきたプレス機の並ぶその工房で、リトグラフの奥深さに感動した美智之輔は、光晴をサポートしつつ、リトグラフ制作を行うことになるが、ある大きな転機が訪れる。


【編集担当からのおすすめ情報】
単行本刊行当時、小説『ロマンシエ』に登場したパリのリトグラフ工房「idem」とコラボした展覧会を東京ステーションギャラリーで開催しました。その際、展覧会の図録に寄せた掌編を文庫に特別再録。小説(フィクション)と展覧会(リアル)が交差した奇跡の展覧会開催までの舞台裏がわかる特別寄稿も掲載しています。これを読めば『ロマンシエ』の全てがわかるコンプリート版です!

感想・レビュー・書評

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  • 遠明寺美智之輔は体と心のジェンダーが違う美大に通う大学生の男の子です。
    同級生の高瀬くんに恋をしています。
    通称『アバザメ』というハードボイルド小説の大ファンで愛読しています。
    美智之輔は絵の才能を学長に認められパリに留学します。

    そして、舞台はパリへ。
    いつも恋のセンサーが始動している男子だけど女子力の高すぎる乙女な美智之輔。
    なんと、パリで『アバザメ』の作者、羽生光晴、通称ハルさんと知り合い、担当編集者から逃げているハルさんを匿い、共同生活を送ることになります。
    ハルさんは、なんと女性でした。
    ハルさんは複雑な事情があり、小説を書けなくなっていました。

    美智之輔のほうは、卒業制作としてのリトグラフ創りに興味を持ち、工房にも出入りして、工房の仲間たちと知り合います。
    そこへまた、日本から高瀬くんが出張でやってきてドタバタします。
    ジェンダーに違和感を覚えている美智之輔がアーティストを目指すのは当然の環境だったように思います。

    それにしても、このお話はふざけているのか、本気なのか、美智之輔の乙女ぶりもさることながら、聖子ちゃんの唄はともかく、北島三郎の「まつり」の唄まで、いいタイミングで飛び出し、とにかく全編を通して笑えます。

    最後の美智之輔の勇気ある行動は本当に褒めてあげたいと思いました。
    ハルさんもなんて優しさのある人だろうと思いました。『ロマンシェ』というタイトルは「小説家」という意味だそうです。最後にわかりました。

    本当に五行に一回は笑っちゃうようなとびきりのロマンスでした。

    • kanegon69 さん
      良かった。この作品は好みが分かれやすく、どうかなと思ってたんです。共感出来るなんて凄く嬉しいです^_^
      良かった。この作品は好みが分かれやすく、どうかなと思ってたんです。共感出来るなんて凄く嬉しいです^_^
      2019/07/20
  • いやぁ、まじっすか、マハさん。もうあなたにはおったまげられっぱなしですよ! 笑

    「楽園のカンヴァス」「暗幕のゲルニカ」「たゆたえども沈まず」「サロメ」「ジヴェルニーの食卓」などの美術もの傑作小説、、

    「キネマの神様」「本日はお日柄もよく」「旅屋おかえり」「翼をください」「総理の夫」「生きるぼくら」などの、美術枠外の傑作小説、、

    今までどれだけ感動させられたことか、、

    今回は「ロマンシェ」。読み始めたら、おいおい、おーーい、電車の中で笑っちゃうじゃないの!きゃははは、クスクス、ナイスツッコミ! わぁ何これ、本当にマハさんの作品なの?マジ?マジ?って何回も表紙を確認。間違いない。

    えーっ、すげ〜、こんな笑いたっぷりな小説書くんだぁって、幅の広さに感心感心。うんうん、ぷぷぷ、、笑っちゃう^ ^

    でもやはりマハさん。ストーリー構成力は相変わらず抜群。最後やっぱり切なくキュンとさせられちゃうし〜、リトグラフに興味は持っちゃうし〜ってなんだか、あたしまで美智之輔になっちゃうじゃぁないのぉ、やだぁ〜〜もぅぉっ、、


    ええ、あー、、ごほん、、し、し、失礼しました 汗

    そのぐらいマハさんの他の作品と作風が違い、しかも本当に楽しめました。作者のバイタリティ、本当に凄いです。

    え、あなたもちょっと笑って切なくキュンとしたい?おススメですよ 笑

    • まことさん
      マハさん、コメディの才能も並みじゃないですね(^^♪
      マハさん、コメディの才能も並みじゃないですね(^^♪
      2019/07/20
  • 小説が面白いのはさることながら、小説と実際に開催された展覧会が連動しているという立体的にアートを楽しめる作品。しかも展覧会の進行を見ながらその内容が小説にも反映されていることに驚いた。小説の解説まで読んでこの本の次元の広さに思わず感嘆してしまった。限りなくノンフィクションに近い作品ではないかと思う。
    作品内の登場人物たちも魅力的だった。自身のジェンダーに悩む若手アーティスト美智之輔とこの作品の著書である原田マハをモデルとした小説家ミハルをはじめ、登場人物たちのまっすぐさが眩しくて読んでいてとても気持ちが良かった。好きなことを好きな場所で好きな人たちとやる人生。私もこの登場人物たちのように自分の「好き」や「大切なこと」にまっすぐでありたい。そんな人生にしていきたいと思えた作品。

  • マハさんはいつも新しい分野にチャレンジしていて読んでいるこっちもワクワクする。

  • あれ?これ、原田さん?と読み始めは思いながら読んでいたが途中から夢中になり、そんな事はどうでも良くなった。読み終わって今はとても良い満足感に満ちている。観たかったな〜この美術展。リトグラフにも興味をもった。

  • 「君が叫んだその場所こそが、ほんとの世界の真ん中なのだ。」これはだれもがもっと自由になっていい、だれもが人生の主役なのだという作者からの愛あふれるメッセージだ。
    ほんとの声、気持ちを表にあらわすことのできない者すべてが主役の物語。自由じゃないと感じるとき、自分を表現できていないと感じるときは、自分なんて世界のほんの片隅のちっぽけな存在なのだとみじめに思ったりしてしまう。そんなとき、声をあげてみる、自分の気持ちに素直になってみることから自由になることができると原田マハ(ハルさん)は教えてくれている。人生紆余曲折あるけれど、自分の気持ちに素直に正直に生きていけば、そのうち良い方向に向かっていくような気がする。
    マンガやコミカルなドラマを見ているような感覚で楽しく読み進めることができた。ミチノスケは身体は男性で心は女性でその人格を描くことで手一杯になりそうなところ、きちんと人間性を描き出しているので感情移入して感動するところがたくさんあった。またこの作家の本を読んでみたい。

  • 美智之助の恋愛はどうでもいいけど、ハルさんの優しさとムギさんのお洒落さがグッとくる。

  • 乙女な美・男子の言葉を読み慣れるのに1ページ、後はドドーーっと読んで、気がつけばラスト。みはるさんの文章も館長さんの特別寄稿も解説も本文と一体になって、ロマンシエの世界になっている。
    フフフ うれしいなぁ この本に出会えて!!

  • 図書館で。とにかく可愛らしくて甘酸っぱくて暖かくて色んな感情のミックスな読書時間でした。ハルさんと美智之輔とってもとっても素敵な出会いだったな。  君が叫んだその場所こそが、ほんとの世界の真ん中なのだ

  • LGBTが主人公の物語は初かもしれない。彼らの苦境を題材にしたものが多いせいか,彼らの青春,恋愛が新鮮に映った。今までの原田作品とは一風変わった感じはするが,これはこれで面白かった。
    あらすじ(背表紙より)
    政治家を父に持つアーティストの卵・遠明寺美智之輔は、恋愛対象が同性の乙女な男子。同級生の高瀬君への恋心を秘めたまま、日本の美大を卒業後、単身、パリへ留学した。ある日、美智之輔は印象的な風貌の羽生光晴という女性と知り合う。偶然にも彼女は、美智之輔が愛読する超人気小説の作者で、訳あってリトグラフ工房に匿われていた。過去に、ピカソなどの有名芸術家たちが作品を生み出してきたプレス機が並ぶその工房で、リトグラフに魅了された美智之輔は、光晴の生活をサポートしつつ、リトグラフ制作をすることになるが―。

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著者プロフィール

原田マハ(はらだ まは)
1962年東京都生まれ。小6から高校卒業まで岡山で育つ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部美術史学専修卒業。馬里邑美術館、伊藤忠商事株式会社、森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館での勤務を経て、2002年よりフリーのキュレーターとなる。2005年小説化デビュー作の『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞。2012年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞、『キネマの神様』で第8回酒飲み書店員大賞をそれぞれ受賞。2013年には『ジヴェルニーの食卓』で第149回直木賞候補、2016年『暗幕のゲルニカ』で第155回直木賞候補となる。2017年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞受賞。2019年『美しき愚かものたちのタブロー』で第161回直木賞候補に。

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