ロマンシエ

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  • 小学館 (2019年2月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784094066036

作品紹介・あらすじ

乙女な心を持つ美術系男子のラブコメディ!

有名政治家を父に持つ遠明寺美智之輔は、子どもの頃から絵を描くことが好きな乙女な男の子。恋愛対象が同性の美智之輔は、同級生の高瀬君に憧れていたが、思いを告げることもないまま、日本の美大を卒業後、憧れのパリへ留学していた。
ある日、アルバイト先のカフェで美智之輔は、ぼさぼさのおかっぱ髪でベース形の顔が目を惹く羽生光晴という女性と出会う。凄まじい勢いでパソコンのキーボードを打つ彼女は、偶然にも美智之輔が愛読している超人気ハードボイルド小説の作者。訳あって歴史あるリトグラフ工房idemに匿われているという。
過去にはピカソなどの有名アーティストが作品を生み出してきたプレス機の並ぶその工房で、リトグラフの奥深さに感動した美智之輔は、光晴をサポートしつつ、リトグラフ制作を行うことになるが、ある大きな転機が訪れる。


【編集担当からのおすすめ情報】
単行本刊行当時、小説『ロマンシエ』に登場したパリのリトグラフ工房「idem」とコラボした展覧会を東京ステーションギャラリーで開催しました。その際、展覧会の図録に寄せた掌編を文庫に特別再録。小説(フィクション)と展覧会(リアル)が交差した奇跡の展覧会開催までの舞台裏がわかる特別寄稿も掲載しています。これを読めば『ロマンシエ』の全てがわかるコンプリート版です!

みんなの感想まとめ

ユーモアと感動が融合した作品で、主人公の妄想癖が織りなすストーリーが魅力的です。軽快なテンポで進む物語は、恋愛や人間関係を描きつつ、アートの世界にも触れています。特に、主人公が仲間たちと共に青春を謳歌...

感想・レビュー・書評

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  • 数ページ読んでまず思ったのは
    「これはまた突き抜けたコメディだなあ...」
    文章からくるテンションの高さに最後までついていけるかしら...と不安でしたが!が!

    そこはやっぱりマハさん、話が進むに連れちゃんと恋愛、人間愛を絡めたアートものになっていきました。読んでいて最後まで楽しかった!
    そして解説の方も、内緒の裏話を教えてもらってるようで面白かった。

    最近忙しく自分の心も疲れてるなあ...という時は、同じ気持ちの本か、はたまた真逆の本かを手に取る気がするのですが(私だけ?)、今回はこの本を選んでよかった!謎の元気をもらえた!明日からまた頑張ろー!!

  • 外見は、イケメン男子、中見は、超乙女な、美智之輔くん。
    しゃべり方も口から出るのは、男言葉、心の中は、やはり、超乙女。
    まぁ、ええんとちゃうかな。本人の自由やし。
    その美智之輔くんの軽快な(乙女チックな?)口調で話は進む。
    パリ、アート、ブランドもん…色々紹介されてるけど、う〜ん…私にはサッパリ分からん^^;
    だからと言って面白くない訳ではない。
    昭和感あるテンポに乗って、挫折、喜びとか色々経験しながら、成長していく感じは、良い。
    途中、ルパン三世ばりの逃亡劇あったりで、飽きさせず。
    これ、現実と同時並行の話やってんな。
    実際に東京のギャラリーでやってたみたい。
    何か、原田マハさんって、行動力が凄いわ。
    読後感、爽やか!

    ひとりで、コタツの中で、読後感に浸ってます!
    ここが、私の世界の真ん中 (^_^)v

    ★リトグラフ見てみよ!

  • 主人公の妄想癖が暴走するやかましい小説(笑)
    原田マハさんがこんなに振り切った文章を書くことに驚いた。
    作中で羽生光春の書くハードボイルド小説『シャーク本郷、クールな殺し屋〈暴れ鮫〜殺意の囁き(ジュテーム)〉』はタイトルだけで笑えるし、内容もベタすぎてそっちも読んでみたくなる。

    リトグラフに魅せられていく過程の描写は意外と少なく、悩みながら前に進んだり、切ない恋をしたり、仲間の心地よさを感じたりする内容だった。 
    みんなでドーヴィルに行く場面は青春ドラマみたいでちょっと素敵。
    美智之輔は高瀬くんを純粋に想っていていいやつだったなぁ。

    この小説が実際の展覧会と連動した企画だったことは驚きで、巻末にあるステーションギャラリーの館長によるオープンまでの苦労話や、解説で語られる原田マハさんのすごい行動力の話はなかなかおもしろかった。

  • いつもとは違うタッチでした。もう一回じっくり読もうかなと思います。ユーモアをずっと貫いている感じです。

  • テンションむっちゃ高くて、妄想癖ありありのイケメン美大生・遠明寺美智之輔(心は乙女)は、卒業制作が最優秀作品に選ばれ、パリに留学する権利を得た。密かに思いを寄せる同級生・高瀬(もちろん男)に思いを打ち明けられないままパリへ旅立った美智之輔だったが、実は名もない美術塾へのなんちゃって留学。一念発起して名門美術学校を目指し勉強&アルバイトに勤しむテンションむっちゃ高くて、妄想癖ありありのイケメン美大生遠明寺美智之輔(心は乙女)は、卒業制作が最優秀作品に選ばれ、パリに留学する権利を得た。密かに思いを寄せる同級生・高瀬(もちろん男)に思いを打ち明けられないままパリへ旅立った美智之輔だったが、実は名もない美術塾へのなんちゃって留学。一念発起して名門美術学校を目指して勉強&アルバイトに勤しむ美智之輔は、ひょんなことから天童よしみ似の厳つい中年女性・羽生光晴(はぶみはる、はるさん)と知り合う。この女性、実は25年続く超絶人気ハードボイルド・アクション・エンターテインメント〈暴れ鮫〉シリーズ作者。美智之輔は何を隠そうアバザメの熱烈ファン=バザメン(いや、心は女だからザメンヌかな)だったからすっかり舞い上がってしまい…。まあその後、リトグラフ工房に転がり込んだり、スリリングな逃避行を味わったり、美智之輔の恋のゆくえに悶々とさせられたり、とにかくドタバタと色々あって最後はハッピーエンド(笑)。

    著者のこれまでの作品にない振切り方。極上のラブコメだった!

    タイトルのロマンシエは、フランス語で小説家なんだとか。

    解説に「羽生光晴が創作するのが書名も主人公の名前も先行作品を彷彿とさせる、かなりベタなハードボイルドであるのはご愛嬌」ってあるけど、先行作品は「新宿鮫」のことかな?

  • 自分のジェンダーに違和感のある主人公とロマンシエのハルさん。何とも言えないいい関係でした。最後には、小説と現実が交錯してすごいことになってたんですね。
    ロマンシエ(=小説家)、フランス語で言うと響きがいい。マハさんのアート愛が色々と感じられる一冊でした。

  • 遠明寺美智之輔は体と心のジェンダーが違う美大に通う大学生の男の子です。
    同級生の高瀬くんに恋をしています。
    通称『アバザメ』というハードボイルド小説の大ファンで愛読しています。
    美智之輔は絵の才能を学長に認められパリに留学します。

    そして、舞台はパリへ。
    いつも恋のセンサーが始動している男子だけど女子力の高すぎる乙女な美智之輔。
    なんと、パリで『アバザメ』の作者、羽生光晴、通称ハルさんと知り合い、担当編集者から逃げているハルさんを匿い、共同生活を送ることになります。
    ハルさんは、なんと女性でした。
    ハルさんは複雑な事情があり、小説を書けなくなっていました。

    美智之輔のほうは、卒業制作としてのリトグラフ創りに興味を持ち、工房にも出入りして、工房の仲間たちと知り合います。
    そこへまた、日本から高瀬くんが出張でやってきてドタバタします。
    ジェンダーに違和感を覚えている美智之輔がアーティストを目指すのは当然の環境だったように思います。

    それにしても、このお話はふざけているのか、本気なのか、美智之輔の乙女ぶりもさることながら、聖子ちゃんの唄はともかく、北島三郎の「まつり」の唄まで、いいタイミングで飛び出し、とにかく全編を通して笑えます。

    最後の美智之輔の勇気ある行動は本当に褒めてあげたいと思いました。
    ハルさんもなんて優しさのある人だろうと思いました。『ロマンシェ』というタイトルは「小説家」という意味だそうです。最後にわかりました。

    本当に五行に一回は笑っちゃうようなとびきりのロマンスでした。

  • パリのことをよく知らないからか、はたまた芸術的な面に疎いからなのか、読むのに時間がかかってしまった。コメディ的要素が多く、表現や展開は面白かった。

  • お気に入りの原田マハの作品にしてはイマイチだった。
    「本日は~」や「シネマの神様」のような心温まる系ではなく、「美しき愚かものたちの~」のような本格アート系でもない。
    先頃トランプ大統領が「アメリカには男と女しかいない」というトンデモ発言をしたが、私自身はLGBTは普通のことだと思っており特に偏見もない。だが、本作の主人公の全編オトメな表現で描かれた文章はどうにも好きになれず入り込めなかった。原田マハの文章力をもってすれば、女性の心を持つ男性を描写するのにこういう表現方法を使わなくても十分可能だったはずなのに。更に作中で時折出てくる小説「暴れ鮫」の内容がチープすぎて、「こんな文章で世界中でヒットする訳ないじゃん」と思ってしまったため、どうにも没入出来なかった。
    唯一の収穫はパリのリトグラフ工房idemを知れたこと。2015年に東京ステーションギャラリーで開催された展示会のことなど当然知らず、観ることが出来ないのが残念だ。

  • はじめタイトルの『ロマンシェ』を見た時、洋菓子の「フィナンシェ」と語感が似ていたため、お菓子をイメージしてしまったが、フランス語の「romancier(小説家)」だった。あとがきを読んで初めて、この小説が現実と多々リンクしていたことを知り、同名の企画展が実際に2015年に東京で開催されていたことも知った。リアルタイムで知っていたらますますワクワクしたことだろう。小説はコメディータッチ且つパリやフランスもたっぷり堪能でき、原田マハさんにしか描けないものだなと思った。

  • こんなにテンションの高い著者作品は初めてだ!
    多様性を受け入れる都市は、創造性に富んだ場になるという。そんなクリエイティブな場であるリトグラフ工房idem...。機会があれば訪れてみたい。東京での展覧会にまでつなげてしまう著者の行動力に脱帽...。

  • 読み終わった瞬間の第一声ならぬ、第一想は「もう一度パリへ旅行へ行きたい!!」そんな気持ちになるくらい、数年前に行ったパリの風景を思い出しながら、ずっとワクワクした気持ちで読んでいた。
    それがすごく楽しくて、コメディ調の物語というのも相まって、1人でクスッと笑ってしまうくらい面白かった。

    巻末の特別寄稿を読んで、この物語が実際に開催された展覧会の話に繋がっているとは・・・!
    しかも、idemという工房も実在していたなんてびっくり!

    原田マハさんの世界観の魅力にに、またどっぷりとはまってしまって、早速他の作品を調べ出してしまう次第でした。

  • 本作も他と全く違う魅力があって、期待を裏切らない著者はすごい!といつも思う。
    軽妙なタッチの文体と、それでいて芸術への深い造詣、人間への愛を浴びるように感じる、あたたかで前向きになれるストーリーだった。いいなぁ原田マハさん。

    それにしても出版直後にこの物語に出会いたかった。小説連動型の展覧会とか…胸熱すぎる…!!行ってみたかったー。見てみたかったー、リトグラフ!
    言葉では聞いたことがあっても、刷り方の想像ができない。リトグラフについてちょっと調べてみたい。「idem」にもとても興味が湧いた。実際にidemの上で執筆されたなんて、すごいしとても夢があるな。

    「大事なのは、自分に素直になること。自分の気持ちを自由にすること。」
    「君が生きているその場所。そこは、決して世界の端っこなんかじゃない。君が叫んだその場所こそが、ほんとの世界の真ん中なのだ。」

  • とてもコミカルでテンポ良く話が進んでいきます。ジェンダーに悩む美智之輔がパリで様々な経験を積んでいく。
    親父ギャグや昭和アイドルの歌詞、ハードボイルド、カーチェイス…もちろんリトグラフの製作現場などアートの興味も満たしてくれて面白かったですが、
    全てに不完全燃焼な感じが。

  • ドタバタラブコメディとしては面白い。
    …のだけれど、色々ツッコミたい所があるし、何より結末はちょっと予想外だった。

    アイデンティティの確立、あとは性的マイノリティの要素も少なからずあると思うのだが…中途半端に終わった印象。
    原田マハさんの作品としては、やや残念。

  • 原田氏の著作としてはずいぶんくだけているな、という感想。

    リトグラフとはなんぞや、ですが、また少し興味を持たせてくれました。そこまで主題ではないのかなとも思いましたが、美術ネタは他の作品ともリンクしてたり、、さすがでした。

    小説家(ロマンシエ)ハルさんは、マハさんのこと?

  • 原田マハさんのノンフィクションを織り交ぜた最初はちょっと戸惑う感じのコメディタッチのアート小説(2015年11月単行本、2019年2月文庫本)。
    最初からずーっと昭和の空気満載の表現言い回しだったり、歌謡曲や映画だったり、いたるところに笑いを取りに来ている文面に親しみを感じつつ、ちょっとドタバタでばからしく痛いのもまたいい。
    主人公の一人である24歳イケメンLGBT美大生の遠明寺美智之輔(通称ミッチ、フランス名通称ミシェル)が東京の美大からパリの美術学校に留学が決まりカフェでバイトしながら2年が経つ。
    もう一人の主人公は世界中に25年にわたり連載され爆発的ヒットしているハードボイルド小説「暴れ鮫」の正体不明の作家羽生光晴(ミハル、通称ハルさん)で、長年の相棒でプロデューサーの神野仁(通称ジンジン)から逃げてパリに来る。
    この二人がミッチのバイトするカフェで出会い、ハルを追ってきたジンジンから逃げる手助けをミッチがしたことから物語は急展開するのである。
    ハルの友達でパリ在住10年のフリーのアートライター蒼井麦子(通称ムギさん)がハルを匿う場所にしたのはリトグラフ工房のidem(イデム)、19世紀末からピカソ、マティス、シャガールなどのリトグラフを制作してきた実在の工房で現在も続いている。このidemが実はこの物語の大事な場所でありテーマとなっているのだ。実在のオーナーであるパトリスも大事な役で登場する。
    そしてミッチが密かに想いを寄せる同じ美大で大学院へ進学し、展覧会の企画制作会社に就職した親友でやはりイケメンの高瀬が初めての展覧会企画の仕事でパリへ来る。展覧会の企画のパートナーは偶然にもムギさんで、ハルさんの提案でidemの展覧会を日本で開催するという企画が進行するのである。
    LGBTのミッチにとって高瀬への想いは報われることはないのがちょっと哀しい現実だが、idemでリトグラフの制作にのめり込んでいき、きっと世界的なアーティストになると予見されるのが嬉しい。
    そしてえっとびっくりするのが、この展覧会は現実の開催となって進行しているのだ。
    場所は東京ステーションギャラリー、2015年12月内覧会の場面、ハルさんがつけたタイトル「君が叫んだその場所こそがほんとの世界の真ん中なのだ。パリ・リトグラフ工房idemから〜現代アーティスト20人の叫びと囁き」が現実にポスターに書かれ、そして書き下ろしの掌編小説をハルさんが寄稿していた。idemの展覧会への寄稿小説の名前は「ロマンシエ」。
    もう何がどうなったのかすぐにはわからなかった。この今読んだ「ロマンシエ」が起稿小説だと言う。idemの展覧会は実際に東京ステーションギャラリーで2015年12月にオープンしている。「ロマンシエ」の単行本の刊行は2015年11月だ。マハさんが「ロマンシエ」の小説の構想を考えた時に既に刊行に合わせて東京ステーションギャラリーへのidemの展示の交渉を始めていたことになる。マハさんがキュレーターだったことならではの凄い企画だ。知らなくて展覧会に行けなかったのが物凄く悔やまられる。

  • まあ、これはこれで楽しかったけれど、出来過ぎかなー。

  • 美智之輔は生まれながらの性と気持ちの性の不一致に悩み、大好きな同級生に告白もできず、一方的な片想いをしつつ、フランス留学をすることに。

    クスッと笑えるストーリー展開ながら、時に登場人物のそれぞれが置かれた立場に感情移入してしまい、ホロッときてしまう・・。すっかり引き込まれてあっという間に読んでしまいました。

  • 『ロマンシエ』とはフランス語で小説家という意味
    romancier
    実在するリトグラフ工房idemが舞台。
    乙女系美術男子のラブコメ。
    数行に1回は笑っちゃうのにタイトルの意味がわかった瞬間涙…( ; ; )

    「君が叫んだその場所こそがほんとの世界の真ん中なのだ。」
    マハさんの本にも必ず刺さる名言があって心に沁みる。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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