夜行 (小学館文庫)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 2011
レビュー : 180
  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094067033

作品紹介・あらすじ

怪談×青春×ファンタジー、かつてない物語

「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」
私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。私たちは全員、岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。
怪談×青春×ファンタジー、かつてない物語。

春風の花を散らすと見る夢は
さめても胸の騒ぐなりけり
--西行法師


【編集担当からのおすすめ情報】
第156回直木賞候補作にして2017年本屋大賞ノミネート作品。
「ダ・ヴィンチ」プラチナ本オブ・ザ・イヤー2017 第1位。
第7回広島本大賞受賞。
数々の栄冠に輝いたベストセラー、ついに文庫化!

感想・レビュー・書評

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  • これは一体何の話かと思いました。
    学生時代に京都の英会話スクールで一緒だった仲間たち。そのうちの一人、長谷川さんが十年前の秋「鞍馬の火祭」で姿を消しました。
    その仲間たち男性4人、女性1人が集まって、もう一度「鞍馬の火祭」を見に行く旅をします。
    そして第一夜から最終話まで五人がひとつずつ不思議な旅の話を語ります。
    場所は、尾道、奥飛騨、津軽、天竜峡、そして鞍馬。
    いなくなった妻を探す旅、人の未来をみる女性、もうひとりの自分、大人のような女子高校生。
    そして、すべての話に登場する銅版画家で、五年前に48作の『夜行』という作品を残して死んだ岸田道生がでてきます。
    とても不思議で、怖い話ばかりでしたが、よくある思い出話と話の中では語られています。




    以下完全にネタバレですので、これから読まれる方は読まないでください。

    最終話で話は全部ひっくり返ります。
    失踪したのは長谷川さんではなく、物語の語り手のわたしだったことがわかります。
    十年間行方不明になっていたのはわたし。
    『夜行』は永遠の夜。
    『曙光』はただ一度の朝を描いたはずだった…。

    そしてそれも事実ではなかった。
    岸田道生は生きていて、失踪したはずの長谷川さんと五年前に結婚して、二人で旅した場所の『曙光』という作品だけしか描いていなかった。
    「きみは長谷川さんが好きだったろう、大橋君」
    入れ替わった朝と夜の絵。
    入れ替わった失踪者と人の生死。
    私も昔住んでいた、京都の街の何とも言えない、摩訶不思議な読後感のお話しでした。

  • 表と裏。パラレル?
    夜行と曙光。
    怪談だけどファンタジー。
    森見登見彦氏らしい作品。
    でも今までのものより数段進化した感じ。
    これを読んでしまうと、これから出る森見作品は全部読みたいと思ってしまう。
    とても良い作品だと思います。

    • いるかさん
      伊坂好太郎さん コメントありがとうございます。

      伊坂さんの小説の最後の収束感はすごいですよね。
      重松清氏が好きです。
      海堂尊氏も応...
      伊坂好太郎さん コメントありがとうございます。

      伊坂さんの小説の最後の収束感はすごいですよね。
      重松清氏が好きです。
      海堂尊氏も応援したいと思っています。
      これからもよろしくお願い致します。
      2019/12/13
    • sinsekaiさん
      いいね!ありがとうございます
      ぜひ、四畳半タイムマシンブルースも読んでみてください
      いいね!ありがとうございます
      ぜひ、四畳半タイムマシンブルースも読んでみてください
      2020/08/15
    • いるかさん
      sinsekaiさん

      ありがとうございます。
      森見登美彦の世界観は独特ですね。

      是非読んでみたいと思います。
      ありがとうござ...
      sinsekaiさん

      ありがとうございます。
      森見登美彦の世界観は独特ですね。

      是非読んでみたいと思います。
      ありがとうございます。
      2020/08/15
  • ◯宵山万華鏡にも通じるホラー的な内容。著者得意のファンタジー・幻想的な世界観を、少し振り切るだけで、結構怖くなるのだなと感じる。
    ◯百物語のように、各人物によって語られていく物語が、次の熱帯の入れ子構造ともリンクしているようにも感じられる。
    ◯熱帯は読者が置いていかれそうになるが、こちらはホラー的な演出として効果的になっている。
    ◯しかしたまには捩くれまくった大学生話も読みたくなる。

  • 全体を通して不気味な雰囲気が漂っている。
    登場人物それぞれが語る奇妙な物語にいつの間にか入り込んでしまいました。
    森見登美彦さんの作品は初めて。
    他の作品も読んでみたいです。

  • 不思議な不思議な。
    この世界と隣り合わせの表と裏の物語、各登場人物の語りにオチとつながりが欲しかったけど、最後は一気に読了

  • 幻想的、というか、今ひとつピンとこないという感じ。面白くない訳ではないのだが、やっぱりスッキリしない。消えた人は皆、曙光の世界にいるのだとしたら、それはむしろ幸せな世界で過ごしているということなのだろうか?中井さんは夜行の世界で殺人を犯したのだろうか?

  • 刊行時から気になってた作品、初めての森見登美彦。
    十年前、英会話スクールの仲間で出かけた「鞍馬の火祭」の夜に失踪した女性と、「夜行」という連作絵画の関りが生み出すエピソードを基軸にした連作短編の趣きもある作品です。
    とても・・とっても不思議な世界観と、腑に落ちないまま進むストーリー展開にちょっと???な感じです。夢オチじゃないんだけど夢のようなパラレルワールド?? おっと、これ以上はネタバレなので(^_^;)
    私的には夢枕獏の世界観に近い感じ・・・先が気になっての一気読みでしたが、最後まで腑には落ちませんでした。

  • 「夜行」と「曙光」は表裏一体をなす作品だった。かつて私のいた世界から「夜行」を見えるものが、こちらの世界では「曙光」に見える。森見さん、私がこの本で森見作品に親和性を持ったかというと、『私の理解の範疇を超えていました』というのが結論です。私が森見さんにお聞きしたいのは、今回の登場人物のうち誰かが不幸になったのか?あるいは、誰かが幸せになったのか?という点に尽きる。この点は読み取れなかった。修行不足?これぞ森見ワールド全開なのでしょう。でも私には共感できなかった。暗く、不思議な世界は堪能できましたがね。

  • 神隠し、パラレルワールド、浦島太郎……
    読了後、いろんなことばが頭の中をぐるぐるしている。
    答えは出ない。
    こわくて不思議なはなし。
    ジャンル分けするなら、私はホラーかな。
    (人によって解釈は分かれると思う)

  • 同じ英会話スクールに通っていた仲間と、10年ぶりに鞍馬の火祭を見物に行く。
    10年前の火祭見物の時、仲間のひとり長谷川さんが謎の失踪をした。
    そして、全員が何故か係わりを持つ、岸田道生という画家の描いた「夜行」という連作の銅版画。

    いくつもの謎を抱えながら進む物語はミステリともいえるけど、静謐な中にも不穏な気配の漂う世界はいつもの森見節ではなく、読みながらときどき作者を確認してしまうほど。

    尾道の、急坂を上る細い路地を思い出して、夜にも訪れてみたかったと思うほど、作者の描く尾道の光と闇には惹かれるものがあった。

    ただ、森見登美彦が作り出したこの世界には、あと一つ説得力が欠けていると感じた。
    論理的な説明が必要と言うのではなくて、なんだろう、決してあるはずのないその世界は確かに存在するのだと感じられるような説得力。
    最近恒川光太郎を読んだせいか、この欠落が結構大きく感じられたのだった。

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著者プロフィール

森見登美彦(もりみ とみひこ)
1979年奈良県生まれの作家で、京都を舞台にした作品が多い。京都大学農学部卒、同大学院農学研究科修士課程修了。2003年、『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。2006年に『夜は短し歩けよ乙女』で本屋大賞2位、山本周五郎賞などを受賞し注目を集める。2010年『ペンギン・ハイウェイ』で2010年日本SF大賞、2014年『聖なる怠け者の冒険』で第2回京都本大賞、2017年『夜行』で第7回広島本大賞をそれぞれ受賞。2010年に『四畳半神話大系』がTVアニメ化、2018年8月に『ペンギン・ハイウェイ』が劇場アニメ化された。2018年11月に『熱帯』を刊行し、第160回直木賞、2019年本屋大賞にノミネートし、第六回高校生直木賞受賞。

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