タスキメシ (小学館文庫 ぬ 1-3)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094067149

作品紹介・あらすじ

駅伝×料理、ベストセラー小説待望の文庫化

陸上の名門高校で長距離選手として将来を期待されていた高3の眞家早馬(まいえそうま)は、右膝の骨折という大けがを負いリハビリ中。そんな折、調理実習部の都と出会い料理に没頭する。一学年下で同じ陸上部員の弟・春馬、陸上部部長で親友の助川、ライバル校の藤宮らは早馬が戻ってくることを切実に待っている。しかし、そんな彼らの気持ちを裏切って、心に傷を抱えた早馬は競技からの引退を宣言する。それぞれの熱い思いが交錯する駅伝大会がスタートする。 そのゴールの先に待っているものとは……。
高校駅伝、箱根駅伝の臨場感溢れる描写とともに、箱根駅伝を夢見て長距離走に青春を捧げる陸上青年それぞれの思いと生き様が熱く描かれる。青年達の挫折、友情、兄弟愛……。熱い涙、しょっぱい涙、苦い涙、甘い涙が読む者の心を満たします。
読後は爽快感と希望に溢れる熱血スポーツ小説です。

【編集担当からのおすすめ情報】
誰よりも何よりも駅伝が大好きな著者が心を込めて紡いだ青春小説です。息詰まる駅伝シーン。スポーツ小説の枠だけにとどまらない人間ドラマ。料理を通して感じる人の温もり。そして……。
現在青春まっただ中の世代にも、かつて青春だった世代にも、誰かのために料理を作っている世代にも、スポーツ観戦が大好きな方々にも、多くの方の心に感動を呼ぶこと間違いなし!
また、巻末の文庫解説は、箱根駅伝のレジェンド、柏原竜二さん。主人公・早馬の気持ちを重ね合わせて、駅伝について、競技について、「諦める」という事について、心のこもった原稿を寄せてくださいました。
同時発売として、本作の続編とも言える単行本『タスキメシ 箱根』も刊行。再び駅伝の世界に戻った早馬の挑戦は、夢は叶うのか。熱涙、再び。
柏原竜二さんも絶賛のスポーツ小説の金字塔の2冊です!

感想・レビュー・書評

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  • 箱根駅伝真っ最中に手に取った本書。
    この物語は中心人物、早馬を軸に物語は展開していきます。高校時代に怪我をして一度は陸上を諦めるのですが、一般入試で大学に大学に 入ってまた陸上始めます。そこでは高校時代を越える競争が待っています。三大駅伝を走ることなくサポート役として競技生活を終えていきます。
    それを支えていたのは、「料理」でした。故障していた高校時代に友人の井坂と続けたことで管理栄養士を目指す道が開けます。
    節目節目に登場する料理の美味しそうなこと!
    私は陸上漬けになるよりも、いろいろ経験した方がいいと思うのです。
    いろいろ探したり経験を積むなかで、未来に花開きそうな種が見つかるかもしれない。
    高校や大学時代ってそんな種を蒔く時期だと思います。
    大学の四年間は好きでもないことを学び続けるにはあまりにも長すぎます。
    陸上と管理栄養士と二つの軸を持てた早馬はよかったのではないかと思うのです。そんな選手目線ではない切り口が新しく感じました。






  • 3/7から濃厚接触となったために自宅待機中。
    この間、3冊目を読み終えました。

    タスキメシは、駅伝と食べものの単純な青春ものだと思って読み始めたら・・・
    なんと、高校生が思い悩んだり、いろいろな感情が入り混じった深い物語でした。
    人生いろいろな場面で決断していかなければならないと思いますが、後悔しない人生を送りたいですね。
    それから、作中に出てきた料理は、どれも美味しそうでした。
    面白かったです。

  • 今作を読む前に、「タスキメシ・箱根」から読んでしまったけど、「~箱根」で紫峰大学の食堂を切り盛りする眞家早馬の現役選手に対する熱く、優しい思いの裏側に隠された過去を知れた感じがするので、順番が逆になっても、全然問題がなかった。
    今作は早馬がまだ高校生の頃の話。
    有力選手だった早馬だったが、駅伝の激走後、膝を故障し、3年の大事な時期をリハビリ生活で過ごしていた。
    そんな中出会ったのが、料理研究会の都。
    都に料理を教えてもらううちに、母親を亡くし、暴飲暴食だった家族の栄養管理に目覚め、同じく有力選手である弟の春馬の栄養面でのサポートに活路を見つける。
    ずっと背中を追い続けていた兄・早馬の姿を複雑な思いで見守る春馬。ライバルであり、良き理解者であった陸上部キャプテンの助川の葛藤など、当事者である早馬以外の登場人物の心情が手に取るように伝わってくる。
    一度は陸上を諦めた早馬が、ラストで大学進学後、再び陸上を始める展開にさらに胸が熱くなった。
    もちろん、出て来る料理はどれも美味しそうで、料理初心者の早馬でも作れる料理なので、読んでいて作ってみたくなるのも魅力。
    この話を知った上で、もう一度「箱根編」を読んでみたくなった。
    「箱根編」では一切出て来ない都のその後も気になる。

  • 少し想像と違かった。読んでいて、何度か想像と違ったなぁと感じながら読んでいたが、何となく描かれるごはんは美味しそうだし、登場する高校生たちがどうなるのか気になるしで最後まで読めた。
    最後は青春小説だなぁと感じるくらい、熱い友情もあって良かった。

    解説は柏原選手!柏原選手といえば、東洋大学の山の神で4年連続区間新だった選手!2代目と書かれているが、覚えている山の神は柏原選手だけなくらい夢中で箱根駅伝を観ていたことを思い出す。
    豪華な解説も小説を引き立てている。

  • 真剣に向き合うと、不安、挫折、葛藤いろいろなものがわいてくる
    そこに、友達や兄弟への思いも交差
    悩んで悩むのが、青春
    でもやっぱり美味しいもの食べると身体も心も元気になる!

  • いろんな料理とともに展開される走る話が面白く、全体通して爽やかな気持ちで読めた。
    自分も高校時代にスポーツをしていてケガも経験しているので、現実感を多く感じられた。

  • 高校駅伝好きの 私にとっては とても 楽しく読めました。

    でも 先に 箱根編のほうを 読んでしまったので。
     
    ちょっと やってしまったかな。と思いました。

    やはり 順番に 読むものですね。

    チームⅢも 読んでみたいです。

  • 「青春小説×スポーツ小説×食べ物小説」
    表題は「タスキメシ」。「メシ」と言うだけあって、ご飯の描写が美味しそう♪

    不安や葛藤、挫折、兄弟関係。苦しむ早馬にひょんなことから料理を教えることになった都との関係。早馬の復帰を心待にしているライバル校の藤宮や兄にあこがれる弟。
    いろんな立場の人、それぞれの思いがある。
    繊細な心理描写に感情移入して、登場人物と一緒に一喜一憂した。

    終盤の助川、春馬、藤宮が競い合うシーンでは胸がいっぱいになった。いいなぁ~、青春。
    爽やかな読後感で面白かったです。
    続編の「箱根編」も楽しみ♪
    .

  • 駅伝といえば箱根駅伝ですが、走る選手にはそれぞれにドラマがある。
    「ちゃんと走る」って簡単じゃなくて、そのために毎日毎日努力していて。
    そんな日々の積み重ねがあって、あの舞台に立っているのですよね。

    箱根駅伝が好きで毎年見ているので、コースも頭に浮かぶし、臨場感ある描写に引き込まれました。

    そして解説が柏原竜二さん!!
    私が箱根駅伝を好きになったきっかけの方です。
    どこで襷を受け取っても必ず一位にしてくれる。
    そんな期待を背負って走られていた柏原さんの過去とか思いとか、初めて知ったエピソードもあって驚きました。

    この小説の兄、弟、親友、すべての要素というか共感できるのが柏原さんだなぁと。
    ある意味とてもリアル。

    また箱根駅伝の前に読み返したくなる作品です。

  • 高校生が様々な葛藤を乗り越えて、前に進んでいく姿が良かった。
    みんな、自分だけの進路を見つけられて良かった。

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著者プロフィール

1990年、茨城県生まれ。日本大学芸術学部卒業。2015年、「ウインドノーツ」(刊行時に『屋上のウインドノーツ』と改題)で第22回松本清張賞、同年、『ヒトリコ』で第16回小学館文庫小説賞を受賞する。著書に、『ラベンダーとソプラノ』『モノクロの夏に帰る』『弊社は買収されました!』『世界の美しさを思い知れ』『風は山から吹いている』『沖晴くんの涙を殺して』、「タスキメシ」シリーズなど。

「2023年 『転職の魔王様』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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