恋をし恋ひば かんなり草紙 (小学館文庫 C み 4-1 キャラブン!)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094067293

作品紹介・あらすじ

運命の人はかつての許婚?平安後宮ロマン!

大納言だった父と母を続けて亡くし、他人に騙されて家の財産も失ってしまった沙羅。親が決めていた縁談もあっさりとなかったことにされ路頭に迷いかけた沙羅だったが、入内した従姉妹の女房として内裏に入り、今は幸せだった頃をときおり思い出しながら、梅壺で静かな日々を過ごしている。
そんなある日の夜。主が飼う猫の散歩につきあい、月明かりの中で一人ぼんやりと庭をながめていた沙羅の前に、宿直装束姿の男が現れる。親しげな様子で話しかけてくるその男は、右近少将藤原朝蔭と名乗った。その名を聞いて衝撃を受ける沙羅。それは忘れたくても忘れられなかった、かつての許婚(いいなずけ)の名前だった――。
運命に翻弄され、裏切られ、過去の悲しみの中ですべてを諦めるかのように生きてきた沙羅だったが、強引なほど沙羅との距離を詰めようとする朝蔭の態度に、いまさらと思いながらも、ゆっくりと心を開きはじめる。だが、右大臣家の姫君と朝蔭の縁談が調ったという噂を、沙羅は耳にしてしまい……。
運命の恋を描く、平安後宮ロマン!

感想・レビュー・書評

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  • ストーリー展開が早いためどんどん読み進められる。

  • 梅壺の女御に仕える亜相と呼ばれる女房。
    彼女は12歳の時に、大納言だった父と母を続けて亡し、気づいた時には家の荘園は何者かによって売り払われ、全てを失ってしまっていた。
    親が決めていた縁談もあっさりと破談となり、母の親戚を頼った沙羅。
    従姉妹が女御として入内したのに伴い、沙羅も梅壺で暮らしていた。
    猫の夜の散歩につきあった沙羅はそこで、かつての許嫁に声をかけられて。

    作品紹介、そのままなお話。
    幸せだった頃を思い出しては、非情な世の中を儚み、ぼんやりと暮らす、そんなヒロイン。
    時々、急に強気だったり行動力をみせたりもするんだけど、グズグスさがちょっと苦手。
    沙羅視点だと、かなり男前な朝蔭だけど、他の女房のやっかみや騒動がないというのはどういうんだろ。

  • 恋をし恋ひばかんなり草紙(小学舘文庫 C み4-1 キャラブン!)
    著作者:深山くのえ
    タイムライン
    https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698

  • 垣間見した姫が忘れられず、10年越しに会ってまた恋に落ちた系ヒーローと結婚が破談になってから転がり落ちるように零落して女房として働いてるヒロインの恋愛話。
    ヒロインが取りこぼしてきたであろう物事をヒーローが拾い集めてめでたしめでたしでした。主張が少ないヒロインが平安時代ぽくて良かったです。

  • 男側が毒親パターンは珍しい。しかし男であれば親から独立する手段があり……

  • 全てを諦めてなんとか生きてる状態なのに、それを掘り起こすように、抉るように近づいてきた、探し当てた昔の許嫁を酷いなと思ったけど、ちゃんと全てを整えたので良い男になりましたが、これは一歩間違えたら最悪な男だよね。自分の青春の懐かしさだけで近づくんじゃねえってなる。
    ハピエンで良かった。テンポもよくイッキに読めた。

  • 10年前に行方が分からなくなった許嫁を探し出す朝蔭はすごいけど、探していた割には家とか行かなかったのかしら。
    沙羅自身は居なくなっていても、縁者が見るかるかもしれなかったのに(実際に、昔働いていた人がいたわけだし)
    左右大臣の子供達は親の不仲に巻き込まれてロミオとジュリエット関係なわけだけど、そのおかげで朝蔭は相手の姫を傷つけることなくあっさり親の決めた縁談を取りやめ。
    帝の手習いとか、火事の話って、必要性があまり見出せなかったけど、結構淡々と話が進んでいたから、最期に盛り上げたって感じなのかな。

  • 平安ものを読みたくて手に取った一冊。深山先生の作品は、やはりイイ!
    両親の死と家の没落のせいで破談になってしまった沙羅は、出仕先で元許嫁と出会う。強引な彼の態度に反発を覚えながらも、次第に心を開き始めて……。
    最初は元許嫁の朝蔭にイライラしてしまったけれど、次第に「いい人じゃん」「結構やるじゃん」となり、ラストは二人を応援する心持ちに。猫の散歩にかこつけてデート、というのが何だか情緒があって好き。
    最悪の状態から這い上がって幸せになる、という平安シンデレラストーリー。

  • 装丁が素敵だなーと思って読み始めたら、読みやすくてグングン読んでしまいました。
    舞台は平安なんですが、お話の内容はトレンディ。
    身分の差とか横暴な父とか王道ロマンスのテイストもありつつ、三日夜餅とか古典の授業で習った単語も出てきて懐かしかったり。

    恋愛小説の王道ストーリーに平安設定が程よくブレンドされてて面白かったです。

  • 甘ーい( ´ u ` )
    沙羅がそつ無くするのに
    朝陰の真っ直ぐグイグイくるところに
    最初はちょっと引いたけど、
    本当にひたすら一途なのでそこが長所なのかな。
    最後まで読んだ今ではよくやった!ってなった。

    最初は猫がいるから、猫がいる間だけという話だったのに、だんだん言い訳を考え出したり、猫がいなくても会いたくなるという心の変化が綺麗に描写されているのも素敵でした

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