- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094067811
作品紹介・あらすじ
30年前、本当は何を埋めたんだろう。
謎の骨格標本が発掘されたことを報じる地元紙の小さな記事を見つけた家具職人・豊は、数十年前の小学生時代、仲間数人で山中に骨格標本を埋めたことを思い出す。
しかし、それは記事の発掘場所とは明らかに異なっていた。同時に、ある確かな手触りから「あれは本当に標本だったのか」との思いを抱いた豊は、今は都内で広告代理店に勤務する哲平に会いに行く。最初は訝しがっていた哲平も、次第に彼の話に首肯し、記憶の底に淀んでいたあることを口にする。リーダー的存在だった骨格標本埋葬の発案者・真実子の消息がわからないなか、事態は思いも寄らぬ方向に傾斜していく。
【編集担当からのおすすめ情報】
解説/北上次郎氏
感想・レビュー・書評
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小学5年生の時、学校の骨格標本を山中に埋めた幼馴染みの5人。40歳となった彼らは、あの時の骨に疑問を持ち始める。開発行為で子供の頃生活した土地は無くなり、ばらばらになった友人を訪ねながら、当時の記憶をたどりながら、骨の真実に辿り着く。
古い友人達は、それぞれの場所で、結婚生活に悩んだり、東北の震災で家族を亡くしたり、人生の岐路で立ち止まっていた。この30年前の骨を弔う事で、過去の遺恨を取り除き、現状の克服に向かう。サスペンス風ヒューマンでした。
それにしても、宇佐美さんの自分をイジる悪戯心が、思いの外で、印象的でした。 -
増水で土が抉られた堤防の土中から、謎の骨格標本が発見されたというニュースを見た豊は、数十年前の小学生時代、仲間数人で山中に骨格標本を埋めたことを思い出す。だが、それは記事の発掘場所とは異なっていた。
あれは本当に骨格標本だったのか。そんな思いを抱いた豊は、今は都内で勤務する哲平に会いに行くことに。
あの日、俺たちは本当は何を埋めたんだろう。
横暴な教師へのいたずらのため、骨格標本を隠して埋めた小学生時代の思い出。それから数十年後、目にしたニュースをきっかけにその日の真実を明かそうとするミステリー小説です。
小学生って、大人からみると本当に子どもに見えるけど、時々大人もハッとするようなことを理解していたりしますよね。
ミステリーとしての大まかな展開だけを考えると、結末は予想できなくもないのですが、ヒューマンドラマ的な側面が非常に強く、それぞれ夫婦関係、親子関係の悩みや東日本大震災での被災など、停滞し、囚われている不幸で不自由な現実から、事件の調査をきっかけに途絶えていた縁が復活し、苦難を克服して少しずつ前向きに歩きだしていく。事件の根幹や事情は重く、ですがそんな暗い中にも、読後感悪すぎず明るい希望が見えるようなお話でした。 -
自分好みのミステリーでした。ある事件に関わりながら人間としての成長や変化を描く作品。しかも作中に作者本人がそのまま作家として堂々と登場するところが新しくて面白かったです。誰もが持ってるであろう子供の時の小さな秘密を読者自身も思い出しながら楽しめる作品です。読後感も後味悪くなくてホッとした感じがいいですね〜。でもやっぱり殺人の証拠隠滅を手伝ったのはダメですけどね。それは小説ってことで。
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小学生の時の悪ふざけで骨格標本を埋めた‥それはホントに骨格標本だったのか?ラストはまた意外な展開になって‥楽しく読めました。
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購入済み
2021.08.29.読了
骨を埋めたところからのスタートですから、まあ殺人事件なんだろうなーと思うわけです。
もう前半のほうできっとこんなストーリーだろうなとはっきりとした予測がつきます。
しかしながらつまらないわけでもなく、宇佐美氏は文章がほんとにうまいなぁ。と感心しながらズンズン読み進めていきました。
すっごく面白いとはなりません。何しろ予測がついてしまいますから。(笑)
でも、そんなことよりなにより最終章でこうなるとは。。。。興醒めでございました。
なんか最初の方で文中に宇佐美まことという単語が出てきた段階でなんか安っぽいとは思ってしまいましたが。
これまで読んだ宇佐美作品の中では最下位となります。もう一度申しますが、何しろ星3つですから、
つまらない訳ではないのです。
少しの退屈と少しの興醒めで星3つ。 -
途中、時間が掛かったため、少しわからなかった。また、読み直したら評価があがるかも。
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宇佐美まことファンになりました!
『子供は怖い夢を見る』に続き、2作目だが、ミステリーなのにファンタジー!
内容はヘビーできついところも多々あったけど、読後感がとても良い!
オモロ〜
それで当たり作品が多いのも!
それで当たり作品が多いのも!