私はあなたの記憶のなかに (小学館文庫)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 288
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094068238

作品紹介・あらすじ

角田ワールド全開!「記憶」をめぐる小説集

<「さがさないで。私はあなたの記憶のなかに消えます」と言って姿を消した妻をさがす旅に出る僕>ーー(表題作)。<初子さんは扉のような人だった。小学生だった私に、扉の向こうの世界を教えてくれた>ーー「父とガムと彼女」。<K和田くんは消しゴムのような男の子だった。他人の弱さに共振して自分をすり減らす>ーー「猫男」。<イワナさんは母の恋人だった。私は、母にふられた彼と遊んであげることにしたーー「水曜日の恋人」ほか4篇。角田光代の小説世界を存分に味わえる読み応えたっぷりの小説集。

感想・レビュー・書評

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  • もう会えない人、会わなくなった人。そういう人たちとの記憶や思い出。好きな人、嫌いな人、深い繋がりはなくても印象深く記憶に残る人。さまざまな出会いがあって別れがあって振り返った時に思うこと。記憶の中に、心の中に誰かがいるということ。会えなくても、会わなくても思い出せること。だから大丈夫とはなかなかいかないけれど大丈夫と思えそうで少し心強い。一緒に行った場所、話したことの記憶を大切に忘れずにいたい。

  • わたしたちはだれといても皆ひとりきりであるということ
    ただ、過去にだれかと一緒に過ごしたその一瞬は永遠であるということ
    その記憶はわたしをひとりきりにはさせないということ

  • 短編集。角田光代の長編の筆力には圧倒されるが、短編もまたいい。香りさえも感じさせるほどの具体的な表現力に脱帽する。

    さて表題の作品は、消えた妻を探す夫の物語。夫婦のいくつかの思い出の場所へ出かけるが、そこで出会う暗示的な人達が印象深い。

    身近な人が消える。しかし、それによって呼び覚まされていくその人に纏わる記憶がある。もし、私が消えても、誰かの記憶の中に生き続けるのなら、それは真の消滅ではないのだと、漠然と思った。

  • なんか乗れないまま読了。苦手なタイプだなぁ。

  • 自分の中にある記憶ではないのに、何故だか共感できたり、情景が浮かぶ。
    いい記憶も悪い記憶もあるけれど、その記憶があるから自分でいられる部分というのはあるのかなと思いました。
    そして、読む前よりも少し前向きな気持ちになるのです。

  • 過去の記憶に纏わる8篇の短篇集。
    何とも言えない、しみじみと、じわじわと、溶け込む感じ。
    誰しもが過去というものがあり、同じ記憶でなくとも、そこに触れる感覚がこの作品世界と共鳴しているのだろう。
    面映ゆいような。
    ざらりとしたような。
    これは「小説」です、と切り離せないような奇妙な感覚になった。

  • 記憶にまつわる短編集。
    たとえ2度と会うことがなくても、その人のことをふと思い出す瞬間があるのなら、その人と繋がっているような気がする。
    個人的に好きな話は神様のタクシー。
    主人公が考えるより先に行動に移している行動的な女の子だったのが素敵。
    おかえりなさい、という話に出てくるおばあさんもなんか好き。


     

  • ふとした瞬間に甦るあの時の出来事や言葉や風景。誰もが経験する"記憶のかなた"を、短編の名手・角田光代が奏でる。意外なストーリー展開が生み出す熟練の短編8篇。
    果たしてあの時の記憶は、正しい記憶なのか。勝手に結論付けているけど、もうひとつの真実があったのではと思うことがよくある。本作に収録のストーリーも、遠い記憶のなかでほろ苦さを噛みしめる作品群である。

  • 短編それぞれの主人公の記憶の中を遡る感じで、今だからわかること感じることがあって、決して過去の感傷をするものでもないところが良かったです。

  • 久しぶりの角田さん やっぱり好きだなぁ〜
    なんでもない日常に引っかかる何か…
    「地上発、宇宙経由」が好きです
    みんなどこかの誰かとつながりたいんですね。
    でも、近くにいる人を思うことも 大事ですよね。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。90年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞し、デビュー。著書に『対岸の彼女』(直木賞)、『八日目の蝉』(中央公論文芸賞)、『紙の月』(柴田錬三郎賞)など多数。

「2020年 『自転車に乗って アウトドアと文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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