- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094068238
感想・レビュー・書評
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広い心なのに、他人に無関心でないことが良い
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タイトルに惹かれて読んだ。
出てくる人物全員がミステリアスな雰囲気を纏っており、年齢性別関係なく何処か達観視している感じがした。 -
請求記号 913.6/Ka 28
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角田光代さんの短編集は沢山出ていますが、この本は編纂が良いです。
収められているのはどれも大事件ではないけれど、言葉にしてしまうのはもったいないような瞬間を写しとった短編ばかりで、読み終わると自分の中に大切な思い出が増えたように錯覚するようでした。 -
わたしたちはだれといても皆ひとりきりであるということ
ただ、過去にだれかと一緒に過ごしたその一瞬は永遠であるということ
その記憶はわたしをひとりきりにはさせないということ -
短編集。角田光代の長編の筆力には圧倒されるが、短編もまたいい。香りさえも感じさせるほどの具体的な表現力に脱帽する。
さて表題の作品は、消えた妻を探す夫の物語。夫婦のいくつかの思い出の場所へ出かけるが、そこで出会う暗示的な人達が印象深い。
身近な人が消える。しかし、それによって呼び覚まされていくその人に纏わる記憶がある。もし、私が消えても、誰かの記憶の中に生き続けるのなら、それは真の消滅ではないのだと、漠然と思った。
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なんか乗れないまま読了。苦手なタイプだなぁ。
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記憶にまつわる短編集。
たとえ2度と会うことがなくても、その人のことをふと思い出す瞬間があるのなら、その人と繋がっているような気がする。
個人的に好きな話は神様のタクシー。
主人公が考えるより先に行動に移している行動的な女の子だったのが素敵。
おかえりなさい、という話に出てくるおばあさんもなんか好き。
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ふとした瞬間に甦るあの時の出来事や言葉や風景。誰もが経験する"記憶のかなた"を、短編の名手・角田光代が奏でる。意外なストーリー展開が生み出す熟練の短編8篇。
果たしてあの時の記憶は、正しい記憶なのか。勝手に結論付けているけど、もうひとつの真実があったのではと思うことがよくある。本作に収録のストーリーも、遠い記憶のなかでほろ苦さを噛みしめる作品群である。