きみはだれかのどうでもいい人 (小学館文庫 い 49-1)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 1575
感想 : 130
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094070606

作品紹介・あらすじ

人とわかりあうことは、こんなにも難しい。

税金を滞納する「お客様」に支払いを促すことを仕事とする県税事務所の納税担当に、同期が休職したことで急遽異動させられてきた若手職員の中沢環。彼女は空気の読めないアルバイト・須藤深雪を始めとする周囲の人間関係に気を遣いながら、かつての出世コースに戻るべく細心の注意を払って働いている――(第1章「キキララは二十歳まで」)
週に一度の娘との電話を心の支えに、毎日の業務や人間関係を適当に乗り切るベテランパートの田邊陽子。要領の悪い新米アルバイトや娘と同世代の若い正規職員たちのことも、一歩引いて冷めた目で見ていたはずだったが――(第3章「きみはだれかのどうでもいい人」)
業界中から絶賛の声、殺到!ブクログ第1位、啓文堂書店大賞第2位、「ダ・ヴィンチ」の「今月の絶対にはずさない!プラチナ本」にも輝いた超話題作がついに文庫化。
同じ職場に勤める、年齢も立場も異なる女性たち。見ている景色は同じようで、まったく違っている――。職場で傷ついたことのある人、人を傷つけてしまったことのある人、節操のない社会で働くすべての人へ。迫真の新感覚同僚小説!
解説は、単行本時から絶賛の言葉を寄せてくださっていた島本理生さんです。


【編集担当からのおすすめ情報】
単行本時、大きな反響をいただいた今作。まずタイトルが心を鷲掴みにして放しません。読み終えた後で2度読みしたくなるミステリ的な仕掛けや、普段、仕事をしながら私たちが感じている言葉にならない思いを、見事なまでに丁寧に、繊細に言語化した今作は、まさに著者渾身の傑作です!この文庫化を機に、これまで以上に多くの方が今作を手に取り、感じた「モヤモヤ」をSNSや読書仲間と共有してくださることを心より願っています。

感想・レビュー・書評

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  • なるほどね、同じ出来事や言葉でも人によってはこんなにも受け止め方が違うのだと。
    自分にとってあまり関わりのないような人の気持ちもこの本を読むとなるほどね、と思える。
    でもどこに救いはあるのかな。
    自分の気持ちを見つめ直して、その先はどうなるのか全く分からないまま終わってしまった。

  • すごく為になったとか、面白かったってわけではない。
    どっちかと言えば暗い話。
    この本は【須藤深雪】という俗に言う【仕事の出来ない人】で心に病を患っていて、特別枠でこの職場にきた。
    その彼女を4人の他の女性視点から書かれてる。

    個人的に評価が高いのは、まさにちょうど今の自分も今までの自分もここに出てくる【須藤深雪】のような人材の育成に携わっているから。

    何かこの本から得られるものがあるんじゃないかって、衝動買いした。
    それぞれの登場人物の須藤深雪に対するイライラはすごく共感できるものではあった。
    所々になるほどと思う文もいくつかあったけど、中でも自分にも誰にも言い訳できない、逃れられない、それくらいハッとさせられたのが

    "他者を主体に行動した時点で期待が生じるもの。だれかのため、なんて聞こえのいい言葉でモチベーションを人に転嫁するのは甘え。"

    できない人が少しでも出来るようになるように、負担やストレスが少しでも減るように仕事を教えて…
    その周りの人たちも振り回されるストレスがないように…
    なんて考えて、できない人に能力以上のことを【期待】してるつもりはなかったけど、わたしのモチベーションを人に転嫁してただけなのかな。


    この本を通して答えは出なかったけど、自分自身の課題には気づけた。

    職場で誰かに傷つけられたり、逆に傷つけた人も興味があれば読んでみてほしい。

  • 再読!県税事務所に勤める年齢も立場も異なる4人の女性たちが織りなす連作短編集
    あまりにリアルすぎてヒリヒリしながら読んだ
    どんな人でも何かを絶対抱えていて、私自身も経験したことのある過去の仕事のトラブルや嫌な気持ちをつらつらと思い出した
    ”県税事務所”という場所柄相手をしなければいけない人たちもまた大きな怒りや辛さを抱えていることが多い
    読んでいるだけでヒュッと心臓が縮む場面がいくつも出てくる
    けど、それが”働く”ということをより鮮明に、リアルに感じさせてくれた
    今、働くことになんだかしんどい思いをしている人ほど読んでほしい

  • タイトルが気になり読んでしまいました…
    内容的にはかなり残念でしたー
    なんか愚痴のオンパレードで、タイトルとの繋がりがどこであるのか判りませんでしたがアタシだけなのかなぁ、確かに職場あるあるなシーンがやたらと出てくるけど日常の出来事を書き綴った印象しか感じなかったかなぁ

  • 県税事務者に勤める4人の女性が主人公。
    同じ時間帯を1章づつ4人の視点でそれぞれ書かれているので、読み進めると、あーそういう事だったのかぁーとか、いやいやそんな事思ってたのかぁーとかが、次々出てきます。
    職場って色々有りますよね。
    皆プライベートでも色々有りますよね。
    スッキリする話では無いけれど、皆色々有るよねーと思ったら、何時もより人に少し優しくなれるかも。

  • 職場の人間関係がリアルに描かれていて、共感する箇所がたくさんありました。
    職場の人間関係難しいですね…

  • 同じ県税事務所で働く4人の女性。出世が期待されたトップ入職の税理担当正職員中沢環・彼女と同期で心身のバランスを崩し配置転換でなんとか復職した総務課染川裕未、古株パートの田邊陽子・お局の総務担当筆頭主任の堀セイコ(英会話教室のくだりでしか名前を見つけられなかった)。
    同じ空間で働きながらも、それぞれ全く違う人生を送る彼女たちのそれぞれの目線から語られる物語。

    3ヶ月前からアルバイトできている須藤深雪は、仕事ができない。簡単な作業にも時間がかかり、なかなか仕事も覚えず、いつも逃げるようにどこかにいなくなり、自動販売機で人工甘味料のにおいのする甘い飲み物を大事そうに飲んでいる。
    いつも銃声を聞いたウサギのように怯える彼女を取り巻く職場の女性たちの感情は、共感するものが多く、ちらちらと職場での自分の姿があたまをよぎる。
    みんなプロとして働いている。
    弱い人を助けなければならないのはわかるが、強い人だけがつらい仕事をしなければならないのか。強くみえる人も悩みはあるし、苦しんでいる。
    弱い人のなかにもさらに優劣があるようだ。
    仕事においてある程度の対等性を求めることは、弱者へのいじめなのだろうか。

    終盤仕事のストレスで記憶喪失になったという須藤よりも、お局堀主任のほうが病んでるようにも見えた。
    自分に近い存在の方にやや心傾きつつ、職場の人間関係は難しいと実感した。

  • 歌の歌詞にも出てくる「って誰もお前のことなどきにしてないだろ」ってやつですね。強く生きていけそうな気がしてきた。

  • きつかった。読み始めてすぐ、あまりの苦しさに投げ出してしまいたくなってしまったくらい辛かった。目の前の感情が鏡のように感じる。
    でも、やめてはいけない気がして今度は少しでも早くやり過ごそうと、読むスピードを上げようとした。立ち止まってしまうと考えてしまうから。でも、立ち止まって考えずにはいられなかった。自分のあれやこれやを思い返さずにはいられなかった。
    すごく時間をかけて読み終わった今、満身創痍だ。

    そして今私は何を思えばいいのだろう。救いや答えを求める作品じゃない。きちんと考えなければ。

    本音を言うと、「どうでもいい…」と投げ出したいけど。それではこの作品に出会った意味がないから。

  • 私も県で非常勤してた時代を思い出す。笑笑
    正規採用の女性職員が何となく怖かったな〜笑笑
    特に、非常勤の若い女子&非常勤の美人には少し当たり強いのもあったな〜
    前半はすごく面白くてサクサク読めたんだが、後半は飽きてたな。。。

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著者プロフィール

1986年、静岡県生まれ。2015年、「変わらざる喜び」(「名前も呼べない」に改題)で、第31回太宰治賞を受賞。他の著書に『稽古とプラリネ』『緑の花と赤い芝生』『きみはだれかのどうでもいい人』『ピンク色なんてこわくない』がある。

「2022年 『名前も呼べない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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