- 本 ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094070804
作品紹介・あらすじ
現代のトキワ荘。漫画家青春群像活劇
手塚治虫に憧れた高校球児・細川歩は、部活引退後、将来の夢を漫画家に定める。平成元年4月、合格を果たした大分にある鳥羽デザイン専門学校漫画コースに無事入学。喜びも束の間、専門学校で研鑽を積んだからと言って必ずしも漫画家になれるわけではないという厳しい現実をつきつけられる。新しい友達はできたはいいが、同時に漫画家を目指すライバルという状況になかなか馴染めないでいる歩だった。
何度も投稿するのにデビューできない者、途中でドロップアウトする者、在学中にデビューを飾り東京へ向かう者・・・。厳しすぎる選別を受ける友人達。果たして歩は夢を実現することができるのか?
30年後の平成31年。再会を果たした同期の仲間たちは、どんな人生を歩んだのか。漫画に人生をかけた少年たちの感涙必至の青春群像活劇。
解説は北上次郎さん
【編集担当からのおすすめ情報】
漫画家に憧れる少年少女はたくさんいるけれど、「漫画家」の肩書きを手にできるのは、ほんの一握り。さらにメジャーになれる人は、数えるほどしかいないという厳しい世界。それでも漫画家になりたい若者は、後を絶ちません。
風カオルさんご自身が、一度は漫画家を夢見たこともあるということで、その描写は残酷なほどリアル。爆笑&感涙必至の青春小説です!
感想・レビュー・書評
-
献本企画で当選!!
スタッフの皆様ありがとうございました。
手塚治虫に憧れ18歳の野球少年は、漫画家を目指し専門学校へ入学する。
漫画家になれるのはほんの一握りという現実や、周りの絵のスキルに驚愕し自己嫌悪しながらも、デビューを目指し描き続ける毎日。
バイト代を貯め寝台列車で大分から上京するも、駄目出しでトンボ帰りし、落ち込む主人公の歩。
恩師である滝先生の厳しいながらも、愛情ある指導でついに念願のデビューを果たす。
何を隠そう私も、子供の頃は漫画家を目指していた。お小遣いやお年玉で近くの文房具店に行き、インクやペンを買い、見よう見まねで漫画を描いていた。
トーンなどは近所の文房具店では手に入らず、全て手描きで頑張ってたな笑
高校生でデビューしている自分を夢見て、サインを考えたり売れっ子の先生が出す、イラスト集なるものまで制作していた。
いつの間にか日常のあらゆる忙しさにかまけてすっかり忘れてしまっていた。
今となっては全て黒歴史だ。
しかし今の時代は、デジタルでイラストが描けインクをこぼすことも乾かす必要もない。
寝台列車に乗らずとも、SNSで世界中に自分の作品を観てもらえるのだ。
いくら素晴らしい絵が描けていても、産みの苦しみはいつの時代もきっと同じだろう。
夢を叶えた歩、途中で学校を辞めた黒田、すぐにデビューし第一線で活躍する宇治山は30年後に再会する。
何かに夢中になっていた自分を思い出して、胸がざわざわした。
読了後に無性に絵が描きたくなり、自宅本棚の漫画を模写していたら、家族がペンタブをプレゼントしようかと提案してくれた。
ふふふ・・・いつか私の作品も世に・・・と妄想が広がる!!
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
青春モノ。なのだがかなり変化球投げてきたなあと。漫画家を目指すデザイン学校の生徒たちが主人公。
漫画は、当然ながら読者の目線でしか見たことがないため、この本で描く側の苦悩に少し触れることができた。舞台が大分なのでみんな大分弁でしゃべるが、読みやすい。それと、登場人物が多すぎないのも○。情景をイメージしやすい上に、会社の昼休みや就寝前に毎日少しずつ読み進めても「あれ?この人誰だっけ」的なことがないのでストレスなし。
どっぷり浸かって一気読みする時間はないけど趣味の読書も諦めたくないし読書で感動やドキドキを味わいたい、という自分にはとても良かった。
-
夢にむかって頑張る専門学校生を主人公とし、その成長過程の物語。成長のためには人間関係が大事だと思わせてくれる本。成長していく姿、人から得られる学びが描かれ、物語にひきこまれていきました。
風カオルの作品





