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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784094074314
作品紹介・あらすじ
絶体絶命の紙問屋、大逆転の妙手は!?
時は、大老井伊直弼が惨殺され、動乱の気配が漂う幕末。
紙問屋永岡屋で誠意一筋、長年精勤してきた勘七は、主人善五郎の強い望みで跡を継ぎ、若旦那となった。
その勘七に小諸藩の上屋敷奉行高崎から大きな初仕事が舞い込む。藩札作りだ。
小諸藩は明君の呼び声高い藩主がおり、政は安定、財も潤沢らしい。藩札作りには二千両も支度してあるという。
幸先のよい出だしを切った、勘七がそう思ったのも束の間、商売仲間である醤油問屋広屋の浜口儀兵衛から、藩主が亡くなったと耳にする。
胸に不安が膨らむ中、ある夜、永岡屋が盗賊に襲われてしまう。盗賊はなんと高崎の配下だった。
配下は藩札と版木を入れた行李を盗んで姿を消したのだ。
襲われた際の傷がもとで、命を落とした善五郎を悲しむ暇もなく、主人として小諸藩に赴き、商いを質す勘七。
だが、新任の上屋敷奉行は「賂を受けていた前任の空の商い」として、二千両を踏み倒しにきた。
絶体絶命の危機に瀕した勘七に大逆転はあるのか?
幕末の三舟こと勝麟太郎や豪商高島屋嘉右衛門らの協力を得ながら、命を懸けて再建を図る勘七の懊悩と奮闘を、直木賞作家が瑞々しく描く。
商人道小説の傑作!
【編集担当からのおすすめ情報】
2010年に「第11回小学館文庫小説賞」を受賞以来、細谷正充賞・本屋が選ぶ時代小説大賞・新田次郎文学賞・山本周五郎賞・直木三十五賞を立て続けに受賞した、押しも押されもせぬ実力派の著者による名作です。『絡繰り心中〈新装版〉』『横濱王』もぜひ!
みんなの感想まとめ
商人としての信念を胸に、激動の幕末を生き抜く若旦那の物語が描かれています。主人公の勘七は、先代の教え「商いは、福を届けるものだ」を支えに、さまざまな困難に立ち向かいます。藩主の死や借金、盗賊の襲撃とい...
感想・レビュー・書評
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タイトルに惹かれて購入。
安政7年3月 桜田門外の変の年、手代だった主人公「勘七」が、紙問屋「永岡屋」の若旦那となりやがて主となり明治3年までを商人として「福を届ける」という信念を持ちながら生きた物語。
大切な人との別れや商いでの失敗。
悩んで嘆いて恨んで、それでも何とか商人として生きていこうとする勘七に、幼なじみやご縁が繋がってで出会った人たちが時には叱咤激励を、時には温かい手を差し伸べてくれるとにかく温かく、心に沁みていく物語。
「寿ぎ申し候」という言葉がとても粋で効果的に使われているので、大好きな日本語になってしまった。
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幕末というと、京都が舞台の、殺伐とした武士の話が多いのではないでしょうか。この本は、お江戸日本橋で、紙問屋を営む若き主人、勘七という商人の目から、激動の時代が綴られています。
先代が亡くなり、21歳で主人となった勘七。しかし、とある藩に騙されて、二千両の借金を背負ってしまいます。黒船来航、物価高、打ちこわしなど、混乱の時代をなんとか店を潰さず、生き抜く方法を必死で考えます。その根底にあるのが、先代である養父の言葉、「商いは、福を届けるものだ」です。その言葉を胸に、勘七は、先輩の商人、幼馴染など、たくさんの人に助けてもらい、苦難を乗り越えていきます。彼はただ、助けを待っているだけではありません。彼の前向きな行動、言葉、信頼に値する人柄に、皆んな手を差し伸べたくなるのです。
武士が血を流して戦っていた時、商人達は時代の先を見つめ、今、売れる物、今後の商売相手を考え、したたかに動いていた。
決して日本橋を離れず、ここでずっと商売をやっていくんだという、勘七の強い気持ちに、こちらも勇気をもらえる本です。 -
激動の幕末を生きた江戸商人の〝熱い〟物語
主人公の勘七は紙問屋の小僧から養子になり若旦那に
幕末から明治へと時代が大きく変わっていくなか順風満帆には いかないけれど
商人とは物を仕入れて売るだけでなく『福を届けること』を信念に幼なじみや支えてくれる人たちと少しずつ前進していきます
物語には実在の人物も出てきて
勘七を支える人たちが とても魅力的でした
読み始めの〈序〉からページをめくる手が止まらなかった〜
基本テンションが低いワタシは熱い物語や いい人が いっぱい出てくるキラキラまぶし過ぎる物語は読んでられへ〜ん…と なるけど永井紗耶子さんの商いもの時代小説 好きやわぁ -
冒頭 勘七は幼なじみの1人直次郎を桜田門外の変で喪う。
三年後 奉公先の主人 善五郎に強く望まれ跡を継ぎ若旦那となった勘七。
料亭の倅でありながら自らの信念に従い芸者の箱持ちとなった紀之介。
武士の家に生まれながら武士として生きられなかった新三郎。
商家に生まれながら武士となり武士として死んでいった直次郎。
四人の幼なじみの若者達。折しも時は幕末。時代が大きく揺れ動いていた。
主人公 勘七が時代に翻弄されながらも先代の「商人は人に福を届けることが務めだ」という志しを見失わずにいることができたのはやはり周囲の人々の支えがあったからだろう。
それに比べて新三郎の生き様は読んでいて苦しい。
四人それぞれが選んだ生き方がそこにあった。
激動の中の不穏な江戸市中の様子がよく伝わってきた作品だった。
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面白い時代小説を、というなら、私は迷わず永井紗耶子さんをお薦めする!
今回の本は、舞台は幕末の江戸。主人公の紙問屋の若旦那である勘七は、実直な青年ながら、時代の物価高騰や武士社会の変遷の波に飲み込まれていく。
私は若い頃は武士が主役の幕末小説や戦国時代ものを好んで読んでいたけど、今はその陰で懸命に生きてきた商人や町人らの話が読みたいのよ。
勘七も、粋な人生を生きる紀之介も、男顔負けの商才があるお京も、みんな感じがよくて好き。 -
時は幕末。日本橋紙問屋永岡屋の若旦那勘七の、理不尽な借金を負い、幕末の動乱に巻き込まれながらも成長していく商人の物語だ。
幕末から明治にかけての急激な変化に当時の人々は大変混乱したことだろう…。
勘七の、迷いながらも、様々な人々に支えられ成長していく様は読んでいて清々しい。
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読み始めて幼なじみは死ぬし、2千両の借金を負うし、どうなることやらと思ったけれど爽やかな内容だった。義理の父や勝先生、浜口さんや人生の先輩たちの言葉が沁みる。時代は変わったけれど、彼らの言葉(福を届ける、三方よし)や思いは今も通用すると思う。
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202504/こういう商い時代ものが好みというのもあるが、キャラも物語もとても良かった!旧題(福を届けよ)より今回のタイトル(旅立ち寿ぎ申し候)が良い。
著者プロフィール
永井紗耶子の作品
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