こころのカルテ 潜入心理師・月野ゆん (小学館文庫)

  • 小学館
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  • 本 ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094074420

作品紹介・あらすじ

潜入心理師、人の心の「核」に触れる。

横浜みなと大学病院で働く月野ゆんは、精神疾患をかかえた人の心の「核」に潜入し、治療をおこなう潜入心理師だ。日本で初めて人の心に潜入した潜入師で、ゆんの憧れの先輩である本城京と、精神科の看護師経験を持つ、同じく潜入師の先輩・蓮まこととともに、ゆんは今日も患者の記憶のなかへと潜っていく。
ゆんには、患者の心の「核」がどこにあるかがわかる不思議な力があった。幼いころに母親から「あんたなんか、産むんじゃなかった」と言われた記憶、いじめに加担してしまった記憶、夫の不倫発覚など、ゆんたちが対峙する患者の心の「核」は様々だ。まだ新しい資格で成り手が少ないなか、ゆんがこの仕事を志したのには、実は理由があって──。
「ナースの卯月に視えるもの」シリーズで注目を集める元看護師の著者、待望の最新作!



【編集担当からのおすすめ情報】
医師であり小説家の中山祐次郎さんが熱い推薦コメントを寄せてくださいました!
「人はなぜ死ぬか。なぜ生きるか。「死にたい」気持ちの解明から迫った至高の医療ファンタジー。」──中山祐次郎(医師・小説家)

感想・レビュー・書評

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  • 生きてていいんだよ。
    役に立つとか有意義であるとか
    置いておいて生きてていいんだよ。
    それがとても心にしみた

  • 私も同じような仕事しています。患者さんの面接が終わるたびにどっと疲れが出るのも、それだけエネルギー使っていると再確認しました。私も患者さんに潜入して核を取るなんてできたらいいけど、そんなことはできない。だからじっくりと話を聞いて寄り添いながら外側からできる限り近づいていくしかないかそれでもできることがあると信じてやっている。
    この作品を読んで多くの人が自分が存在していること自体が素晴らしいと気づけますように。

  • 帯に書かれていた 私に聴かせて、あなたの「死にたい」気持ちという言葉に惹かれて、購入した1冊です。

    仕事でうまくいかない時に、「私は役立たずだから、生きている価値はないのではないか。」と感じてしまう時もあります。
    でも、そんな時に、「もし役に立たなくたって生きていればそれでいい」という言葉を読んで、気持ちが少し楽になって、救われました。

    この話を読んで、「自分の心の「核」には、どのようなものがあるのだろう」と、この機会に1度考えてみたくなった作品でした。

    続編があったら、読んでみたいなと思う作品でした。
    今度は、ベストセラー小説でもある『ナースの卯月に視えるもの』も読んでみたいです。

  • ナースの卯月に視えるものシリーズが良かったので、手に取ってみました。人のこころに潜入して自殺願望の核になっているものを解きほぐす今の世界にはない潜入師の仕事。精神疾患の人が、どうして自殺を選んでしまうのは、心が弱いのではなく、精神疾患の症状の1つということが印象に残りました。何がキッカケになっているのか心に潜入して解きほぐす潜入師という資格や仕事ができると画期的なものかもしれませんね。

  • あとがきや物語にも書いていましたが、役に立たなくても生きているだけで良い。ということは今まで思ったことがなかったので別に辛いわけではなかったけど励まされました。あと、少し月野ゆんに共感するところがありました。あまり医者などの本は読んだことがなかったけど面白かったです。

  • 作者の看護師時代の経験も相まって、「潜入師」という仕事がとてもリアルに見えた。
    心の病は形として見えないので、何が原因なのか本人ですら分からないこともある。
    本当にこの職業があったら、助かる命が多いのかと思った。

    心に絡みがありながらも「潜入師」という仕事に向き合う主人公の成長を見届けられて読んでいて非常に面白かった。

  • 「役に立つとか立たないとか、そんなこと関係なく生きていればいい」

    「人の役に立つとか立たないとか関係なく、人には命の尊厳がある」

    今のわたしにとても心強い言葉だった。

    著者の秋谷さんは精神科の看護師をされていたそう。そのご経験もこの小説の説得力につながっていると思った。
    長編でもいいなぁ。もう少し長く読みたいなぁと思う!

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