ほどなく、お別れです 思い出の箱

  • 小学館 (2025年5月2日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784094074567

作品紹介・あらすじ

大反響の「訳あり」お葬式小説、第三弾!

美空がスカイツリー近くの小さな葬儀場「坂東会館」に入社して二年。訳あり葬儀ばかり引き受ける葬祭ディレクター・漆原の助手をしながら、研鑽を積む日々だ。

繁忙期前のある日、坂東会館に社長の甥、小暮が入社する。彼が推進する効率重視の業務改革に対し、反発する美空たち。だが、やがて小暮の信念の源もあきらかになり……。

火災で祖母と孫を亡くした家族、夫の遺体を焦るように群馬から東京へ搬送した妻、母の葬儀に離婚した父を呼ぶかで苦悩する年若き兄妹──

「別れ」と懸命に向き合う人々の姿に、あたたかな気持ちと涙があふれるお葬式小説、第三弾。

【編集担当からのおすすめ情報】
美空が「坂東会館」のアルバイトから社員になって、はや2年。
上司であり、目標でもある上司の葬祭ディレクター・漆原の指導は相変わらず厳しめ。
それでも、ご遺族が前に進めるような心から納得できる式を、という志のもと日々奮闘し、着実に成長していく美空のところに、社長の甥・小暮さんという小さな嵐がやってきます。

落涙必至の「訳あり」葬儀や、佐藤日向さんの解説にもぜひご注目ください。

みんなの感想まとめ

「別れ」と向き合う人々の姿を描いたこの作品は、感情の深さと人間関係の複雑さを巧みに表現しています。主人公の美空は、葬儀社での経験を通じて成長しながら、様々な「訳あり」の葬儀に直面します。孤独死や家族の...

感想・レビュー・書評

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  • Audibleにて
    寝る前に泣こうとする癖がついてしまいました。
    泣かせにくるパターンが少しずつ変わってきて、登場人物も増えて、色恋の話もリアルになってと盛りだくさん。シリーズ読み終えてしまったので、新たなる分野で眠りに着こうかと思います。

  • 「ほどなく、お別れです」の3冊目。
    美空が坂東会館の社員になって2年目の繁忙期に入ろうとする頃から始まる物語。

    今回もまた、孤独死だったり、火災で亡くなった祖母と孫であったり、故人の妻と姉の確執が激しかったり、という訳アリの葬儀が描かれる。
    前半は大手葬儀社でも働いたことがある小暮が入社してきてその言動が波紋を起こしたり、美空の気持ちが入りすぎて遺族を置き去りにした司会がクレームになったり、イラっとしたりザラっとしたり、ちょっとテンションが上がらない話が続く。
    別れた夫が妻の葬儀に出席をしてくる顛末を描く四話目が家族の在り様を語ってなかなかいい話で、そこから小暮や漆原の家族の話につながってうまい具合に締まったが、全体的にはやや平凡。

    いわゆる「多死社会」の途上にあって火葬場がひっ迫していて何日も待たなければならない場合も出ているという話も耳にするが、零細な葬祭業者が大半の葬儀業界も変革期を迎えているようで、そうした時代の流れに対応する会社運営や葬儀社における収益向上など小暮が訴えることは、この話のテイストにしては面白いところはあり。
    そうした小暮が起こした波紋と漆原の“きれいすぎる”と評されるこれまでのやり方がどう折り合いがつくのかと興味深かったが、小暮の事情に話が逸れてなんとなくうやむやに片付けられた流れにはいささか肩透かし。

    美空と漆原の間に色恋沙汰が匂ってきたのも面白くない。
    美空が彼のことを上司としては尊敬しながらも、心の中では「漆原」と呼び捨てにしていたり「あの男」呼ばわりするところが二人の関係性だと思っていただけに、なんだかありきたりの話になってきたようでかなり残念。

    破綻はありながら作者さんの書きたいことの切実さに惹かれるものがあった1冊目、お仕事小説としていい感じだった2冊目と好きなシリーズだったが、今回はちょっと……だった。

  • 3冊目…です。(この先もあるのかな?)
    相変わらず涙涙でした。
    人が亡くなるのは、その状況や生活や何もかも千差万別だけれど‥‥
    そこにかかわらざるを得なくなった場合・・・どうします?

    まあ、胸にたくさんのことが残っているままにしておけない…ということを
    あらためて自分に言い聞かせた・・・私でした。

  • ほどなく、お別れですシリーズ第三弾。

    読み進めるうちに坂東会館に入社した美空の、成長振りがうかがえます。漆原とのコンビも健在で里見さんの存在が何とも微笑ましいです。

    今回は坂東会館に社長の甥である、小暮が入社し、効率重視の業務改革を推し進める。

    坂東会館の社員たちが、優しく一体感が感じられます。色んな意味で続編が楽しみです。

  • シリーズ三作目。

    地元密着型の葬祭場・坂東会館で二年目の繁忙期を迎える清水美空。
    今回は社長の甥だという小暮千波が新たな社員として加わる。彼は元々大手葬儀会社に勤めていたらしく、何かと坂東会館の改革や増益について口にする。
    遺族に寄り添い、余計な費用など加えたくない美空たちと、オプションを何かしら付けるように求める小暮との間で溝が生まれていく。

    今回も高齢者の孤独死や、旅先での事故による死、火事による祖母と幼い孫の死、シングルマザーの死など、様々な死とその葬儀の模様が描かれる。

    こういうお仕事をされていると、様々な人たちの人生に触れることになり、気遣いは大変なものだろうなと改めて思う。
    結婚式とはまた違い、葬儀だからこそ見える人間関係や家族関係もあるだろうし、当然お金の問題もある。
    特に最後の、残された若い兄妹が喪主として行う葬儀は痛々しく、漆原と美空と里見が担当で良かったと思った。

    小暮は大手葬儀会社で勤めていたそうだが、彼の理想は亡くなられた方を本当に悼む人のみで行う家族葬や少人数の葬儀のようだ。
    だが一方で葬儀には何かしらのオプションを付けたりして単価を上げて欲しいようだし、坂東会館の葬儀場を新たに新設しようと考えているようでもあり、社員ではなく経営者視点で坂東会館を変えようとしているのが見えてきて、美空たち社員をざわつかせている。
    一番神経質になっているのは若い椎名で、何かと坂東会館御用達の居酒屋『都鳥』でクダを巻いているらしい。

    最近は葬儀をするのも一苦労で、私が住んでいる地方でもなかなか火葬場の順番が取れないとか、葬儀場が開いてなくて何日か待たされるとかいう話も聞く。
    だがこの物語では、坂東会館の経営という点ではまだまだ厳しく大手と闘うには強みや個性が無ければという小暮の想いも見えてくる。
    一方で、漆原の葬儀は『きれいすぎる』らしく、そこを美空は理想として目指そうとしているようだが、完璧すぎて画一的になっているという小暮の評価は当たっているのかどうか。

    最終的には小暮がどう坂東会館の面々と折り合いをつけるのか、逆に考えづらいが坂東会館の方が変わってしまうのかと考えながら読み進めたが、意外とアッサリ決着が付いた印象だった。
    だが小暮の時に見せる別の顔らしきものの正体が最後に分かって納得も出来た。彼にも彼なりの葛藤があり、今日があるのだなと思えた。

    美空と漆原の関係性については、個人的にはあまり色恋沙汰を持ち込んで欲しくないなと思ってしまうのだが、シリーズの盛り上がりとしては仕方ないことだろうか。
    椎名の結婚話は清々しくお祝い出来たのだが、美空と漆原は何故かそういう気になれない。
    これも『きれいすぎる』からだろうか。
    それよりも僧侶の里見と漆原の友情関係の方が楽しく見守れる。

  • 映画版にはさほど気持ちないけど、漆原は気になるかと。小暮の告白にどんな言葉を掛けるのかと思ったが、彼女とのいつかを探していけばいいが端的に最高だった、荒れた若い喪主にも同じ。仕事もだし出来た人だ。自分も死者にマイナスのイメージだし漆原の葬儀が区切る事と入ってきた。葬儀は高額化元夫の白い菊の花を入れる待つ時間もないだろうなと知識はあるけど、ほどなくお別れですが続くことを願うって事

  • シリーズ第三弾。
    葬儀は区切りの儀式。悲しみに沈む遺族が葬儀を終えることで新しい一歩を踏み出す。どの葬儀もその事をじんわりと感じるお話だった。

    そして、新キャラの小暮。彼の発言は理想と現実を見事に突き付けてくれる。会社として生き残れなければ、どんな理想も形にできない。
    様々衝突はあれど、それでも坂東会館のみんななら、力を合わせて乗り換えられると思えるラストで良かった。
    こんな葬儀屋さんにお世話になりたい。

    椎名の報告にはほっこり。美空の成長、漆原との今後も気になる。
    映画化され来年公開とのこと。見に行きたいな。

  • 今まで美空1人だけの表紙だったのに
    シリーズ三冊目は
    漆原さんと2人になった
    四巻目楽しみ

  • 『ほどなく、お別れです』シリーズ第3巻

    前の2冊と比較すると、坂東会館に効率重視の業務改革を推進する社長の甥、小暮が入社したことにより、全体的に不穏な空気が漂う感じの作品でした❗️

    そんな中でも、故人を偲び、ご遺族が前を向いて生きていける儀式を、自らの信念でそれぞれの方々にプランニングをしていく、漆原さんがとても格好よく映りました

    今回僕の好きな僧侶の里見は、余り出番がありませんでしたが、チーム力が向上した坂東会館のその先と、今後の美空の成長がとても楽しみな話しでした❗️

    個人的に好きな話しは、『第一話 思い出の箱』です

  • 新しく加わった小暮さんが巻き起こす嵐の中、
    美空の失敗加え、取り巻く環境の変化もあってちょっと心がざわざわする1冊。

    しかしその度に成長する美空や漆原さんの温かいサポートもあり安心できる。

    今回は孤独死やおばあちゃんと孫という残された側の悲痛がこちらまで伝わり苦しかった。
    ただ毎回納得のいくお見送りで終らせることが出来るのは遺族に寄り添うことが1番と考える漆原さんだからこそ。

    その対照的な立ち位置であった小暮さんの印象がガラリと変わった最終章は涙なしには見れなかったな~
    夫婦揃ってお酒を片手にスカイツリーを一緒に見上げる情景が目に浮かんだ。

    これからも反発し合うだろう小暮さんと漆原さんの2人。なんだかんだ小言を言い合う感じ、実は相性良いのでは?

  • 葬儀場『坂東会館』の若手女子社員・清水美空の物語、第三弾。大手葬儀社で10年以上働いていた社長の甥、小暮千波が入社する。やり手で『坂東会館』の改革に乗り出すが、美空はじめ社員たちは営利優先主義を受け入れられない。そんな中でも色々な葬儀をこなしていく。美空の特殊能力が出てこなくなった。

  • 新キャラ小暮さん登場!
    いけ好かないなーと思いながら読んでエピローグ読んでやっぱりか。
    それぞれの別れとそれぞれの信念を貫くって難しいよね。

  • シリーズ第3弾。
    美空の働く坂東会館に、社長の甥という小暮がやってくる。
    葬祭ディレクターの専門学校も出ていて、もちろん葬祭ディレクターとなり、大手の葬儀場で働いていたという。
    そんな小暮は業務改革を行うと宣言し、利益の追及と声を上げる。
    葬儀は突然の別れを行うもので、遺族をお客様と呼ぶことも、利益の追及にも納得がいかない社員たち。
    漆原も目をつけられ、何やら怪しい雰囲気に包まれる坂東会館。
    それでも大切な人を亡くした遺族に寄り添う葬儀をしようという気持ちは変わらなかった。
    そして、やっぱり坂東会館は坂東会館だった。

    2026.2.24

  • 第三弾!
    なんだかんだで1番良かった
    エピローグでかなりぐっときた

    死という重いテーマだけど、人間味があって優しい気持ちになれる物語

    第三弾は、主人公、美空も成長していく姿も見られた

    どの職業もそうかもしれないけど、働いていく中に必ずドラマがあって想いがあってやりがいがあって
    葬儀場の仕事について考えたことはなかったけどとても素敵な職業だなと感じた

  • 3作目

    美空が坂東会館で働き出して3年目
    仕事での成長と、漆原との関係、ちょっとアクの強い新たなキャラクター小暮

    1作目より徐々に評価が上がるのは、キャラクター達に対する愛着もあるけど、話が断然面白くなってきました
    オカルト要素がなくなってきてるのもいい

    小暮のキャラも、マンネリ化していた坂東会館のほのぼのとした人間関係にスパイスを効かせてくれている
    そして最後の里見さんにはやられたなぁ

    人が亡くなるエピソードに、どれひとつ同じものは無い
    それぞれに残された人々がいて、悲しみ悔やむ背景がある

    葬儀というものに対する見方、今回は葬儀屋で働く方への偏見のようなものにも少し触れられていて、改めて奥深い世界だと感じた

    長月さんの作品は他に読んだことがないけど、言葉選びが綺麗
    さりげなく、スっと心に響く

    映画ではどのエピソードを中心に描かれるのか楽しみです!

  • シリーズ3冊目。巻を追うごとに美空の成長が伺えます。葬儀は人それぞれ違う背景を持った故人とその縁者が会する場所であり、故人が生きてきた集大成であり、この作品はそれを上手く表現していると思います。

  • シリーズ3作目。

    これまでを否定されるような小暮という存在を通じて、今回は美空にとって、目指してきた考え方、やり方とは違う形に向き合う回。

    自分が信じてきたものを守ることも大事だけど、変化の必要も受け止めて考え続けることも大事。特に人に向き合うお仕事で、大事にしているものは人それぞれだということを改めて感じるお話でした。

    個人的には漆原と美空のどこか凛とした関係がいいと思うから、少なくともお話のなかでは恋愛要素に進まないといいな。

  • シリーズ3作目。

    美空も前作と比べて成長し、より深みを増した葬祭ディレクターになってきている。時にクレームが起こるほどの間違いはあってもよく、もう少し自信を持っていいのでは…なんて。

    今回は小暮が新たに入り、坂東会館も空気が変わった。小暮の考えるビジネス…昨今の核家族や周り近所の付き合いの希薄化と今の葬儀に対するニーズの変化ではある。でもそのアイディアは、継続する上で必要なことは分からなくもないが、遺された家族が新たな道へ進むためにお手伝いすることが一番大切にしなければいけないのではないかと思う。

    今回では漆原の眼の前の死に直面した遺された家族に向けて紡ぎ出す言葉が、更に深みを増したんだと思う。心の中がふわっと温かくなったのは、そういった物語の流れだったからかもしれない。特に家族や親族の軋轢を描かれた第三話・第四話で感じた。

    死と直面する葬祭ディレクターは、特殊であり気持ちのコントロールが大変だなと感じる。自分なら感情に流されて絶対無理(笑)
    彼らを誇りに思い、葬儀という式が改めてどういう場所なのかを考えさせられるきっかけとなった物語。

    とても良かったです。

  • 一作目と二作目を連続で読み、なせだか間に違う本を挟み三作目を読んだ。一作目、二作目と同様にやっぱり定期的に涙が出るシーンがやってくる。電車の中でまた何度も泣いてしまいました(鼻水もじゅるじゅる)。最近電車の中で泣くのもなんか全然気にならない笑笑。きっとやばい奴に見られるてるんでしょうね。一番泣いたシーンは、小暮さんの奧様が亡くなっていたところです。でも途中のところどころ美空とのやりとりからなんとなく“それ”は予測はできていました。でも!いざその小暮が“それ”のことを言ったところに差し掛かった時は、もう涙が止まらなかったです。。
    でもなんかこの小説は爽やかなんです、死を扱ってるのに爽やかなんです。なんなんでしょう。
    極め付けは、エピローグの葉桜花見の宴会のシーン。ここもやばかった、めちゃ泣けた。でも悲しくて泣けるのとも何か違うのです。小暮が奧様の死のことを語っているのに、強烈なまでに“爽やか”に描かれている。“爽やか”過ぎて泣けてくる感じ。きっとそれは坂東会館のキャラみんなが死を爽やかにさせる存在なんだと思います。自分の大事な家族の死に直面した時のことを思わず想像してしまいます、、、果たして自分はどんな感情を抱くのか?こうして“区切り”をつける事ができるのか?

  • シリーズ第3弾。美空も坂東会館に入社して2年経ち、社長の甥っ子である小暮が入社。やり手だけど癖があるし嫌味だし好きになれない…と感じたけど途中から、言ってることは正論だしそんなに嫌な人でもない気がしてエピローグでは結構好きなキャラに。今作も辛い別れの中にあったかさがあって色んな事情を知っていくと同時に納得のいく葬儀で送り出せて良かったと心から思えるお話だった。美空の霊感がほぼなくなってしまったのは残念だけど今後も漆原とより良い葬儀で遺族に寄り添っていってほしい。陽子と椎名にはびっくりしたけどお似合い。

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著者プロフィール

1977年、新潟県生まれ。大正大学文学部卒業。「ほどなく、お別れです」で第十九回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー

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