感染 (小学館文庫)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 1193
感想 : 138
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094080469

作品紹介・あらすじ

医学ジャーナリストが描く迫真のミステリー

ウィルス研究医・仲沢葉月は、ある晩、外科医の夫・啓介と前妻との間の子が誘拐されたという連絡を受ける。しかし夫は別の女からの呼び出しに出かけていったまま音信不通、幼子は無残な姿で発見された。痛み戸惑う気持ちで夫の行方を捜すうち、彼女は続発する幼児誘拐殺人事件の意外な共通点と、医学界を揺るがす危険な策謀に辿りつく――。医学ジャーナリストが描く、迫真の医療サスペンス! 第1回小学館文庫小説賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 他人よりいい思いをしたい、というのは当たり前のことなんだろうけどなぁ。そこに落とし穴がある。
    欲張りすぎず程々に。

  • 執筆時である2005年から17年経った今なお豚の臓器移植が成功していないのだからよほどハードルが高いのだろう。学部長が汚職まみれというのはお約束とは言え中々ダイナミックな原因だった。伏線の貼り方は露骨だったしもう少し主人公以外を丁寧に描いてもいいのではと思うが題材が面白くカバー出来る範疇だと思う。
    ただ誰も彼もが心臓を灰にしてしまう、という慟哭は印象深い。

  • あらすじが面白そうで期待しすぎてしまった。主人公の性格が卑屈で応援したくならなかった。事件そのものはスリリングなのに、読んでいても緊迫感がない。主人公がある程度真相を掴むけど、最終的には友人の記者が一から十まで口頭で説明して終り。ミステリーとしてかなり残念だと思う。子どもの移植手術という意義のあるテーマなので、もっとそこに焦点を当てた医療ドラマとして書かれた方が良かったのではと思った。

  • ミステリーよりもサスペンス。
    大人のよくと善意の裏返しとでページを捲るのが楽しかったです。
    子どものことを考えると一生懸命になってしまうのと、善意の言葉の後ろにある悪意がすごかった。悪いものってどこかにあって、それを防ぐのって大変。
    子どものために何をしてあげられるのか。考えても考えてもその行動が、正しいとは言えないが試してみるしかなかった彼のことを思うとかわいそうだとは思うけど、どこまで調べて行動したのやら。どういう行動をとるのかは親の責任だから選択を誤りたくないものです。

  • 仙川さんのデビュー作でもある物語。
    そのせいなのか、展開も結末も、描写すらも浅い感じがしてしまった。
    子供は宝。
    そんなふうに無条件に子供を愛する親ばかりではないことはわかっているが、ほとんどの親にとっては自分の命に代えてもいいくらいに大切な存在なのではないだろうか。
    病気だとしても治せるものなら治してやりたい。
    自分たちに出来ることがあるとすれば、何でも出来る限りのことはしてやりたい。
    それは自然な感情だとは思うのだけれど・・・。
    大概の場合、子供にとって親とは絶対的な保護者だ。
    だが、親はその限りない子供への愛ゆえに愚かになってしまう。
    親とはそんな哀しい存在でもあると伝えたかったのだろうか。
    結末にどことなく安直さを感じてしまった物語だった。

  • わかりやすいパンデミックものかと思い読んでみたら不意を突かれました。

    動物の臓器を人に移植する。
    考えたことなかったけど、
    凄い発想です。
    怖い研究です。

    そうなると、昔の人から見た現代人は大分
    フランケンシュタインに近づいているんだろうなぁ。

  • ウイルス研究医の葉月の夫と前妻の間の子供の誘拐、遺骨での帰還、他の幼児誘拐殺人との共通点と異種移植、そこからのウイルス。不意の意外な自殺にもあまり動揺は見られない。研究生の小さな怪我は伏線かと思ったらそのまま終わってしまって若干拍子抜け。誰も彼もが心臓や肝臓を灰にしてしまうという医師の嘆きが印象的。

  • 異種移植ってネタもいいし、舞台設定も無理がないし、役者の配置も上手。なのに、書き込みが浅いと云うかノリが軽いと云うか。うーん。専門用語や漢字を多用すれば良いってもんでも描写がくどけりゃいいってもんでもないんだけど。プロットはいいけど肉付けが甘いのか。登場人物が薄いのか。それにネタの重さに文体が合ってないのかな。例えば、舞台がマスコミで、スクープがガセだった…とかって話なら、違和感もなかったと思う。もったいない。

  • 人間の心理描写がすごくリアルで惹き込まれた。次の展開が気になってさらりと読めてしまった。ちょっと軽めのサスペンスが好きな人にはたまらないかも。

  • サクッと読めたけど、びみょ〜

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著者プロフィール

せんかわ・たまき
1968年東京都生まれ。大阪大学大学院医学系研究科修士課程修了。大手新聞社在籍中の2002年に書いた小説『感染』が第1回小学館文庫小説賞を受賞し、作家デビュー。その後執筆活動に専念し、医療問題を中心に社会性と娯楽性を兼ね備えた作品を発表する。著書には『転生』『繁殖』『誤飲』『疑医』『鬼嵐』などがある。本作は『幸福の劇薬』に続く「医者探偵・宇賀神晃」シリーズ第二弾!

「2020年 『偽装診療 医者探偵・宇賀神晃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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