日本沈没 (下)

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  • 小学館 (2005年12月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784094080667

作品紹介・あらすじ

伊豆諸島・鳥島の東北東で一夜にして小島が海中に没した。現場調査に急行した深海潜水艇の操艇者・小野寺俊夫は、地球物理学の権威・田所博士とともに日本海溝の底で起きている深刻な異変に気づく。折から日本各地で大地震や火山の噴火が続発。日本列島に驚くべき事態が起こりつつあるという田所博士の警告を受け、政府も極秘プロジェクトをスタートさせ、日本人を全員海外へ移住させるべく、極秘裏に世界各国との交渉に入った。小野寺も姿を隠して、計画に参加するが、関東地方を未曾有の大地震が襲い、東京は壊滅状態となってしまう。そして日本沈没の日は予想外に早くやってきた。日本人は生き残れるのか。全国民必読。2006年夏公開、話題映画の原作。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

国家存亡の危機を描いたこの作品は、1970年代の日本が直面した経済的繁栄と災害リスクの二面性を浮き彫りにしています。政府は国民を海外に避難させるための外交や物資調達に奔走し、学者たちは地震や地殻変動の...

感想・レビュー・書評

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  • 『日本沈没』下巻 小松左
    ~国家存亡の危機とその影響~

    1;政府のバックアッププラン ☆☆☆☆☆
    2;国民生活の揺らぎ・深刻度 ☆☆☆☆☆
    3;日本国家の諸外国への経済インパクト ☆☆☆☆☆

    【はじめに】
    1970年代、日本は未曽有の危機、国土沈没の可能性に直面しました。この小説は、その時代の日本が直面した経済的繁栄と、潜在的な災害のリスクという二つの相反する側面を描いています。

    【第1章:政府の対応策】
    政府は、国民を海外に避難させるための外交手段を準備し、為替関連で円を外貨に換え、また有事に強い「金」を購入しました。さらに、民間企業から船舶・飛行機を購入またはレンタルし、移住先候補の土地を直接購入するなど、緊急時の対策を講じました。

    【第2章:学者の予測と挑戦】
    学者たちは地殻変動と地震のデータを収集・分析し、災害の発生時期と規模を予測しました。しかし、その事実を政府に伝え、信じてもらうためのエビデンス作りには時間がかかり、日本の準備期間を短くするジレンマに直面しました。

    【第3章:国民生活の変化】
    災害発生時、国民の生活は大きく変化しました。港湾や空港施設が機能しなくなり、輸送力に限界が生じ、食料品をはじめとした生活物資の確保が困難になりました。物資不足、取り合い、インフレが日常風景となりました。

    【第4章:外交の重要性】
    日本は1970年代にGNP世界2位の経済力を持っていました。そのため、日本国内の災害は海外にも経済レベルで影響を及ぼしました。外国政府は、日本を救援する以上に自国の利害への影響を懸念しました。

    【おわりに】
    『日本沈没』は、日本が直面した国家存亡の危機と、それに対する政府、学者、国民の対応を描いた作品です。この小説は、単なる災害物語ではなく、有事にどのような選択肢がありうるのか? その選択肢に対してどのような考え、行動が望ましいのか?を考える機会を提供してくれます。

    小説では、国民人口1.1億人のうち1,000万人がなくなっています。海外に避難済みは7,000万人、国内に在住が3,000万人という設定です。このマクロな数値の裏側には、政府、学者そして国民ひとりひとりの想いが横たわっています。その想いにぜひ、触れてほしいな・・・と思うのでした。

  • 沈みゆく日本を頭に思い浮かべ
    あぁ私は日本が好きだなと
    そんな事を思いながら本を閉じる。

    このような事がいつ起きるか分からない恐怖と
    そうなった時に守るべきものを自分は守れるのか
    読み終わってからも暫く色々と考えてしまった。

  • 日本人にとって100年後でも読みつがれる本だと思う。ただ、大地震のあと、道路、電力、鉄道などのインフラの被害想定は、さしもの小松左京でもかなり甘いものであったと、今ではわかる。そんなに早くは復旧しないし、人間を安全に避難所へ移動させられるようになるだけでも、1日2日では無理であって、この小説に出てくるような地震や噴火災害のときは、死者はもっと増えるだろう。

  • 私の1973年は中学生だったが、同級生には「日本沈没」を読んでいる者も少数ながらいた。
    私はというと、内容が難しくて、手にすることもなかった。
    よって、日本沈没を読むのは、「やり残したこと」の一つというところ。
    また、日本沈没の映画も見にいったが、途中で退館するという、こちらも中途半端であった。

    そういった意味では、すっきりした読書をした、といって良いだろう。

  • 下巻では、地震が多発し、至るところで火山が噴火し、地面が隆起・沈下を繰り返し、日本列島が刻々と破局へと向かっていくなかで、如何に日本国民を海外に脱出させるか、D計画メンバー達が知恵を絞り、奔走する姿を描く。

    自ら道化師役を買って出た、在野の異端科学者にしてD計画の中心人物、田所博士の行動が格好よかった。小野寺、中田、幸長、片岡らDー1の主要メンバーの身を賭して奔走する姿にも感動した。

    本書、防災小説として全く古さを感じさせないところは、やはり凄い!

    現代のアトランティスとして海底に消滅してしまった日本。その後の日本人の姿(祖国を失って世界に散り散りになって生きる日本人達のそれぞれの姿)を描く短編小説があってもいいよなあ、と思っていたら、続編があるようだ(短編集ではないみたい)。読んでみようかな。

    日本海側のことを「裏日本」と呼んでいるのが、何だか懐かしかった。

  • 自らを育み寄って立つ場所を失った日本人はアイデンティティを保てるのか。
    小松が描いたものは、日本列島がただ海に沈むスペクタクルとパニックだけでなく、このような深淵な問いだったのではないか。
    本作の発表は1973年だが、自然災害が当たり前となった現代こそ、小松の問いかけは古くてどこまでも新しい。

  • (上巻 Review から続く)

    でも、この小説で小松氏が一番書きたかったことは、そういう災害時のお話ではなく、「アイデンティティ」のことだったんじゃないかと思うんですよね。  本当の意味でそこに辿りつく前にこのお話は終わっちゃっているから、何となく「パニック小説」のような、この未曾有の事態に直面する「仕事人小説」のような色彩の濃い物語になっちゃっているような気がするんだけど、本当のところ彼が書きたかったことは「自分が属する国を失ったら人はどう生きていくのか?」がテーマのような感じがするんですよ。  そう、ユダヤ民族のように・・・・・・。

    第二次大戦で行き過ぎた「軍国主義」「愛国主義」に走り過ぎたと猛反省した日本人が、今度は「愛国心」とか「同族愛」をどんどん蔑ろにし始めた時代(少なくとも KiKi は自分がそれらの意識のかなり希薄な日本人だという自負があったりもします 苦笑)に、著者にはそれに対する憂いみたいなものを持っていらしたような気がするし、「帰る場所がある」ということが人間にとってどれだけ大切 & 生き抜いていくうえでのパワーの源になるのかを思い出してほしいという願望もあったような気がするし、しかもその日本列島が山あり河あり海ありで本当に美しい姿をしており、そこで培われてきた長くて誇らしい歴史のある国であることも再認識してほしいという想いもあったのではないか??  読んでいてそんなことを感じました。

    (全文はブログにて)

  • 相変わらず、地球の奥底、深い深い海の底で起こっていることはよくわからないが、ただ怖い。
    小学生の頃夏休みのど真ん中に登校して、体育館で鑑賞した映画を見た後の恐怖感、不安感と似ている(年齢がバレる)

    でも、第二部があるのだ。
    希望があるっで事でいいんだろうね( ̄^ ̄)

    続きへ

  • 知り合いが「日本なんて住む所じゃない。早く海外に移住しよう。」って冗談抜きに言ってたのを思い出す。田所博士とは真逆。

    果たして今の日本政府は、有識者から本作同様の事態が発生する可能性を示唆されたとき、劇中の極秘D2計画のように動いてくれるのだろうか。と思っちゃったなぁ、、

  • 日本人って不思議な民族なのだろうか。
    戦争に負け、原爆を2回も落とされても、地震や津波、火山などの自然災害にも、ぐっとこらえて耐え、黙々と勤勉に働き復興する。

    それもきっとこの大地があってこそ。

    小松左京が書きたかったのは日本人であり、それも本の中の今ではなく、島が沈没した後の日本人かもしれない。

  • 「日本沈没(下)」小松左京著、小学館文庫、2006.01.01
    398p ¥600 C0193 (2019.09.02読了)(2019.08.22借入)(2011.08.30/9刷)
    リアリティがあり過ぎて、つい現実に起こっていることのように何度も錯覚しながら読みました。電車に乗って読んでいるときは、周りを見回して、今、大変なことが起こっているのに皆さんは恐ろしくないんですか、等と思いながら読んでいました。
    日本列島が大変動の末、ほぼ水没してしまうまでの時間が、10か月ということがわかった時点で、日本政府は、この事実を発表し、世界中に協力をお願いして、一億一千万人の人たちを受けいれてもらうので、脱出の日取りの通知が来るまで待機するようにとお願いしました。
    国連難民高等弁務官事務所(UNHCR:The Office of the United Nations High Commissioner for Refugees)では、各国の人口比などによって、受け入れ割り当て人数を決めるなどのたたき台を用意して検討を開始します。
    脱出のための航空機、船なども日本政府が購入したり、借り受ける契約をしたり、の他にアメリカ軍などの協力を得て、確保に走り回ります。
    沈みゆく日本列島を調査・報道しようと各国の潜水艦、衛星なども使われています。衛星からの生中継なども行われます。
    脱出の順番を待っているあいだにも地殻変動は、否応なく進んでいきます。脱出に使う予定の空港や港も次々と地殻変動で使えなくなっていきます。
    避難の最中にも大地震や津波、火山の爆発で飛行機、船、避難民などの被害が絶えません。
    現実にもありそうなエピソードが生々しくたくさん織り込まれています。
    小松左京さんの力量に感服しました。恐れ入りました。ベストセラーになりますね。

    【目次】
    第五章 沈み行く国 1~11
    第六章 日本沈没 1~3
    エピローグ 竜の死
    解説  堀晃

    小野寺俊夫 海底開発KKの社員、潜水部、深海潜水艇操艇者、退職
    結城 深海潜水艇操艇者
    山城専務 海底開発KK
    吉村部長 海底開発KK運営部
    幸長助教授 M大海洋地質学
    田所雄介博士 地球物理、世界海洋教団(スポンサー)
    中田一成 情報科学、幸長の友人
    野末技官 気象庁
    山城教授 T大
    大泉教授 K大
    渡老人 (上・191頁)
    ユリ、マコ ホステス
    阿部玲子 小野寺俊夫の見合い相手
    D・マルタン ベルギーの美術商
    わだつみ 深海潜水艇
    ケルマデック号 フランス海軍の深海潜水艦
    天城山(噴火) 三原山(噴火) 大室山(鳴動) 浅間山(噴火)
    京都大地震(上・204頁)
    D計画 プロジェクト(上・216頁) 「日本列島の地質的大変動の可能性について調査し、研究する計画である」(上・287頁)
    D-2計画 「最悪の事態が起こった場合の、日本民族と、その資産に関する処置を研究している」(上・288頁)

    ☆関連図書(既読)
    「小松左京スペシャル」宮崎哲弥著、NHK出版、2019.07.01
    「日本沈没(上)」小松左京著、小学館文庫、2006.01.01
    「首都消失 上」小松左京著、徳間書店、1985.03.31
    「首都消失 下」小松左京著、徳間書店、1985.03.31
    (2019年9月5日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    とにかくその日が来る前に。政府は日本人全員を海外へ移住させるべく、極秘裏に世界各国との交渉に入った。田所博士は週刊誌で「日本列島は沈没する」と発言して、物議をかもしていた。小野寺は極秘プロジェクトからはずれて、恋人・玲子とともにスイスに旅立とうとするが、運悪く玲子は、ついに始まった富士山の大噴火に巻き込まれ行方不明となってしまう。そして、日本沈没のその日は予想外に早くやってきた。死にゆく竜のように日本列島は最後の叫びをあげていた。日本人は最悪の危機の中で、生き残ることができるのか。未来をも予見していた問題作。

  • 『日本沈没 下』は、上巻で提示された「予兆」が、ついに不可逆の現実となってゆく過程を描き切る壮大な終章である。地殻は裂け、都市は崩壊し、そして人々は祖国そのものを喪失する。小松左京の筆は、災厄を単なる悲劇として描くのではなく、人類史における試練として冷徹に刻み込む。

    この下巻において最も重く響くのは、「国を失った民は何者として生きるのか」という根源的な問いである。日本人が民族として存続し得るのか、それとも世界に散じ、同化し、やがて消えていくのか。その切実な問いは、戦後の日本人が無意識に抱き続けてきた不安をあらわにする。作品の終盤で描かれる国土消滅の瞬間は、単なる地理的喪失ではなく、歴史と文化の断絶という形而上的な衝撃を伴う。

    同時に、本作は人間存在の強靱さをも照らし出す。絶望の中で生き延びることを選び、海外に散りゆく人々の姿は、悲嘆と同時に「未来を託す意思」の証でもある。そこには小松左京特有の文明的視座が宿っている。彼は単に「日本沈没」というカタストロフを描いたのではなく、人類社会の脆さと可能性を同時に描き出したのである。

    『日本沈没 下』は、日本SF文学の到達点であると同時に、災厄の時代において我々がどう生きるべきかを問う普遍的な寓話である。読み終えた後、胸に去来するのは破滅の恐怖ではなく、人間がなお未来を希求する力への畏敬であった。小松左京の壮大な構想は、半世紀を経た今なお重い問いを我々の前に突きつけ続けている。

  • 本当に心を込めて日本を沈めたという印象。いち早く天皇がスイスに逃げたなんて臨場感たっぷり。
    どんな状況であれ、こらえきれずに暴走、気触れ、心中、しんがり全う、縁で助かる…運命っぽくても、結局はそれぞれ自分が思うとおりの選択をするのだなあと思った。
    具体的な対策はその時にならないと役に立たない。臨機応変を可能にするための必要情報補整理、見当をつけておくことが大事と。
    試験気球(バロン・デッセ)=匂わせ情報リークで反応偵察効果+パニックに対する免疫効果(ワクチンみたい)を狙うなんて、当時から手法は変わらないな。

  • 圧倒的な読了感。これは文句なしに★5だ。

    映画を見たときにもタイトルからしてイロモノっぽいところがあるなと感じていた浅はかさに恥じ入るとともにそのスケールの大きさに感動したが、小説は映像と限られた尺では描ききれなかったさまざまな点に触れており、さらにおもしろく惹き込まれる。

    あまりにもキャッチーすぎるタイトル。漢字四文字でこれほどインパクトのあるタイトルが他にあるだろうか。日本が沈没するというカタストロフィを描きながら、日本という島国とは、そこに抱かれた日本人という民族とは、について語られていく展開はグイグイと惹き込まれ先へ先へと読み進めたくなるドライブ感にあふれていた。

    主人公である小野寺と玲子はいるものの、全体としては群集劇であり、それぞれの登場人物が人類未曾有の危機に際して日本人を一人でも多く救うためにまさに粉骨砕身で努力していく様に、そこにも日本人としてのあるべき姿を重ね合わせたのかなと思わされる。

    日本国家が1億1千万人の難民を世界各国に受け入れてくれるよう懇願する、そして各国のあいだでそれぞれの思惑と駆け引きがあり、なんてことをよく思いついたものだ。数百万人規模の異国人を受け入れるなんてこと、想像すらできない。もしこれが逆の立場で日本が相当数の難民を受け入れるよう懇願されたたら、果たしてどうなるのだろうか? 今の日本社会における他国籍の人々が増えつつある状況とあわせて考えさせられてしまった。

    日本が散り散りに引き裂かれ海に沈んでいくさまに読んでいて息が詰まるような、なんとも言えない気持ちになったのは少し意外というか驚きだったが、でも日本人だしな。小説を読んでもそんな感情の発露があるのなら、作中の田所博士がクライマックスで吐露する日本という島への恋慕もさして荒唐無稽なことではないと思う。

    読み終わってしばらくぼうっとするぐらいに読み応えがあり印象に強く残った。

  • ついに日本が太平洋側にひっくり返るように沈没。
    残る高台はほとんどが火山で爆発中。
    なぜか水戸の木葉下が残っていました。

    ちなみに文中では「あほっけ」とルビが打たれていたけれど、水戸っぽは「あぼっけ」と読むんだけどな…。

    ちょっと人間関係が中途半端な終わり方だったけれど、今から45年前にこの内容というのは、なかなかインパクトがあっただろうと思いました。

    自分のなかでは防災意識が高まりました。
    あと、外国移住になったときのために英語の勉強をもっと頑張ろうと思いました(笑)

    でも、自分がリアルにこの状況に遭ったら、たぶん「日本」という国、国土とともに死ぬことを選ぶかもな…。

    女性の立場がしょせん「色」役でしかないことだとか時代の古さは多少感じたけれども、いろいろと考えさせられたお話でした。

  • 地質学や気象学だけでなく政治論や外交論、民俗学や哲学など、9年かけて書いた作品だけあって、話が広範囲ににわたり内容がとても濃いので、さくさくとは読み進めず、結構時間がかかってしまったが、やはり名作。絶対また読んでみたい。

  • リアリティをもたせるための説明が多い上巻に比べて、人間の描写が色濃い下巻。1973年刊行なのに、なんと瑞々しい物語か。

    久し振りにいいお話を読んだ。
    これは、改めて買おう。
    我が家の本棚へお招きしたい。

  • 地震の描写が繰り返されるのですが、それはやっぱり東日本大震災があった後だとかなり身に迫ってきます。たぶん著者は関東大震災を参考にしてるのだとは思いますが、大震災を飛行機の上から見て涙する…というシーンは、東日本大震災で津波の映像を生中継したカメラマンが泣きながら撮影した、という実話を思い出してしまいます。
    それと、これは日本が沈没する、というお話ですが、よく考えればSFだと地球が滅んで人間が宇宙へ脱出したあとどう生きるか?みたいな設定はよくあるので、これも楽園を追われた人類…というSFらしい話なのかなと思いました。
    最後の老人と科学者の対話は、ロマンチックな滅びの美学、みたいなものを感じました。戦争を経験した世代の無常感もあるのかもしれません。
    SFで誰もいなくなった廃墟というのは、結構好きなイメージです。

  • 下巻は災害パニック・脱出シュミレーションのスペクタクルな展開。地殻変動の崩壊活動が始まり、悲痛な悲鳴を上げながら崩れて行く日本列島。沈み行く母国から脱出する国民の姿は日本国民から“日本の難民”へと変わってゆく。
    日本人の作者が自ら「日本」という陸地を屠る事で見せようとした日本民族の“姿”はしかし、いま、作者亡き後では大きな未完の書となってしまった『日本放浪記』の《第一部》であり、小松左京という「日本民族研究作家」の代表作だけあって非常に残念。
    因みに『日本沈没』と同時期に書きはじめ、、先に脱稿した『果てしなき流れの果てに』において、国土を失った日本人が宇宙へ進出するという《その後》の日本人の歴史に付いて語られる場面があることからも、作者である小松にとって『日本沈没』の存在は、作家として、また個人のライフワークに等しかった事が伺われる。

  • ついに日本が沈む。東北大震災を経験した今、河口湖の水位に異常がみられ富士山の噴火の危機も叫ばれる今、南海トラフの地震が明日起こっても不思議てはない今、私たち日本人はこれを読んで何を思うだろうか。激しい恐怖、諦め、田所教授のように日本と心中する決心、科学への儚い期待。僕は真っ先にムスメの笑顔が思い浮かんだ。そして親になったんだなと改めて実感した。
    沈む日本で何か主人公がたくましく危機を切り抜ける様なパニック小説を想像してのだけど、国家とは何か、権力を持つということがどんな意味かを二年後に沈むであろう日本を通じて感じよう、考えようというメッセージと受け止めた。
    確かに全国民必読の書ですね。

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著者プロフィール

昭和6年(1931年)大阪生まれ。旧制神戸一中、三校、京大イタリア文学卒業。経済誌『アトム』記者、ラジオ大阪「いとしこいしの新聞展望」台本書きなどをしながら、1961年〈SFマガジン〉主催の第一回空想科学小説コンテストで「地には平和」が選外努力賞受賞。以後SF作家となり、1973年発表の『日本沈没』は空前のベストセラーとなる。70年万博など幅広く活躍。

「2019年 『小松左京全集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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