死日記 (小学館文庫 か 5-1)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094080933

感想・レビュー・書評

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  • 子というのは親を選べないのに、盲目的に信じてしまうものなのだなあと、泣きたくなった。
    そして彼に親切にする人が周りに一杯いたのに、誰も助けることができなかったのが悲しい。幼児虐待ならともかく、少年が周りに助けを求めないと、閉ざされてしまうよなあ。

    これがデビュー作って、この人はすごいなあ。

  • 悲しすぎる。
    こんな親でも子供にとってはやっぱり親なんだよね。
    これがデビュー作と知り驚き。

  • 苛酷な環境の中で純真に母を愛した少年。まだ中学三年生なのに、こんな環境でも希望を持っていたのに…
    先生や友人の小野、小野の家族、専売所のおじさん、用務員、隣の野々村さん。せめて田口潤の中に彼らがいて良かった。

    いつか子どもができた時にはしっかり愛したいと思った。そして別の田口潤に出会った時には野々村さんくらいには彼を救える人間でいたいと思う。

  • 虐待。そしてタイトルどおりです。
    どうして子供を見捨てるような親をかばうのか。どんなに酷くても、情けなくても、親を思う気持ち、愛されたいと願う気持ちはなかなか変えられないものなのだと思う。とても可哀想で悲しいお話ですけど、多くの人に読んでもらいたい本です。

  • なんか読まされた感じがしますね。内容自体イイのですが、何か引き込まれる力があります。

  • 日記形式でスルスルと、一気に読んでしまった

    この話はフィクション。果たしてそうだろうか?
    今もどこかで同じようなことが起こっている。
    運命と一蹴するには、あまりにも、哀しい。

  • 何度も読みました。
    ノートくれる用務員さん、心優しい友人一家や先生。あとちょっとだったのに…苦しくて辛い。

  • 15歳の純粋さ、母親に対する無償の愛が繊細に表現されていた。

    母親とその愛人、加瀬に殺されるという残酷すぎる結末だが母親が自分を殺そうとしているのか?と疑いつつ、大好きな母親のために、、、と日記からも窺えるように本心から考えているのが非常に切ない。

    潤は友達、先生、周りの大人に恵まれていたと思う。だがいくら他者が家以外で親切に、親身になってくれたとしても家族ではないわけで家の中のことや潤の感情の一つ一つに寄り添うには無理がある。ある程度年齢が上がると自分の親は少し変かもしれない、危険かもしれない、誰かに相談しよう、などという発想に至り実際に行動に移せそうだが15歳となると周囲の人間に対しては親切にしてくれてありがとうという気持ち、自分を育ててくれた母親への愛、その愛人に対する母親に近付くなというある意味子供ながらの嫉妬、このような純粋な気持ちで生き自分を上手く客観視することの難しい年齢だと思う。そこが儚くも上手く表現されていて、この作品が桂望実さんのデビュー作と聞き驚いたくらいである。


    また、子供は親を選べないのだ。子供も1人の感情を持った人間である。そのことを、育てる義務のある親が理解せず子供に接してどうするのだ、自身が親に寂しい思い惨めな思いをさせられたと自覚しているなら何故大切な子供に同じことをしてしまうのだ、というやり場のない虚しさが残った。

  • 日記から事実がわかるとは。
    日記に書かれていることが事実とも限らないこともあるんだろうけど。
    母親って難しいね。

  • 中学3年生の男の子の日記、という形式で物語が進んでいきます。
    「えっ!こんなこと日記に書くか!?」
    と思った箇所もたくさんあった(^^;

    事実、刑事に読まれた上に、最後にはコピーされて先生と親友にまで配られるという!!!
    私なら死ぬ。

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著者プロフィール

一九六五年東京都生まれ。大妻女子大学卒業後、会社員、フリーライターを経て、二〇〇三年『死日記』で「作家への道!」優秀賞を受賞し、デビュー。著書に『県庁の星』『嫌な女』『ハタラクオトメ』『頼むから、ほっといてくれ』『残された人が編む物語』『息をつめて』など。

「2023年 『じゃない方の渡辺』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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