国芳一門浮世絵草紙 侠風むすめ (小学館文庫 か 4-2 国芳一門浮世絵草紙)
- 小学館 (2007年5月10日発売)
本棚登録 : 141人
感想 : 19件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094081671
感想・レビュー・書評
-
作者、河治和香さんは江戸風俗画家三谷一馬氏に師事。江戸の風俗を学んだ、日本大学芸術学部卒の作家。
江戸の浮世絵画家といえば、葛飾北斎、そして次は歌川国芳だろう。
歌川国芳も多作な画家だ。家族の他にも弟子達食い扶持を稼がねばならなかったからだし、また愛情深い人物なのだ。
そんな国芳に弟子入りした面々も癖が強いものばかり。明治時代にまたがるこの時期に活躍しているし、エピソードが多い。
江戸の風俗も詳しく描かれているが、何にもましてこの親子の関係が面白く愉快。
他の時代小説にも参考になるほどの江戸文化の詰まった濃厚なシリーズ!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
浮世絵は大好きで、葛飾北斎、歌川国芳、河鍋暁斎が特に好き。その、国芳の娘が主人公の短編集。中身は、本当に江戸情緒が満載で、言葉も風俗もすごーく江戸らしい。入れ墨って、江戸の人にとってすごく意味のあるものだったんだねぇ。
国芳を最初に好きになったのは「源頼光公館土蜘蛛作妖怪図」という風刺絵で、最期の一編がこれの話でした。彼が活躍した当時、幕府は贅沢禁止令を出して庶民を苦しめていましたとよく言われている時代、鳥居耀蔵が悪役としてよく登場する時代です。鳥居耀蔵って、林大学頭の子だったのか、知らなかった。当時の改革という名の庶民締め付けの様子がとてもよく分かります。
浮世絵というと普通は絵師のことしか話題に上りませんが、中に一編、彫り師がメインに出てくる話があって、これがカッコイイ!