anego (小学館文庫 は 5-2)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094081725

感想・レビュー・書評

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  • <megukoの感想>
    2007年に篠原涼子主演でドラマになった原作本。
    ドラマは見ていなかったので、内容が同じかどうかは分からなかったけれど、どうやら違うよう。ドラマでは、後半の不倫からのドロドロの展開はなかったみたい。

    主人公の奈央子は、偶然にも今の私と同じ32歳、独身。

    仕事、恋愛、結婚、人間関係などいろんな悩みがつきまとうアラサー女性の心情が、とてもリアルに、上手く表現されている。
    私は奈央子のように、仕事ができる、アネゴキャラではないから、ちょっと憧れる部分もあった。
    "女が女を叱る、というのは、なんと損な役まわりなんだろう。これを押しつけられたとたん、女はいっきに年をとるような気がする。”
    それでも人の面倒を見てしまう奈央子は、可愛くて、好感が持てる。

    奈央子の考え方や行動にすごく共感できる自分がちょっと辛かったけど、スッキリさせてくれる部分も多かった。
    男性にはちょっと怖いかもしれないけど、女性の心を知る上ではとても参考になると思うので、ぜひ読んでいただきたい一冊。
    女は、強いぞ〜。笑

    <内容(「BOOK」データベースより)
    野田奈央子32歳、丸の内の大手商社社員、独身。上司からも、同僚からも、部下からも頼られる存在。…なのに自らの恋愛運にだけはなぜか恵まれない。そんな奈央子が次から次へと出合う恋愛の数々。合コン、お持ち帰り、セフレ、不倫、泥沼…。OLの性も、派遣社員の怒りも、そして結婚運に恵まれない女たちのいらだちも。すべてをリアルすぎるくらいリアルに描ききった、林真理子の代表作。主人公野田奈央子を篠原涼子が演じて話題になった、大ヒットドラマの原作、待望の文庫化。

    <目次>
    第一章 合コンの掟
    第二章 姉御の正義
    第三章 見合い
    第四章 厄年
    第五章 不倫への序章
    第六章 甘い生活
    第七章 裏切り
    第八章 妻の呪い
    第九章 破局
    第十章 プロポーズ
    終章  心中

  • 何年か前にTV化されたのは知っているが、観ていない。その時、タイトルからOL生活の中でガンガン働き頼りにされる主人公の痛快劇と誤解した。
    読んでみると、意外にドロドロした男女関係物語で、30代女性の結婚観や怖い人間模様だった。林さんの小説は、「不機嫌な果実」「満ちたりぬ月」しか読んだことはないが、ドロドロな人間模様であるが、生きていく上で知っておいた方がよいだろう事柄があり楽しめる。自分にない感情や知らない世界など学べる利点あり。

  • 林真理子ってかんじ。

  • 怖かった〜。ドラマよりラブコメ色薄い。原作のイメージは篠原涼子より米倉涼子かな〜。

  • ドラマはちょっとチャラい雰囲気だったけど、原作は怖い、でも面白いと聞いていたので、文庫化を機に手に取ってみた。読了時間が真夜中だったのを後悔するほどぞっとした。(その後なかなか眠れなかったので)
    前半までは林さんお得意の、働く女のアバンチュールかぁなんて思っていたのだが…後半の不倫のドロドロっぷりが、あまりに予想外でクラクラしてしまった。普通には終わんないだろとは思っていたが、こんなに二転三転するとは…。
    好みは分かれるだろうが、ストーリーの面白さとしては星5つ。ひとつマイナスにしたのは、誰からも頼られるのに、いつも損な役回りの「アネゴ」奈央子のキャラが個人的に気に入っていたから…ベタな結末でもいいから幸せつかんで欲しかったかなってのが本音。とばしとばしドラマを見てたときは、安易な展開に「か〜っ!んなうまくいってたまるっかっつんだよ!」と毒づいてしまったが、原作を読んでみて、あれはあれでよかったのかもと思える。

  • ドラマの印象が強いけど、小説はもう全く別物。主人公の奈央子のバブリーな商社OLっぷりが読んでるだけで楽しい前半と、まるでホラーな後半との落差がすごい。奈央子は、その時々で自分の心に正直な選択をしてきた結果、最後はあんな結末になってしまうという… 作品中にも、これはあんたの性分なんだよ(ニュアンス)と女友達に奈央子が指摘される場面があったけど、まさしく性分であり宿命めいたものを感じる結末に。めちゃくちゃおもしろかった。

  • 終わり方は正直微妙だったが、それ以外は心情表現豊かでとても面白い本だった。

  • 20代はじめの奈央子は思った。「エイッて心を決めて、そのうちの誰かを好きになれるように努力すればいいんだから。結婚なんて適当に過ごしておけば、そんな好きじゃない男とでも、一緒に暮らすことなんかわけないんだから」
    今、奈央子ははっきりわかる、結婚というのは、やはり好きな男としなくてはいけないものなのだ。たとえ別れるとしても、最初は好きな男としなくてはいけないのだ。

    私、この頃思うんだけれども、競争に勝ち残っていくことだけが価値のあることじゃないような気がして。うまく言えないけど、人生なんか、トータルで見ていけばそれでいいんじゃないかって。

    ああ、イヤだ、イヤだと奈央子は思った。どうして自分をここまで道化にして、若い子に気を遣わなくてはいけないのだろうか。

    つらいことがあった時は、日常の持つ大きな力でうち負かそう、というのが奈央子のやり方である。

    「そう、私は確かに頭が悪いのかもしれない。こうなれば幸せになれるとわかっていても、心がそっちの方に動いてくれない。そういうことをうまく出来る女はいくらでもいるのに、この男ならうまくいくと思った瞬間、その男を愛せる女。愛していると思い込める女。私はそういう才能がないのかもしれない」

    「あの人はやり方は違っていたかもしれないけど、とにかく、心からご主人を愛してたわ。不器用な人だから、そんな風にしかできなかった。相手が自分を嫌うようにしか愛せないなんてつらいけど、彼女はそれしか出来なかったのよ」

  • はじめの林真理子の作品
    昔ドラマをやっていたが観てはいなかった。
    30半ばの独身丸の内OLの生活に単純に興味があったので読んでみた。
    不倫などドロドロな部分を描くのがリアルで上手いと思った。
    最後はゾッとした…
    また同著者の作品を読みたくなった。

  • 初めて読んだ林真理子の小説。当時、ドラマが大人気で読んでみた。

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著者プロフィール

1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍する。1982年、エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』を刊行し、ベストセラーとなる。86年『最終便に間に合えば』『京都まで』で「直木賞」を受賞。95年『白蓮れんれん』で「柴田錬三郎賞」、98年『みんなの秘密』で「吉川英治文学賞」、13年『アスクレピオスの愛人』で「島清恋愛文学賞」を受賞する。18年『西郷どん!』がNHK大河ドラマ原作となり、同年「紫綬褒章」を受章する。その他著書に、『葡萄が目にしみる』『不機嫌な果実』『美女入門』『下流の宴』『野心のすすめ』『愉楽にて』『小説8050』『李王家の縁談』『奇跡』等がある。

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