- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094082258
作品紹介・あらすじ
発売当時、数多くの読者に衝撃的な感動をもたらし、のちの全嶽本野ばら作品の原点となったベストセラー処女小説集、待望の文庫版。孤独な青年雑貨店主と、心に病をもつ少女-Vivienne Westwoodの洋服を愛する二人が運命的に出会い、はかない逃避行に旅立つ名作「世界の終わりという名の雑貨店」、そして、MILKの洋服を華麗に着こなすカリスマ・ヴォーカリスト、ミシンに恋する少女の「乙女」としての生きざまを強烈に描いた表題作「ミシン」を収録。
感想・レビュー・書評
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明治に誕生し、大正から昭和初期、古屋信子さんを中心とした少女小説系の雑誌が人気を博していたそうです。第二次世界大戦で、出版界から姿を消していましたが、戦後、荒廃した日本の少女達の為、少女は少女らしくロマンチックにと、ジュニアそれいゆが創刊されます。残念ながら、さすがにその世代ではなく、この後、その流れの「小説ジュニア」を愛読していました。(早熟系小学生だったわ。)
その少女文化の継承者として、乙女のカリスマと言われているらしい野ばらさん。初読です。
文章が、ちょっと懐かしいお嬢様風。悪くない。
「世界の終わりという名の雑貨店」ではvivienneWestwoodの洋服を着た、顔に痣を持つ少女との言葉さえ要らない純愛を破滅的に。
「ミシン」では
MILKの洋服を愛するパンクバンドのボーカル少女と ファン以上の感情を持つ少女との依存的関係性を。これがエスなのかな?
少女達が、自分の着たい洋服を着て、自信を持ったり、元気になるのはすごく良い。
ご自身も洋服にこだわりがあり、ロリータファッションを牽引されているとか。
続けて続編いきます。 -
二つお話が入ってますが、
どちらも嶽本野ばらさんらしく、お洋服へのこだわりが徹底されていて(ヴィヴィアン好きな方はその描写だけでぐっとくるはず)少し捻くれていて。笑
こんな世界から孤立しているような独特な世界観をかけるのは野ばらさんだけだなと改めて思いました。
しかし野ばら作品はわたし的にこの独特さを好きになれるときとふつうにひいてしまう時の差が激しく…残念ながらこの二つはあまりついていけなかったほう。笑 -
久々に嶽本野ばら気分だったので。ていうか昨日からこれ読んでたからうっかりヴィヴィアンウエストウッドのお財布買ってしまったと思われる。
「世界の終わり〜」素敵すぎた。嶽本野ばらのすごいところはあそこまで作り込んだ美意識の高い世界のなかに、しっかりとほころびの伏線を紛れ込ませているところ。絶対に美しくはあれない、生きることへの執着や狡さを曝け出すところ。非常に高等な自己批判に感じる。 -
これが僕がはじめて読んだ嶽本野ばら作品でした、
こんなにも退廃的だけどなにか違うと思ったのは初めてです、
多くの性的表現があっての作品かなとは思いました
けれど、そこがいい!と僕自身思ってはいます、
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とても好きだった。
美しかった。退廃的で何が悪いか。
思想の貫かれた清潔な想いを感じられる作品は本当に美しく、面白い。
登場人物たちは誰も、社会の大きな歯車の中に、諦めて入っていこうとはしない。自分の美学を、生き方をちゃんと選んでいてどんなに傷つこうと、死んでしまおうとちゃんと守っている。そういうひとたちへの共感と尊敬で心が焦がれそうだった。 -
再読。昔と今と感受性が違うせいか、まったく響かなかった。昔は手放せないほど胸を打たれたというのに。著者独特の、洋服や趣味趣向に関しての丁寧すぎる描写は美しいけれど、性に結びつく表現がどうも気持ちが悪かった。報われないのにほとばしる幸福感は、なかなか違和感。不快感と美しさ。
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他人どころか身内にすら決して理解されぬ、自分独りで抱えて生きていかなければならないものがあることを知っています。それを理解されるということは、孤独から私を救い出すことと同義なのです。言葉を凶器とし傷付け合う世界ならば、口をきけないことは問題ではありませんでした。私が選んだのではなく、ブランドが、Vivienne Westwoodのお洋服が、私を選ぶのです。それは私の矜恃であり、戦闘服なのです。永遠ではありません、雨が雪が降り止む此処は、世界の終わりではないのです。
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私は何故この時代に生まれてきたのでしょう、現代に生きづらさを感じることはよくあります。貴方は何にそんなに怒り、誰にそんなに叫び怯えているの。MILKの可愛いお洋服とあまりに不釣り合いで、あまりにそれは貴方でしかないという事実。喪失。私の心の空洞が、誰に解るのよ!全てぶっ壊してくれ!!
泣いていた。これを孤独とか悲哀とか、ありきたりな感情で表して笑わせんなよ。両手で抱えきれず指の隙間から零れ失っていくこの世界の全てに、泣いていたんだ。 -
一瞬近代文学を思わせるような美しい文体なのだが、2000年代に書かれたものということで衝撃を受けた。
2作品ともハッピーエンドではないし、節々にネガティブな空気感を醸し出す作品ではあるが、愛の発見と喪失があまりにも魅力的にかかれているので、後味の悪さというよりも現実の愛のあり方について考えさせられる良い意味での気持ち悪さが残る作品だった。
うん、これは良いです(〃ω〃)
うん、これは良いです(〃ω〃)
深田恭子のロリータファッションかわいかった
深田恭子のロリータファッションかわいかった
そうなんです。そのロリータの牽引者です。
こだわりが、すごい。
そうなんです。そのロリータの牽引者です。
こだわりが、すごい。