きいろいゾウ (小学館文庫)

著者 : 西加奈子
  • 小学館 (2008年3月11日発売)
3.74
  • (706)
  • (855)
  • (795)
  • (224)
  • (48)
  • 本棚登録 :7118
  • レビュー :948
  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094082517

作品紹介・あらすじ

夫の名は武辜歩、妻の名は妻利愛子。お互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合う都会の若夫婦が、田舎にやってきたところから物語は始まる。背中に大きな鳥のタトゥーがある売れない小説家のムコは、周囲の生き物(犬、蜘蛛、鳥、花、木など)の声が聞こえてしまう過剰なエネルギーに溢れた明るいツマをやさしく見守っていた。夏から始まった二人の話は、ゆっくりと進んでいくが、ある冬の日、ムコはツマを残して東京へと向かう。それは、背中の大きな鳥に纏わるある出来事に導かれてのものだった-。

きいろいゾウ (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 伝説のスピーチライター久美さんが、
                    ↑
    (『本日はお日柄も良く』  原田マハ 著より。)

    結婚式で披露した、あのスピーチの中での言葉が
    読後、
    脳内でぐぁん、ぐぁ~~んと響き渡った。

    「愛せよ。それだけが人生のなかでたったひとつの良い事である。」
     (記憶内からの再生なので、正確ではないです。)

    その通り…
    その通り…

    本当にその通りだよ。

    どんっ、どどんっ、と連続で打ちあがる美しい花火に目も心も奪われてしまったかの様に、
    最後のページをいつまでも開いたまま、
    私はそれ以外の言葉を
    ひとつも捜せなくなっていた。

    それまで都会にいたムコさんツマさん(←呼び名カワイイ♪)の二人
    が、田舎暮らしをスタートさせる所からページは捲られる。

    まるで、絵本を眺めてるように、鮮やかな色彩が目に眩しい、
    そのわけは
    物語をきいろいぞうや美しい鳥が、飛び回っていること、
    ツマにも、
    ムコさんにも
    実はいろいろ秘密があるのだが、
    色、が光のなかにしか存在しないように、
    形を変えたある『光』が、
    物語内に常に満ちていること、

    そのせいかな、と思った。

    シンプルだけど、
    両者の間に愛があるか?

    それがあるか、ないか、によって、全てのことは
    良い、良くないにわけられるような気さえしてしまった。

    リサイクルコーナーにて、なんとなく手にした本ではあったが、
    最高に良い本に出会えたな~と、愛ある偶然の出会いにも感謝である♪

  • 大好きな本になった。私至上小説ナンバーワンに躍り出たかも。
    世界観がとても綺麗で美しい。音とか、匂いとか、色とか、感情とか、すべてのモノが大事にされてて、確かに伝わってくるようなかんじ。
    そして登場人物の一人ひとりが、最高に良い!誰一人として欠かせない。大地くん、将来大物だな。アレチさんも好き。
    好きなシーンがいっぱいある。つよしよわし公演のときムコがツマへの歌を歌うとこ。大地くんからの手紙。荒れ狂った雨の中アレチさんとツマが大声で泣くとこ。ムコが昔の恋人の家を出てツマを愛しているとしか考えられなかったとこ。数え切れない!映画はまだ見てないけど、映像がはっきりと見えた。
    大地くんみたいに、ドッジボールの内野の一番前で、強いボールを目をつむらないでしっかりと受け止めるような、大人でありたいです。

    今ここにあるものが、必要なものなんだな。

  • ファンタジー。
    不思議ちゃん感がなかなか共感できないけど、いい話でした。
    色んな感想読むと、こんな夫婦に憧れるってのが多いけど、なんつーか…、かたちは違うかも知れないけど、こんな夫婦たくさんいるよ。って思いました。

  • 売れているというだけで敬遠していたが、読んでよかった。
    変わった不思議ちゃん夫婦の愛とかそんな感じの話なんだろ(笑)、と思ってたら、変わった不思議ちゃん夫婦の愛とかそんな感じの話(泣)だった。
    最後のページぐっときた。むこさんの歌も泣ける…
    ツマ、かわいいんだが、変り者で天然で純真で誰かが守ってやらねば!みたいな人に個人的に嫉妬してイラついてしまうので若干きつい。
    周りの人たちが最高。大地君かっこよすぎ。

  • 読んで、あー、自然体でいたいな!って思った。楽しくて嬉しい時だけじゃなくて、悲しいとか痛いとか、そういうマイナスなことにも、もっと素直になりたいな。それを誰かに押し付けるんじゃなくて、ただ素直に表せたらいいな。それが恥ずかしいことじゃないって思えたら、きっともっと楽になるし、楽しいことをもっと楽しいって思えるんだろうな。大人になるってなにか、生きていくことってどういうことか、優しいペースに巻き込まれながら考えさせられた一冊でした。

  • 黒から白を行ったり来たりする話。
    「愛してる」という言葉についての考察。
    灰色でもなく、黒でもなく、白でもない、そんな人間の感情や人間同士の関係を描くのに長けている小説家だと思う。
    自分でも分からない、そこはかとない思いを登場人物の中のもう一人の自分が話し続ける。それぞれの人間が今がなぜそうなのか、丁寧に描く。そこにいるから、安心して眠れる。そんな相手を私も見つけたい。そんな小説でした。

  • p.405
    「僕はそれがそこにあることを、知っているから。
    それがそこにあることを、もう随分前から、知っていたから。」


    夫婦には、いろいろある。
    いろいろあるからこそ、夫婦なのだ。

    だけど、きっと、1番大切なのは「ツマを愛している」(p.425)ということ。

  • 宮崎県が、舞台かな。
    海に近いのどかな田舎町で二人の夫婦と近隣の親切な人達の物語。
    前半の夏の出来事のほうがのんびりしていて好きでした。
    大地君とツマの淡い恋。ラブレターのやり取りが個人的には好きです。
    年齢は離れていて、相手は結婚してるけど好きになっていく。とても素敵な関係。純粋に相手が人として好き、とてもかわいい好きです。という感じ。
    二人のラブレターは素敵でドキドキして微笑ましい。
    「あなたが、人より早く歳を取る魔法にかかればいいのに。」かわいい台詞。

    後半は、少し重く日記をツマが読んでいたのか謎です。
    グッナイベイビーと月の存在も好きでした。

    • 9nanokaさん
      ほんとに可愛いセリフですね。これだけで2人の関係が伺えるような素敵なセリフです。
      ラブレターいいですよね。心がこもる感じがします。
      ところで、本当に宮崎が舞台なんでしょうか笑(^^)
      グッナイベイビーと共に、とても気になります!
      2014/09/28
  • 去年映画を見て、すごく好きな作品だなぁと思ったので原作も読んでみた。
    実に小説に忠実に映画化されていたんだということがわかった。

    毎日をゆっくりと、丁寧に、濃密に暮らしていく二人の姿はとても好感が持てて、「ああ、私はこういう生活をしたいんだよなあ。」と、何度も思う。

    とてもセンシティブなツマに対して、必要なときに必要な言葉をかけることができるムコさんは、とても大人だと思えるのだけれど、ムコさんはムコさんでツマの存在に支えられていて、ツマの不在を想像しては不安を感じていたりして。

    映画を見たとき泣いてしまった理由。
    泣ける映画というわけではないのに。周りの誰も泣いていなかったのに。
    本を読んでいて、やっぱり泣きそうになる。
    ずっと、ざわざわした心持ちで読み進める。
    そして気づく。

    私はこの作品が、手のかかるやっかいなツマが、不器用で臆病なムコさんが、アレチさんが、セイカさんが、大地君が、駒井さん夫婦が、平木直子が、カンユさんが、コソクが、その世界全部が、愛おしかったんだ。
    とてもとても愛おしくって涙が出たんだ。

    なぜ一緒に生きるのか。
    互いを大切に思いあうって、どういうことなのか。
    既婚暦のそこそこ長い私にも、まだそれをはっきりと言葉にすることはできないけれど、素直にそれを体現している二人の姿を見ていることは、私にも幸いなことだった。

    早く大人になりたいけれど、ちゃんと子どもをやってから大人になると言った大地君。

    そう。効率じゃない。
    ちゃんとやっているかが大事。
    ゆっくりと、丁寧に、濃密に。

  • 私はまだ結婚していないから、夫婦のことはわからないけど、夫婦っていいなぁと思いました。
    毎日に必要なもの、それが何かが大事なんだと思う。

    あとは、大人になるってなんだろう?と考えさせられた。 大人になってもこどもを見せられるのが、ツマとムコなのかな。
    誰でも、大人と子どもを持ってるもんなのかな。大事な人の子どもの部分をもっと愛したいなぁ、としみじみ思いました。

全948件中 1 - 10件を表示

きいろいゾウ (小学館文庫)のその他の作品

きいろいゾウ 単行本 きいろいゾウ 西加奈子

西加奈子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
湊 かなえ
西 加奈子
西 加奈子
西 加奈子
有効な右矢印 無効な右矢印

きいろいゾウ (小学館文庫)に関連するまとめ

きいろいゾウ (小学館文庫)に関連するサイト

きいろいゾウ (小学館文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする