きいろいゾウ (小学館文庫)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 7732
レビュー : 1004
  • Amazon.co.jp ・本 (488ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094082517

作品紹介・あらすじ

夫の名は武辜歩、妻の名は妻利愛子。お互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合う都会の若夫婦が、田舎にやってきたところから物語は始まる。背中に大きな鳥のタトゥーがある売れない小説家のムコは、周囲の生き物(犬、蜘蛛、鳥、花、木など)の声が聞こえてしまう過剰なエネルギーに溢れた明るいツマをやさしく見守っていた。夏から始まった二人の話は、ゆっくりと進んでいくが、ある冬の日、ムコはツマを残して東京へと向かう。それは、背中の大きな鳥に纏わるある出来事に導かれてのものだった-。

感想・レビュー・書評

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  • 伝説のスピーチライター久美さんが、
                    ↑
    (『本日はお日柄も良く』  原田マハ 著より。)

    結婚式で披露した、あのスピーチの中での言葉が
    読後、
    脳内でぐぁん、ぐぁ~~んと響き渡った。

    「愛せよ。それだけが人生のなかでたったひとつの良い事である。」
     (記憶内からの再生なので、正確ではないです。)

    その通り…
    その通り…

    本当にその通りだよ。

    どんっ、どどんっ、と連続で打ちあがる美しい花火に目も心も奪われてしまったかの様に、
    最後のページをいつまでも開いたまま、
    私はそれ以外の言葉を
    ひとつも捜せなくなっていた。

    それまで都会にいたムコさんツマさん(←呼び名カワイイ♪)の二人
    が、田舎暮らしをスタートさせる所からページは捲られる。

    まるで、絵本を眺めてるように、鮮やかな色彩が目に眩しい、
    そのわけは
    物語をきいろいぞうや美しい鳥が、飛び回っていること、
    ツマにも、
    ムコさんにも
    実はいろいろ秘密があるのだが、
    色、が光のなかにしか存在しないように、
    形を変えたある『光』が、
    物語内に常に満ちていること、

    そのせいかな、と思った。

    シンプルだけど、
    両者の間に愛があるか?

    それがあるか、ないか、によって、全てのことは
    良い、良くないにわけられるような気さえしてしまった。

    リサイクルコーナーにて、なんとなく手にした本ではあったが、
    最高に良い本に出会えたな~と、愛ある偶然の出会いにも感謝である♪

  • 大好きな本になった。私至上小説ナンバーワンに躍り出たかも。
    世界観がとても綺麗で美しい。音とか、匂いとか、色とか、感情とか、すべてのモノが大事にされてて、確かに伝わってくるようなかんじ。
    そして登場人物の一人ひとりが、最高に良い!誰一人として欠かせない。大地くん、将来大物だな。アレチさんも好き。
    好きなシーンがいっぱいある。つよしよわし公演のときムコがツマへの歌を歌うとこ。大地くんからの手紙。荒れ狂った雨の中アレチさんとツマが大声で泣くとこ。ムコが昔の恋人の家を出てツマを愛しているとしか考えられなかったとこ。数え切れない!映画はまだ見てないけど、映像がはっきりと見えた。
    大地くんみたいに、ドッジボールの内野の一番前で、強いボールを目をつむらないでしっかりと受け止めるような、大人でありたいです。

    今ここにあるものが、必要なものなんだな。

  • やっぱり西加奈子が大好きだ。
    恐ろしいほどに繊細な主人公たちの不器用であまりにも深い愛が行間から溢れてはみ出ていた。繊細でいることは時に穏やかに生きることを邪魔する。社会人2年目の私は、この醜さの溢れる社会での生きにくさは、すべて私の心の弱さのせいだと自分を責めてばかりいた。でも、西加奈子の本を読んでいると、この心の弱さはすなわち繊細さであり、きめの細かく感度の著しく高い証拠であり、むしろそれは強さなのだと思える。そして、もっともっとこの弱さととことん向き合いたくなる。なーんて深夜テンションで書いてみた。これは単なる公開ぼやきだな。

  • 田舎に住む夫婦ムコさんとツマ。裸足の少女のような無垢で純粋なツマ、それを優しく包む小説家のムコさん。そんな2人のささやかな日常。
    いろんな愛があって、儚くて切なくて温かい小説でした。

  • 西加奈子の良さがつらつらと表現されていた。ゆるいけど、ずっしりくる感じ。まったりな展開が癒された。登場人物それぞれにスポットライトを当てている優しさも西さんのあったかい人間性がにじみ出ていた。ムコとツマみたいに夫婦の距離感で悩むことは誰にでもあることだと思う。自分が結婚したときにまた読み返して、気持ちを整理したいなーと思う作品でした。

  • なんとなく聞いたことのあるタイトルだったから手に取った一冊。そのタイトルと背表紙の要旨から「ツマ」と「ムコさん」のゆるふわ系の恋愛ものかなあと思って読み始めた。読み始めは予想通りゆるゆるな感じで文面もすごく優しいなあと思っていたけど、大地くん出てくるあたりから人の内面に踏み込むような、読んでいて感情が揺さぶられるような感覚があった。実際、大地くんの感覚を自分も感じたことがあって(大地くんほどできた子どもじゃなかったけど)、なんならまだ人生の恥ずかしさみたいなものには悩むこともあって、でもやっぱり素直に正直に生きていかないとなあと思う。そのあとの「ムコさん」の昔の恋人やきいろいゾウの話も深いエピソードがたくさんあって、著者の言いたかったことはこれだ!となにかひとつに絞ることはできないけど、読み終えて読んで良かったなあと思える一冊だった。
    また、風景や人の動作を表す表現はまさに秀逸で読んでいてなじみやすかったし、なんでこんな表現を思いつくんだろうと不思議に思いながら読んだ。誰のセリフでも二回三回と言葉を繰り返すのが印象的で心にぐっときた。

  • 宮崎あおい感がする。ちょっとのんびりしてるのがのほほんとしすぎていて不安になってくる。

  • 夫の名は無辜歩、妻の名は妻利愛子。
    お互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合う都会の若い夫婦が、田舎にやってきたところから物語が始まる。
    背中に大きな鳥のタトゥーがある売れない小説家のムコは、周囲の生き物(犬、蜘蛛、鳥、花、木など)の声が聞こえてしまう過剰なエネルギーに溢れた明るい妻を優しく見守っていた。
    夏から始まった2人の話は。

  • すてきなフウフだ。こんなふうになりたいと思った。ツマはしあわせものだ。

  • 田舎暮らしをする夫婦のお話。
    いきなり風呂場でカニのアイツが茹で上がっているところから始まる。アイツ、カンユさん、コソク、メガデスなどなど、独特な呼び名がたくさん登場して、夫婦の名前がそれぞれムコさんとツマというのもまた面白い。ムコさんは小説家、ツマは不思議な感覚を持った女性、ちょっと足りない女の子のような雰囲気もある(言葉は悪いけど)。合間に挿し込まれる絵本「きいろいゾウ」の物語と相まって不思議な雰囲気のお話で、最後の方はファンタジーっぽくもなってびっくりするのだけど、なぜか引き込まれた。西さんがよく使う「いう」を「ゆう」とする表記も、普通だったらあんまり好きじゃないんだけど…なぜだろう。

    映画化されているという情報だけは知っていて、ムコさんはもう絶対、井浦新!じゃなきゃイヤ!というくらい井浦新で想像していた。映画は観ていないので実際のキャストのかたが悪いとは言わないけど、やっぱり井浦新で観てみたい!!ちなみにツマは作者の西さんで想像してました(笑)。なので映画を観る気にはなれないのだけど、濱田龍臣くんの大地くんはとっても観てみたいので迷っています…。大地くんをめぐって洋子と張り合うツマさんの大人げない感覚が、わかっちゃいけないんだろうけど、わかる気がするので。

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著者プロフィール

西加奈子(にし かなこ)
1977年、イランのテヘラン生まれ。エジプトのカイロ、大阪府堺市で育つ。関西大学法学部卒業。雑誌「ぴあ」のライターを経て、2004年『あおい』でデビュー。
2007年『通天閣』で織田作之助賞大賞、2011年咲くやこの花賞、2013年『ふくわらい』で第1回河合隼雄物語賞、2015年『サラバ!』で第152回直木三十五賞を受賞。
その他代表作として、宮崎あおい・向井理出演で映画化された絵本『きいろいゾウ』、同じく映画化された『円卓』、20万部を超えるベストセラー『さくら』、本屋大賞ノミネート作『i』など。2020年初夏、『さくら』が映画化決定。プロレス好きとして知られる。お気に入りの本は『アントニオ猪木詩集』。

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