日本沈没 第二部〔小学館文庫〕 (上) (小学館文庫 こ 11-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094082746

作品紹介・あらすじ

海底に眠る「日本」の遺跡が慰霊祭で映し出される。日本列島が海の底に沈んでから二十五年がすぎていた-。国土を失った日本人は、パプアニューギニアやカザフスタンなど世界各地に入植していたが、現地の人々との軋轢もまた厳然と存在していた。一方、中田首相を中心とした日本政府の研究グループは国の復興のために、あるプロジェクトを密かに進めていた。旧日本海上に広大な人工島を建造する計画-だがそれは中国や北朝鮮など、周辺国との利害対立を生むものだった。四〇〇万部ベストセラーの刊行から三十三年の時を経て、ついに描かれた衝撃の続編。

感想・レビュー・書評

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  • 1 本書は、小松左京氏の「日本沈没」の続編です。日本沈没では、日本列島が四国を皮切りに次々と海底に沈みます。犠牲者は、2,000~3,000万人で、約8,000万人が国外に脱出し、世界各地へと散りばりました。ここから第二部が始まります。
    この第二部上は、日本が滅亡した後に、生き残った人達が流浪の民となって各地で生き延びようとする物語です。
    2 本書で、気になった箇所を、意見を加えて、2点書きます。
    (1)パブアニューギニアでは、日本人は順調に暮らします。しかし、「この国の住民と日本人入植者の格差は大きくなっていくばかりです。日本人ばかりが豊かになって、パブアニューギニア人の恨みを買うことになりかねない」という記述です。 ⇒ 島国育ちで、世界をあまり経験していない日本人のエゴが露見したのでしょうか。私の偏見かもしれません。
    (2)カザフスタンでも、「日本人は憎悪の対象になります。買い占めた食料を相場の10倍以上の値段で売りつけた日本人がいたらしく、現地住民の怒りを買い、日本人に対する襲撃が相次ぎます。 ⇒ 日本人の勤勉さと集団主義(よそ者排除)が悪い方に作用したのでしょう。
    3 感想まとめです。
    (1)作中で、首相は「日本の復興は残された者の義務」と思い、各地に散らばっていた日本人を集結させたいと考えます。しかし、各地では、日本人の醜態もみられます。確かに、日本は島国単一民族で、教育水準の高さと集団主義などを武器にして、目覚ましい経済発展を遂げました。反面、行き過ぎもあり、反感を買ったのも事実です。バランス感覚の欠如と言わざるを得ません。
    (2)国土を失った日本が遊民となって、どのように生きていけばよいのか、難しい問題です。言える事は、他国で生活するには、共存共栄の精神が必要です。自身の利益に固執するだけでは、良い結果は得られません。グラーバル化が進行する今こそ、考え続けなければならない重いテーマです。

    • ヘブンリーサイコさん
      どんな話か気になります!今度読んでみます
      どんな話か気になります!今度読んでみます
      2021/08/17
    • ダイちゃんさん
      ヘブンリーサイコさん、今晩は。ダイちゃんと言います。いいね!サイン、ありがとうございます。私事です。今年、愛犬が永眠しました。これを機に、ブ...
      ヘブンリーサイコさん、今晩は。ダイちゃんと言います。いいね!サイン、ありがとうございます。私事です。今年、愛犬が永眠しました。これを機に、ブクログ始めました。若い時(取分け、学生時代)に読んだ本の中には、特別な想いがあります。宝物です。サイコさんも、宝物を見つけて下さい。
      2021/08/17
  • 日本沈没から25年後、国土を失った日本人は世界各地に入植したが、現地住民とのトラブルも絶えず発生していた…そんな中、中田首相は旧日本海上に人工島の建造を計画する…。感想としては、前作から33年後の本作、前作の方が手に汗握る展開なのにくらべ、今作は内容としては重い内容だけれど落ち着いているのような…そんな印象を持ちました!下巻もこれから読んでみます。

  • 下巻で!

  • おや?これ、日本沈没だよね?
    なんか、一気にハードボイルド感が増してきているような…

    続き読まなきゃ´д` ;

  • 前作から33年も経ており、いつ出るんだろうずっと思っていて諦めていたら、いつの間にか出てた。あの「異変」の後、日本列島は完全に消滅、日本人は世界各地で彷徨い、ばらばらになりながらもそれぞれの道を模索している。各地に入植して、各地の人々との軋轢を超えながら逞しく生き抜く人々。
    海外に住んでいることもあり、妙に共感や現実感を持って読めた。日本人の有り方や、方向性を色々と考えさせてくれる。

  • 小説としては、小松左京特有のペダントリーがないので第一部より読みやすいかな。第一部の登場人物も出てきます。

  • 国とか民族とか文化とか、そういうものの定義を考えさせられた。
    第一部に出てきた人たちのその後も読めてよかった。

  • 珍しく、途中で飽きた。

  • 日本列島が沈没してから25年。
    各地に移植した日本人は普通にやっていても「ゆっくり・適当・のんびり」の他国人よりもできてしまい、アイデアもあることからかつてのユダヤ人のように現地人とトラブルに。

    他国に拠点を置く日本政府は、ある程度安定してきたかつての日本の領土が沈む海上にフロート式の人工島を計画。
    しかし、竹島には韓国に代わって中国が暗躍していた。
    韓国と中国は昔から国際法を無視するので、ある意味案の定ってことみたい。

    昔から中国と朝鮮は変わらないのね。
    旧ソ連であるロシアも同じ。

    しかし、日本には各地に原発があったわけで、日本が沈没した1970年代にはどれも稼働していただろうし、汚染はどうなっているんだろう?
    その点はよくわからない。

    とりあえず昔の登場人物たちも出てくるようだから、下巻に進んでみよう。

  • 時間の無駄 ひどすぎる

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著者プロフィール

昭和6年(1931年)大阪生まれ。旧制神戸一中、三校、京大イタリア文学卒業。経済誌『アトム』記者、ラジオ大阪「いとしこいしの新聞展望」台本書きなどをしながら、1961年〈SFマガジン〉主催の第一回空想科学小説コンテストで「地には平和」が選外努力賞受賞。以後SF作家となり、1973年発表の『日本沈没』は空前のベストセラーとなる。70年万博など幅広く活躍。

「2019年 『小松左京全集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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