- Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094082845
作品紹介・あらすじ
「こりゃ誤植だ。旅のお手伝いじゃなくて"安らかな旅立ちのお手伝い"だから、うちは」小林大悟が求人広告を手にNKエージェントを訪れると、社長の佐々木から思いもよらない業務内容を告げられた。NKは「納棺」-遺体を棺に納める仕事を、大悟は妻の美香に打ち明けられなかった。戸惑いながらも働きはじめた大悟は、佐々木の納棺師としての真摯な姿勢を目の当たりにする。さまざまな境遇の死や別れと向き合ううちに、この職業への矜持が大悟の心に芽生えていくのだが…。人の生と死をユーモアと感動で描き、笑って泣いたあとには大きな愛が胸に届く物語。
感想・レビュー・書評
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映画良いよとすすめられて先に本を目にしたので読んでみました。
おくりびと、人の最後に向き合う仕事。
初対面の人の旅立ちのお手伝い。
その人の死から生を知り人は何を思うのか。
生きている人からだけではなく亡くなった人からも人は学び縁が生まれる。
この仕事でなければ知り得ない事なんだろう。
映画も機会があれば。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「ノベライズ」というジャンルがあることを知ったのは『おくりびと』を読んでからです。
映画の小説化ということらしいのですが、書き手がその映画をどう受け取ったかで
表現も変わってくるのでしょうね。
189ページという短さもあってか、この本は実にすんなりと心に入り、温かい余韻を残してくれました。
映画の方は本年度アカデミー外国語映画賞部門でのノミネートが決定したとかで沸いています。
毎回ノミネートされるたびに、今度こそ受賞かと予想してははずれ、と言う繰り返しでしたが、今回は「ひょっとして」と私までが思っています。
「おくりびと」では、ご遺体を棺に納める納棺師の仕事が登場します。
近親者の死という経験でもないと、納棺の儀式そのものも馴染みがないかもしれませんね。
親の死に際し納棺の儀式を間近で見ていた私は、亡きがらに丁寧に合掌して、大切な宝物のように扱ってくれることに秘かに感動したことがあります。
話の主人公は、元はオーケストラのチェロ奏者。
解散してから失業し、郷里の山形に帰ります。
なかなか仕事が見つからず、ある日「旅のお手伝い」という求人広告を目にして面接を受けに行きます。
旅行業かと思って行ったら大きな間違いで、「安らかな旅立ちのお手伝い」の仕事でした。
厚遇につられて引き受けたものの、ご遺体は綺麗なものばかりではありません。
まして、仕事に対する世間一般の偏見に打ちのめされることばかり。
妻までが大反対して家出してしまいます。
しかし、彼はやめませんでした。
何故なら、そこで出会い、見聞きすることが、彼の心を少しずつほぐし、和らげ、目覚めていくきっかけになっていったからです。
そして、それはやがて周りのひとさえも変えていきます。。
納棺師、という主役のユニークさ。
そして、主人公が癒され、周囲の人も癒していくというストーリーは、アカデミーのノミネート作品としては稀ではないでしょうか。
また、外国の作品と言うのは、その国の社会背景を知らないと分かりにくい部分があるのですが、この作品にはその違和感がないように思います。
23日の発表を観ることは出来ませんが、たとえ賞を逃したとしても、この作品がノミネートされたということが嬉しいですね。
アカデミーの晩餐会のテーマは「アジア」だそうで、各テーブルの上には「盆栽」が飾られるそうですよ。 -
映画でみたことあったけど久しぶりやし小説で見つけたから読んでみようと思って借りた。映画をノベライズしたやつらしい。すごい読みやすくすぐ読み終わったけど満足感そんななくて物足りん感じやった。小説読み終わった後の満足感じゃなくて、やっぱり映画をノベライズしたやつやからこんな感じになってしまったのかなって思った。けど最後のとこはちょっと感動した。元気なうちに人の死を経験することで生かされていることに気づきより充実した人生を送れるようになる。
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映画のノベライズ本。
映画は見ていないけど、なかなか味わい深い作品だった。
美香さんがいつも明るくて笑顔で、でも人間らしい悪の面もあって(遺体を納めるのを汚らわしいと言うあたり)、すごく魅力的。人間くさいとこが良い。 -
安らかな旅立ちのお手伝い、納棺師のお話。人の死を扱う仕事は本当に尊くて大切な仕事であると感じた。物語を読むと、現代ではまだ差別されがちな職業かも、と感じるが理解が深まればいいなと思った。
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薦められて読んだ本。
死というものは非日常であって、日常的に死と向き合うことはない。
誰もが迎える終わり方までも、美しく、優しくと考えられる人はすごいと思う。 -
映画のノベライズということなので、映画に沿って書かれていると思う。映像で見たシーンや俳優さんたちがどんどん思い出されて、また映画が見たくなった。
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久々に、涙が溢れた作品。
ノベライズなので、非常に軽い。
もっと納棺師という職業に迫ってほしかったし、人物の背景にも深みが欲しかった。 -
物語の内容は感動的だけど、小説の表現はいまいち。でも映画は見たくなったな。
死と向き合うことで、生をより強く思う、ありふれたテーマかも知れないが、涙をさそうストーリーでした。 -
基本的にノベライズは読まないのですが、映画が素晴らしかったのでつい手に取ってしまいました。
やはり質は落ちますが、シーン回想しながら読んでいます。