小説イキガミ (小学館文庫 も 3-5)

  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094082944

感想・レビュー・書評

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  • 残り1日しか人生が残されていないとしたら、どう過ごすのが『最良』なのだろう?当然、人の数だけその答えはあるわけだが、そこにたどり着かない(着けない)人がどれ程いることか。

    人間って何なのだろう。

  • 20191107読了 設定に無理があるんじゃない?何十年にもわたって運用されてきた法律にしては、″普通さ”が感じられない。読者側から見てるので、単なる「作りもの」になってる。

  • 面白い設定がかなり!1000分の1の確率で死ぬ予防接種を小学一年生になったら注射される日本の子供。

    10数年後に誰かが命を落とす。

    そんな危機感を感じながら生きると、全て上手く行くと考えた政府。少子化も改善され、自殺も減少、皆いつか死ぬかもしれないと思いながら生きることで経済も活性化。そんなものすごい話。

    で、実際、選ばれた人のストーリーがこれ。

    ただ、なんか深みに欠けるなぁ、せっかく面白いのになぁ。と、おもったらどうやら原作は違うとこにあって、映画のために書き下ろしたやつらしい。どーりで、なんか小説より面白くなかったなーっていう映画見た後の感じに近い読後感。

    小説は心の機微を文字にできるけど、映画は役者の演技と見る人の感性で嗅ぎとしかないから、空白になっちゃうんだよね、それがそのまま本に落とし込まれてるから、微妙な主人公の心の変化とか、選ばれた人の気持ちの深さの表現が本で読むとかなり浅め。

    原作は漫画なのかな?なんかせっかく面白いからもったいない一冊。

  • 国繁がなくなるところまでを 私は追いたい。

    人の生き死にこそ 自由でなければならない。
    本人が望んでもいない死を ある日突然
    もたらすものを私たちは

    病気 事故 殺人 戦争

    などと呼び 忌み嫌ってきたのではないか。

    人から無理矢理に与えられる死に
    美しいドラマなどあってはならない。

  • [内容]
    多くの人間を生かし国を繁栄させるため、選ばれた人間をあの世に逝かす法律「国家繁栄維持法」。死亡予告証「逝紙(イキガミ)」が届けられるのは死亡予定時刻の24時間前。残りのわずか1日を人はどう生きるのか!?
    高校時代のいじめが原因で人間不信になった「鴨井洋介」。インディーズ時代の相方を残し、自分だけメジャーデビューを控えた「田辺翼」。政治家の母親を持つニート「滝沢直樹」。両親を亡くし全盲の妹さくらをひとり支えるチンピラ「飯塚さとし」。イキガミ配達人藤本と死亡予定者4名の、魂揺さぶるオムニバスストーリー!

    --
    読みやすいし、設定が面白い。
    けどこれ原作ってあるのかな?
    それぞれの視点で、それぞれの物語が展開していく。
    どれもそれぞれの想いがあって、それを背負って、限られた時間の中で奔走する。
    イキガミ配達人を自分がやっていたら、いろんな人に干渉しすぎて疲れそうだなあ。

  • 重いテーマの割に軽いタッチで読みやすい。一気に読めるが、内容的に少し物足りない。今後の展開が気になるがそれには全く触れられていない。

  • 内容紹介
    映画「イキガミ」公開記念企画!

     多くの人間を生かし国を繁栄させるため、選ばれた人間をあの世に逝かす法律「国家繁栄維持法」。死亡予告証「逝紙(イキガミ)」が届けられるのは死亡予定時刻の24時間前。残りのわずか1日を人はどう生きるのか!?  高校時代のいじめが原因で人間不信になった「鴨井洋介」。インディーズ時代の相方を残し、自分だけメジャーデビューを控えた「田辺翼」。政治家の母親を持つニート「滝沢直樹」。両親を亡くし全盲の妹さくらをひとり支えるチンピラ「飯塚さとし」。イキガミ配達人藤本と死亡予定者4名の、魂揺さぶるオムニバスストーリー!
    内容(「BOOK」データベースより)
    多くの人間を生かし国を繁栄させるため、選ばれた人間をあの世に逝かす法律「国家繁栄維持法」。死亡予告証「逝紙(イキガミ)」が届けられるのは死亡予定時刻の二十四時間前。残りのわずか一日を、人はどう生きるのか!?高校時代のいじめが原因で人間不信になった「鴨井洋介」。路上ミュージシャン時代の相方を残し、自分だけメジャーデビューを控えた「田辺翼」。政治家の母親を持つニート「滝沢直樹」。両親を亡くし全盲の妹さくらをひとり支えるチンピラ「飯塚さとし」。イキガミ配達人藤本と死亡予定者四名の、魂揺さぶるオムニバスストーリー。

  • 国家繁栄維持法、通称「国繁」。
    国民に対し死の恐怖を植えつける事により『生命の価値』を再認識させる事を目的とした法律。

    この法律に基づき、小学校に入学した児童に時限ナノカプセル入り予防接種を行う。
    時限ナノカプセルが入っているのは1000人に1人の割合で、該当者には18歳から24歳までの期間に死が訪れる。
    訪れた者には死の24時間前に「逝紙(イキガミ)」が通達される。

    イキガミの対象となった者は残された24時間で何を行うのだろうか。


    イキガミ配達員である藤本を主人公とした物語で、各章はイキガミの対象者へイキガミを渡す短編の様になっている。
    国家によって突きつけられる死によって国家の繁栄を謳う「国家繁栄維持法」という題材は非常に興味深い。
    自殺は暴行によって死ぬ者が増える昨今、本作の様なイキガミがあった場合、若者達はどう『生きる価値』について感じるだろう。

    この社会主義国家的な思想は国家繁栄の為には効果があるのかもしれないが、『一個人としての価値』は逆に薄くなってしまうのではないだろうか。
    お国の為に国繁で死ねるのは名誉な事である、というのは戦前の思想であり、個人に対するアイデンティティの否定とも取れる。

    しかし、こういう法律を施行せねば国家の反映・維持が見込めないというのは寂しい。
    国家によって突きつけられた法律によって維持されるのではなく、この作品を通じて国民が「死というモノ、生というモノ」に対しての問題意識を持ち、その問題を提起する事によって一個人が『生命の価値』を認識するのが理想ではないかと僕は思う。

    まぁ、それが机上の空論であり具体論や実現性には乏しいのかもしれないけど、そう感じる事や心に留めておく事が重要なんじゃないかな。

  • 伊坂幸太郎の「死神の~」に若干似てる。
    命とは何か、的な重いテーマを描ききっている。
    死んだ歌手の命も、果たしてあれでいいのかと思った。

  • これはすごく衝撃を受け,考えさせられた作品。人の命って?最後の兄と妹の物語は・・・ホロリです。

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著者プロフィール

作家・ライター。主な作品に『DOG SIGNAL ひよっこドッグトレーナーはじめます!』『世界はとつぜん変わってしまう? もし、「あたりまえ」の毎日が、ある日とつぜんうしなわれたら?をかんがえる本。』『レシピにたくした料理人の夢 難病で日を使えない少年』(すべて角川つばさ文庫)など。

「2023年 『日本植物学の父 牧野富太郎 「好き」を追い続けたぼくの話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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