絶対、最強の恋のうた〔小学館文庫〕 (小学館文庫 な 6-2)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094083194

作品紹介・あらすじ

恋はスタンプカードのようなものだ、と私は思う。キスをして、好きだと思って、何かをわかり合って、やさしい気持ちになって――。そんなことがある度に、私たちはスタンプを押す。いつまで続くのかな? 密やかな気分で私は思う。このカードはいつか、かけがえのない何かと交換できる。そんな日がきっとくる。その日まで、私たちは小さな声で歌うのだ。最強の恋のうたを歌うのだ――。
累計18万部突破のロングセラー「100回泣くこと」に続く、初恋青春小説の誕生。

感想・レビュー・書評

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  • 友達のおすすめ本
    落ち着いた男女の若さが漂う恋愛模様が描かれており、穏やかな気持ちになれる

    普段恋愛小説を読んでいて物語中の出来事を自分事として捉えることはあまり無いのだけど、この小説のヒロインの言葉には共感という意味で何度か心をじんわりと温められた
    きっと自分の中で何かが変化してるんだろうな
    日常の見過ごしそうな幸せを言語化してくれる本は定期的に吸収したいよね

    ✏大野君は最後に残っていた鴨肉を食べた。それは私が狙っていた肉だったけど、許してあげることにした。たとえ恋人同士でも、肉にキープなんかないのだ。

  • コロナ禍で本に不自由していた時、知人が借してくれた本シリーズ。
    中村航さん、おかげさまで2冊目。

    ボーイミーツガール、ガールミーツボーイ。
    中学、高校、浪人生とそれぞれのルートで成長したふたりが大学で出会って恋をする。
    それだけといえばそれだけの物語。
    全部で5つのパートの、前二つは男子の大野君視点、後二つは女子のミート君視点。
    そして最後のひとつは、大野君の友人・坂本君視点。


    若いふたりが主役の恋愛小説というと、ガーッと転がるように突っ走って、そこに何かしら試練があって…というイメージ。
    でも、このふたりには外からの障害はない。
    焦ったり背伸びしあったり駆け引きしたり、そういうものも、何もない。
    平凡なようでいて少し変わったふたりが、“恋を突き抜けて愛に至る”道々のストーリー。
    とんでもなく誠実で真摯。でも堅苦しくはなく、ふわっと柔らかくて、くすっと笑ってしまう。
    ぼうぼう燃え上がる恋愛小説より、下手なファンタジーより、ずっと気持ちがほぐれて心地よいかも。

    大野君とミート君は、きっとこれからも同じくらいの足どりで、かわりばんこに、丁寧にスタンプカードを埋めていくんだろうな。

    坂本君のパートは…必要だったのか?という気もするけれど、学生時代、恋愛についてはひたすら残念だった彼も、ようやくスタンプカードを埋め始めたのかな、とほほえましかった。


    皆さんのレビューで、どうやら木戸さんには他の作品でまた出会えそうだとわかった。再会が楽しみ。
    大野君たちの未来は、まぁ心配しなくて大丈夫な気がするので、坂本君の未来もなんとか最強になっていて欲しいなぁ。

  • 2014/12/30 読了1回目
    2020/05/22 読了2回目

    二人の視点からストーリーが描写されている。
    幸福感に満ちた付き合いたての二人が眩しい。
    にくめない坂本くんや破茶滅茶な木戸さんなど脇役がいい。

  • よかったなあ〜
    感情がこう激流みたいになってしまうから恋愛が個人的にも苦手なのだけど、このふたりは小川のせせらぎみたいに穏やかでやさしくてじわじわ恋愛してる感じがよかった

  • あーーーーこのカップルほんっとうに好き、、、好きな文章が沢山あった。あとでフレーズ登録しようと思ってたくさん写真撮った。その中でも彼女が好き。大好き。って実感してるのがすごい可愛くて共感して私もこうなりたいなって思う。

  • もどかしいね~。ゆっくりゆっくりな2人。
    そのもどかしさは決して嫌ではないし、本人たちも嫌がってるわけじゃなくて楽しんでさえいるみたいだからいいんだけど、ちょっとあり得ないくらいのゆっくりペースだ。

    「僕の好きな人が・・・」にも出てきた木戸さん。存在感あるな~。なんか気になる存在なんだよな。坂本くんの話が最後にあったけど、嬉しかったな。こういう感じで木戸さんのその後の話も知りたいな。っていうか、それを言ったら大野くんたちのその後も知りたいけど。

  • 「絶対、最強の恋のうた」というからには…もちろん木戸さんのギターが唸りを上げるんだろうと、そう思っていたらそんなことはなかったというのが残念でした。
    同著者の「僕の好きな人が、よく眠れますように」を先に読んでいたので、その中でもいい味を出していた木戸先輩の勇姿が見たくて購入したのですが…ギターこそ聴けなかったものの、相変わらず木戸さんは木戸さんでした。
    鍋をすれば肉ばかり食うし、突然よくわからないけど妙に説得力のあることを言うし、シーズナルスポーツプレイヤーには謎の対抗心を燃やすし…しかし、それが木戸さんの魅力なのだなぁと改めて実感。

  • 普段ミステリーとか、割と暗い話を読んでいるので、たまーに恋愛小説が読みたくなります。

    ただ、主人公(またはその恋人)が病に倒れて・・とか、そんな劇的な話は実はあんまり求めていなくて、ただただ淡々とした恋人同士の話を読みたいなと思うんです。

    そういう意味ではこの本はぴったりだったかな。

    朗らかな気分になりました。

  • 恋人同士にも一緒に過ごす時間と別々で過ごす時間の過ごし方や考え方、思いは違う。登場人物の経験することや考え方一つ一つが面白い。

  • とりたてて何が起きるわけではないのだが、誰かを愛し愛される事の幸福を思い出させてくれる1冊。
    彼と彼女それぞれの視点で描かれる大学生カップルの優しく穏やかな恋愛小説。お互いがお互いを思いやっていて理想的なカップル。この二人の続きが読みたくもある。
    そしてとにかく木戸さんがフリーダムでかっこいい。
    「大した敬意をもてないときこそ礼儀ってやつが便利だろ。」はなかなか名言だと思う。
    木戸さんをはじめ、加藤さん、門前さん、ユキのママ、稲葉など中村作品には印象的な脇役が多い。

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著者プロフィール

建築家。博士(建築学)。株式会社MOSAIC DESIGN代表。
1978年東京都生まれ。2002年日本大学理工学部建築学科(高宮眞介研究室)卒業、2005年早稲田大学大学院修士課程(古谷誠章研究室)修了。2008年同大学博士後期課程単位取得退学、助手・嘱託研究員を経て、2010年〜16年東京大学大学院隈研吾研究室助教。2011年東南アジアのストリートの屋台に関する研究で博士(建築学)取得。同年建築設計事務所MOSAIC DESIGN設立。明治大学I-AUD、早稲田大学、日本大学などで非常勤講師を務める。店舗・住宅・ホテル・商業施設・マーケットなど、屋台からアーバンデザインまで、何か楽しいことやりましょう!をキーワードに大小さまざまなプロジェクトに取り組んでいる。

「2023年 『POP URBANISM』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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