スペインの宇宙食 (小学館文庫)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094083781

作品紹介・あらすじ

二十一世紀のカリスマ音楽家=文筆家、菊地成孔の快進撃はここから始まった。うつろな美少女の微笑、リストカット縫合の痕、中年ストリッパーのあえぎ、喧嘩に負けた男の悲鳴、全裸での恋人とのダンス、元同級生との夜のドライヴ、ダンスフロアの戦争衝動…。妄想的な時代観察者による、音楽・料理・セックス・精神分析・暴力・戦争・映画・文学・ダンス・絶望そして希望の、華麗にして饒舌なアマルガム。ボーナス・トラックとして、単行本未収録作品「やっと体力が戻ったら、もう女の子の話や食べ物の話ばかり」「宝石求む」の二編を追加。

感想・レビュー・書評

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  • うーん。すごいよ、菊地さんは。。

    こんな文体は絶対誰にもできないでしょ。

    私にとってカルトです。

  • 「サカナとヤクザ」の銚子の話で引用されていた。そのときは、サカナからは遠いし、と手をつけなかったのだけれど、最近読んた平野紗季子さんの「生まれた時からアルデンテ」の中で再び見かけた。続

  • なんとなくクリスタルとノルウェーの森、歌舞伎町と神経症とフェティシュなあれこれをミキサーにかけてさらに少し不健康にしたような。菊地さんが描く景色や日常は自分が知覚している世界とはだいぶ異なるものの、表現や描写が緻密で分析的で文章にリズムやグルーヴがあるからなのか、そんな自分でも著者の視点をインストール&幻視できている気がする。

  • この本を読むにあたっては適齢期というものがあって、第1期目は15-16歳、んで第2期目は読んだ日から10年後の25-26歳頃、そして、最後の第3期目はジャスト35歳。これを定説としたい。個人的に。
    で、私は26歳より3年半ほど遅れ、いよいよ20代も終わりにさしかかろうという手前でこの本に巡り会いました。友達から借りて読んだのでした。

    内容についてですが、スペインの宇宙食について書いてある訳がありません。
    一言で言えば、菊地成孔(35)の青春雑記録。
    ムカつくくらい「育ち」の良い野郎だなぁという嫉妬は覚えるものの、文体といいそこから溢れ出るスピリットといい皮肉といい苦笑といいペダンティズムといい一字一句に至るまで私の大大大大大好きなやつ。愛おしいやつ。やれるもんならやってみたいやつ。悔しいなぁちきしょう。ああクソ! いいぞ赤シャツ! もっとやれー!

    おまけに、最後のページをめくり終わった時に読み切った達成感と幸福感と共に、
    「アッ、やっぱ私もこういう風に生きてモノ書いたらええんや!」
    という謎のカタルシスめいた読後感と感動に包まれる始末(かと言って、じゃあ著者の人生をまるごと追体験出来るVRあるとして君観たいかと訊かれたら真顔で「イヤです」って言うだろうけど)。

    という訳で、読み始めるなら15歳ですが、私の場合15歳で読まない方がよかったやつ。ちなみに、2003年の単行本初版の時点では私はジャスト15歳です。本屋で手に取んなくてよかったな! GJ15の私!

    収録されている文章の中では「78年〜81年に出た本が読みたい気分」の本紹介が最高。ついで、「『全米ビーフステーキ芸術連盟』ライナーノーツ」が好きです。

  • 「セッション」「la la land」と、大ヒットしたジャズ映画に超長文の辛辣な文章を寄せる菊地成孔。
    どんな本を書いているのかと気になって、手に取ったみた。
    「粋な夜電波」での流れるような口上に覚えがあったが、本を開けばまさしくこれは彼の文章であると確信した。

    一番最初の壮絶な幼少期の話が一番好き。

  • 美味しそうなんスペインの宇宙食がいろいろ紹介されてるんだと思って・・・
    ページをめくっても宇宙食が出てこない。

    あぁ、ミュージシャンのエッセイだったのね。
    最後まで読みきることできず!
    なんか、村上春樹の匂いを感じた。

  • 新宿歌舞伎町のコントめいた話やあっけらかんと性的雰囲気に身を任せるラジオを聴いて、
    面白い人だなぁと思ったので、読んでみた。

    読みながらDCPRGやスパンクハッピーの音楽も聞いたが……
    音楽面で好き! といえるのは、「Vendome,la sick KAISEKI」くらい。
    あの曲は歌詞も雰囲気も歌っている姿も、すべてが衝撃だった。
    (チャイナドレスの瞳ちゃんとスケベな中年親父のセクシュアルなデュエット。)

    さてこの本は、上機嫌と饒舌とビザールと悪趣味と趣味とグルメとファッションと人形のような女の子があふれた、優れたエッセイ集だ。

    決して文章が練られているわけではない。
    ともすれば講談調、ともすれば文意も伝わりづらい。
    しかしこの人、貯め込んだ知識と語彙力がすごいので、読ませる。
    なんでも楽しんでやろうという貪欲さが、いい塩梅に決まっているためだろう。

  • 日本で屈指のグルメな美文家ミュージシャン、菊地成孔さんの初エッセイ集。

    人生は官能と甘美というエッセンスが仕上げる悲しくも美しい一時の連なり、どこを読んでも芳しく濃艶なデギュスタシオンを召し上がれ。

  • 装飾の多い言葉遣いが新鮮。回りくどいと受け取るか人もいるだろうけれど、自分には生み出せない言葉の並びはふとした時に浴びたくなる。

  • ?????

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著者プロフィール

ジャズ・ミュージシャン/文筆業。

「2016年 『ロバート・グラスパーをきっかけに考える、“今ジャズ”の構造分析と批評(への批評)とディスクガイド(仮』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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