世界音痴〔文庫〕 (小学館文庫)

著者 :
  • 小学館
3.86
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本棚登録 : 2591
感想 : 229
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094084412

作品紹介・あらすじ

末期的日本国に生きる歌人、穂村弘。雪道で転びそうになった彼女の手を放してしまい、夜中にベッドの中で菓子パンやチョコレートバーをむさぼり食い、ネットで昔の恋人の名前を検索し、飲み会や社員旅行で緊張しつつ、青汁とサプリメントと自己啓発本で「素敵な人」を目指す日々。爆笑そして落涙の告白的エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 歌人、穂村弘の初のエッセイ集の文庫版。主に30代後半の頃の著者の日常を赤裸々にかつ自虐的に書いていて面白い。いくつかタイトルと概要だけ紹介したい。

    「回転寿司屋にて」。年間100回以上回転寿司屋に行っている!という著者の回転寿司屋に行く理由や、著者が回転寿司を眺めながら抱く奇妙な思いを描く。

    「一秒で、」。雪道で転びそうになった彼女の手を放してしまう。その後の、著者と彼女は・・・。

    「世界音痴」。飲み会を「自然に」楽しめない理由を綴る。これは個人的にかなり共感できる。

    「菓子パン地獄」。著者の推定では通算2300本以上菓子パンを食べているそうで、著者の独特な菓子パンの食べ方も書かれているが、俺はいまだかつてこんな食べ方をしたことがない。

    「点」。文字の書き順について書いている。図書館で著者が見かけたという女の子の「犬」を書くときの書き順に俺は驚きすぎて目の前がくらくらした。

    • 張飛さん
      5552、ブログを読んでくれたうえにコメントもくれてありがとう!

      5552も読んでたんだな!菓子パンの人(笑)ちなみに文庫版のあとがきでも...
      5552、ブログを読んでくれたうえにコメントもくれてありがとう!

      5552も読んでたんだな!菓子パンの人(笑)ちなみに文庫版のあとがきでもどんな菓子パンが好きか聞かれることがあると書いていた(笑)ちなみにオレンジパンとか塩あんぱんが好きらしい。

      秋葉四郎という歌人が「いい言葉は手帳にたくさん集めておきたい」と言っていたから、いいなと思った言葉や気になった出来事はスマホのメモに残しておこうと思ってる。

      タンポポがキク科というのも初めて知ったし、これからも花図鑑で調べて短歌にもいかしたいと思ってる!
      2023/11/26
    • ☆ベルガモット☆さん
      張飛さん、皆さんこんばんは!
      月末日曜日は張飛さんブログ更新が楽しみになりました♪
      私の歌まで紹介くださりありがとうございます!!!
      ...
      張飛さん、皆さんこんばんは!
      月末日曜日は張飛さんブログ更新が楽しみになりました♪
      私の歌まで紹介くださりありがとうございます!!!

      こちらの本を数年前に読んだのが穂村さんデビューでそれ以来ほむほむワールドにハマってます。(5552さんは20年以上前だなんて凄い!穂村さんファン歴先輩ですなっ)
      菓子パンは確かに衝撃出来でしたが、他の内容はすっかり忘れてしまっていたので、また読み直そうかと思いました。
      緑色したガチャピンを「ぶろっこりー」に見立てる幼子の様子について歌にするのは、皆さんもご指摘の通り凄いです!一緒に衝撃を味わうことができる体験は貴重ですね☆
      タンポポの短歌も楽しみです♪
      2023/11/26
    • 張飛さん
      ☆ベルガモット☆、ブログを読んでくれたうえにコメントもくれてありがとう!

      ブログ更新を楽しみにしてくれているなんて本当に嬉しいぜ!ブログを...
      ☆ベルガモット☆、ブログを読んでくれたうえにコメントもくれてありがとう!

      ブログ更新を楽しみにしてくれているなんて本当に嬉しいぜ!ブログを始めた甲斐があったよ!来年も月末日曜日の更新を継続して、みんなに楽しんでもらえるよう頑張りたい!

      ☆ベルガモット☆も読んでたんだな!やっぱりほむほむの文章は最高だよなあ。☆ベルガモット☆が紹介してた対談集も面白そうだから読んでみようと思ってる!

      俺の短歌を凄いと言ってくれてありがとう!嬉しいぜ!ブロッコリーの茎の薄緑の部分が、よく見るとガチャピンぽいのかなあ(笑)

      花の短歌はまだ、採用されたことがないけど最近作り始めているから掲載されるといいな、と思う!
      2023/11/26
  • 眼鏡が顔の一部と化しているタイプの男性は割と好きだ。
    父が眼鏡をかけているせいか、眼鏡男子には親近感がある。いざとなったら眼鏡をヒョイっと取り上げてしまえば勝てる気もするし。

    どこかズレた感性を持つ自身を自虐的に捉え、「世界音痴」と名付けるセンスは歌人として培われたものなのだろう。

    ベッドに寝転がり、胸の上で手を組み、チョコレートバーを咥えて過ごす穂村氏。腕を組んでいた恋人が雪に足を滑らせた時、咄嗟に手を離してしまう穂村氏。寝過ぎて頭を痛くして、バファリンを飲んでまた眠る穂村氏。

    嗚呼だめな人だ…これはなかなか結婚しない(執筆当時37歳、未婚)のも頷ける。と思っていたらいつの間にか(43歳で)結婚されていた。なんだか悔しい。

  • 読み始め…16.6.3
    読み終わり…16.6.14

    穂村弘さんのエッセイはじめて読んでみました。

    胸にどくん...とくる、このほろ苦さはなんなんだ。あれ....同じだ。。自分とまるで同じじゃないか....涙が一粒ぽろっとこぼれ落ちた。

    読んだ多くの人が、私も自分もと穂村さんに共感する世界音痴。私だけじゃなかったんだね世界音痴。

    みんな世界音痴なんだなぁ...。

    あ。でもでも
    ベッドで菓子パンは食べませんけれど。
    チョコレート・バーも加えません...(笑)

    P192~の「あとがき」よかったです。

    • 5552さん
      こんにちは、yumiie さん。

      いつもいいね!ぽちありがとうございます。

      yumiieさんもほむほむのエッセイを読んでらしたん...
      こんにちは、yumiie さん。

      いつもいいね!ぽちありがとうございます。

      yumiieさんもほむほむのエッセイを読んでらしたんですね!
      昔、ダヴィンチでこのエッセイが紹介されてて、気になって読んでみたんです。
      目から涙やら鱗やらがボロボロとこぼれ落ちました(笑)
      yumiieさんと同じで、私だけじゃなかったんだ~って。
      またタイトルが絶妙ですよね。
      自分の‘違和感’にはじめて名前をつけてくれた感じです。
      最近読まなくなったけど、ブクログの新刊案内などでほむほむの名前を見かけて、「おお、ちゃんと生きていて本出してくれている!」と嬉しく思います。
      また読んでみようかなーと思いました。

      だいぶ前のレビューにコメントつけてごめんなさい。

      それではお邪魔しました。




      2018/01/31
    • yumiieさん
      5552さんこんにちは♪いらっしゃいませ^^こちらこそいつもありがとうございます♪
      昨日はお月様を愛でておりまして、気が付いていたのですが...
      5552さんこんにちは♪いらっしゃいませ^^こちらこそいつもありがとうございます♪
      昨日はお月様を愛でておりまして、気が付いていたのですが早くにお返事ができませんでした。
      ごめんなさい。そしてありがとうございます♪^^

      そうなの! 私も穂村さんの本を読んだのはこちらが初めてで、もうびっくり!....というか
      ものすごく衝撃を受けてしまいました。まるで自分の小学生の頃みたいでね...。
      「世界音痴」の中の穂村さんがどんなだったかはもう忘れちゃっているけれど
      周りからちょっと浮いてる...というか、感覚がずれてるというか...
      私もそういう子でした。大人になった今なら、それも人の個性なのよ!と思えるのですけれど...。
      だから穂村さんの感性が滲み出ているエッセイには私、単純に笑うだけではいられないのです。
      穂村さん独特の感性が伺えるととても嬉しくなる♪
      「音痴」だなんてほんとね♪さすが歌を詠む人の素敵なセンスだと思います。
      それにもう一人、私は又吉直樹さんにもそれに似た個性をお持ちだと感じていたりします。

      私の音痴さ加減はこのレビューがしっかりと物語っていますね。
      あはは...お恥ずかしい.......(*ノωノ)
      2018/02/01
  • ユーモアと少しの哀しみをたたえて、他者とのズレや痛さを包み隠さず綴るエッセイ。可笑しい。


    飲み会や社交の場に出た時の心もとなさ。

    人のことより、体裁を瞬時に考えてしまった自分に自意識のカタマリだと思い恥じたとき。

    きっと人との関係を築いていくうえで答えは色々とシンプルなものだと思うのだけど、
    上手くやりたいのに上手くできないそんな時、ああ、わたしみんなができること何でできないんだろう、と途方に暮れちゃうことがある。

    自意識過剰すぎると疲れる。
    悲観的に考えすぎてばっかりいると肩が凝る。

    そんな時に穂村さんの本を思い出す。

    こんな気持ちを文章にしてくれて、ちょっと大げさかもしれないけれど
    救われた心地になりました。

  • 赤裸々なる暮らしぶりを公開したら、ふつう人間味が伝わってくるはずなんです。
    たとえば夏目漱石の、鼻毛を整然と原稿用紙に貼りつけて悦に入ってた逸話とか。
    癇癪おこして妻を怒鳴りつけたりしてたって話も、一つ。弱さや揺れに「人間らしさ」が透ける。
    天才の裏側に迫る!と看板掲げる番組や雑誌の狙いはたいていそこにある。
    天才の持ち主が相変わらず完全無欠に理解を超えた存在でしかないとき、人は不安になる。

    本書を開いて、猛然と読んで、閉じて、私は不安を催した。
    どうしてそういう気を起こすのか。どうしてそのことを延々と考えていられるのか。
    ベストセラー作家一流の筆で自身の挙動が詳しく記されているだけに、ブラックボックスと化した行動原理の闇が際立って迫ってくる。気のせいでなければ、穂村を取り巻く群像もまた不可測な振る舞いによく及ぶ。
    彼らの行動における、どうして、の答えを証す源流はいつだって不問に付される。その代わり、それを自明の前提として勝手に流暢に話題が進む。彼が寝床でチョコレートバーや菓子パンを飲み込むことはまず揺るぎない事実かのように読者に示され、真顔で滔々と話をつづける。するとどうなるか。気圧されて、ウンそうですかと頷いてしまう。ソウイウモンデスカネと濁った目で納得してしまう。
    三十一文字に命を懸けるなかで言葉によるくどい説明は無用と悟ったか。前触れなき跳躍から話が始まる。こちらがどんな状態の地面か掴めていないのに地震が起きてしまうと、平衡感覚が揺さぶられて、重力の拘束を感じなくなる。べつの物理法則で駆動するべつの惑星を創造する力が本書には充ち満ちている。足元にただならぬ不安を覚えつつも、新天地に到達した喜びもまた確かに感じられるから、私はいちおう嬉しくなる。

    ま、原稿用紙に鼻毛を整列させるのもそういえば理解を超越してるか。

  • お笑い芸人EXITの兼近さんがYouTubeチャンネルでお薦めしていたので、気になって読みました。
    (娘たちが大ファンで。横で私もちゃっかり見てたのです。他におすすめしていたのはカキフライが無いなら来なかったと神様のボートでなんか意外だった)

    不器用かつ不自然にしかこの世界を生きられない穂村弘さんの、情けなくて切ないあれこれが短歌と共に綴られたエッセイデビュー作です。
    世界音痴っていうネーミングがたまらなく良い。説明不要ですべて察することができる。

    人の真似をすることでしか半袖に衣替えできなかったり。
    他人からの好意に対する喜びが一気に無限大になってしまったり。
    窓の向こうの親友を想像してしまったり、大トロの半額パックを手にして人生を悟り立ち尽くしたり、布団のなかでじっとチョコレートバーを咥えてうっとりしたり……。

    へんなことばかり描かれている。へんだ、へんすぎる…毎日こんなに立ち止まってへんなことを考えているなんてすごい。
    でもめっっっっちゃおもしろい!何度も笑ってしまった。人には知られたくない共感もたくさんみつけた。
    穂村弘さんってこんな人だったんだぁ。もちろん良い意味で。銀縁メガネ(なんとレンズなしでコンタクト装着)をかけた総務課長が、真面目腐った顔でこんなことばかり考えてるんだとしたら愛おしすぎない?

    〈今の私は、人間が自分かわいさを極限まで突き詰めるとどうなるのか、自分自身を使って人体実験をしているようなものだと思う。本書は云わばその報告書である。ビタミン小僧、菓子パン地獄、ひとりっこ、恋愛幽霊、青春ゾンビ、世界音痴……。〉

    あとがきのこの一文でまた笑った。
    世界で"自然に"振る舞うことができない人は、きっとみんな世界音痴だったんだね。私も完全にそうじゃん。なんかよくわかんないけど心が晴れた。
    穂村さんが存在してくれていることが嬉しい!ありがとう穂村さん!エッセイぜんぶ読みます!

  • ほむほむが好きなはずだったのに、この赤裸々エッセイを読んで、「なんだこの情けない男は…!?」と思わずひっくり返ってしまった(大袈裟)。

    学生時代、角田光代さんとの共著『異性』を読んでからファンになり、さまざまなエッセイを読んだ筈だったのに。
    私自身、もうとっくに学生を終えていて結婚もしていて子どももいて、2人目を産むという人生の節目にいる時だ。旦那がもしこんなになよなよしていたら引っ叩いてしまう…読むタイミングを間違えたかもしれない笑。
    やれ36歳にして「母にとっては五歳の私」と実家に入り浸ったり、足を滑らせた彼女の手をうっかり離してしまったり…。情けねえ!!!!と頭を抱えながら読むしかなかった。

    しかし、『世界音痴』=「自然に」行動できずに世界の中に入れないこと 
    という話には大きく頷いてしまった。情けないけど、私もそのタイプである。

    特にお酒の席。何を話したら会話が続くのかも分からない。自然に話しかけられず、黙ってお皿係とか片付け係とかにまわってしまう。ずっとおしぼりでテーブル拭いてたりする。笑
    職場の飲み会とか特に…
    私には人に拾ってもらえるような面白いキャラ像のようなものがないのである。
    悲しきかな。

    情けなさすぎるダメ男の赤裸々エッセイの中でも、共感できることがある。
    だからどうしても、嫌いにはなれず、ほむほむはもっと素敵な人だったはずだ!!と、まんまと他のエッセイも貪り読むのである。
    他の本を再読しようかな。

  • 初エッセイなだけあって、内容が濃い!笑
    あーにやにやして読んでしまった。

    わたしもわりと自分に甘く精神で生きているから、共感できる部分もある…けど、穂村さんほどじゃありません。ごめんなさい。

    寝ぼけたまま菓子パンをほお張り、朝起きてお布団の中にその残がい(しっぽのようなもの)を見つけて暗い気持ちになるとか…
    デニーズで年賀状を手書きし、豚のハンコを押してふきだしをつけ「にゃあ」と入れるとか…
    元カノの名前をインターネットで検索するとか…

    笑えて、不思議で、切ない。

    獏を知らなくて、運転が下手で、お箸の持ち方がほぼグーで…

    読みながら何度も、「結婚できて良かったね」と上から目線で祝福せずにいられませんでした。

  • これ、原稿書きながら泣いてたんじゃないかな…って心配になるぐらいの 切実さで書かれている文章たち。違う。どうしても本物になれない。そちら側に行けない。行きたい。目に涙を浮かべて そう訴えている“穂村クン”を よしよしってなだめながら、ギュッて抱きしめたいって思った女性は多いと思う。

    わたしは読みながら、若き日の穂村さんの、今では多少中和されてしまったセンチメンタルを思っていました。エッセイとしては おそらく初めて出版されたこの本の、狂おしいほどのむき出し感。さすがにこれを今も維持していたら…読めてないだろうなと。苦しくて。

    一目散に 好きな人に会いに行って、
    「わたし、あなたの事全部知ってるけど、全然知らないの。でも、愛してる。大好きだよ。大切なの。要らないかも知れないけど、わたしの全部あげたいから、貰ってくれるかな。何でもするよ、あなたのためなら。」
    とかって、ひたすら 愛してるってことを伝え続けたい。そんな気持ちになった。

    センチメンタルな男の人って、わたしにとっては とても魅力的。

  • 「今の私は、人間が自分かわいさを極限まで突き詰めるとどうなるのか、自分自身を使って人体実験をしているようなものだと思う。本書は云わばその報告書である。」
    あとがきのこの文章を読むまで、これはいったい何だろう?と思っていた。
    エッセイというより自己分析?
    自分が女性だったらこんな男は嫌だという批評が繰り返されるのはなぜ?
    実はナルシストなのかな?とかいろいろ想像してしまう。

    穂村さんがますますミステリアスな人に思えてきた。

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著者プロフィール

穂村 弘(ほむら・ひろし):1962年北海道生まれ。歌人。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。短歌にとどまることなく、エッセイや評論、絵本、翻訳など広く活躍中。著書に『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』、『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』『絶叫委員会』『にょっ記』『野良猫を尊敬した日』『短歌のガチャポン』など多数。2008年、短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、2017年、エッセイ集『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、2018年、歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。

「2023年 『彗星交叉点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

穂村弘の作品

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