世界音痴〔文庫〕 (小学館文庫)

著者 :
  • 小学館
3.86
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本棚登録 : 1552
レビュー : 162
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094084412

作品紹介・あらすじ

末期的日本国に生きる歌人、穂村弘。雪道で転びそうになった彼女の手を放してしまい、夜中にベッドの中で菓子パンやチョコレートバーをむさぼり食い、ネットで昔の恋人の名前を検索し、飲み会や社員旅行で緊張しつつ、青汁とサプリメントと自己啓発本で「素敵な人」を目指す日々。爆笑そして落涙の告白的エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 眼鏡が顔の一部と化しているタイプの男性は割と好きだ。
    父が眼鏡をかけているせいか、眼鏡男子には親近感がある。いざとなったら眼鏡をヒョイっと取り上げてしまえば勝てる気もするし。

    どこかズレた感性を持つ自身を自虐的に捉え、「世界音痴」と名付けるセンスは歌人として培われたものなのだろう。

    ベッドに寝転がり、胸の上で手を組み、チョコレートバーを咥えて過ごす穂村氏。腕を組んでいた恋人が雪に足を滑らせた時、咄嗟に手を離してしまう穂村氏。寝過ぎて頭を痛くして、バファリンを飲んでまた眠る穂村氏。

    嗚呼だめな人だ…これはなかなか結婚しない(執筆当時37歳、未婚)のも頷ける。と思っていたらいつの間にか(43歳で)結婚されていた。なんだか悔しい。

  • 読み始め…16.6.3
    読み終わり…16.6.14

    穂村弘さんのエッセイはじめて読んでみました。

    胸にどくん...とくる、このほろ苦さはなんなんだ。あれ....同じだ。。自分とまるで同じじゃないか....涙が一粒ぽろっとこぼれ落ちた。

    読んだ多くの人が、私も自分もと穂村さんに共感する世界音痴。私だけじゃなかったんだね世界音痴。

    みんな世界音痴なんだなぁ...。

    あ。でもでも
    ベッドで菓子パンは食べませんけれど。
    チョコレート・バーも加えません...(笑)

    P192~の「あとがき」よかったです。

    • 5552さん
      こんにちは、yumiie さん。

      いつもいいね!ぽちありがとうございます。

      yumiieさんもほむほむのエッセイを読んでらしたん...
      こんにちは、yumiie さん。

      いつもいいね!ぽちありがとうございます。

      yumiieさんもほむほむのエッセイを読んでらしたんですね!
      昔、ダヴィンチでこのエッセイが紹介されてて、気になって読んでみたんです。
      目から涙やら鱗やらがボロボロとこぼれ落ちました(笑)
      yumiieさんと同じで、私だけじゃなかったんだ~って。
      またタイトルが絶妙ですよね。
      自分の‘違和感’にはじめて名前をつけてくれた感じです。
      最近読まなくなったけど、ブクログの新刊案内などでほむほむの名前を見かけて、「おお、ちゃんと生きていて本出してくれている!」と嬉しく思います。
      また読んでみようかなーと思いました。

      だいぶ前のレビューにコメントつけてごめんなさい。

      それではお邪魔しました。




      2018/01/31
    • yumiieさん
      5552さんこんにちは♪いらっしゃいませ^^こちらこそいつもありがとうございます♪
      昨日はお月様を愛でておりまして、気が付いていたのですが...
      5552さんこんにちは♪いらっしゃいませ^^こちらこそいつもありがとうございます♪
      昨日はお月様を愛でておりまして、気が付いていたのですが早くにお返事ができませんでした。
      ごめんなさい。そしてありがとうございます♪^^

      そうなの! 私も穂村さんの本を読んだのはこちらが初めてで、もうびっくり!....というか
      ものすごく衝撃を受けてしまいました。まるで自分の小学生の頃みたいでね...。
      「世界音痴」の中の穂村さんがどんなだったかはもう忘れちゃっているけれど
      周りからちょっと浮いてる...というか、感覚がずれてるというか...
      私もそういう子でした。大人になった今なら、それも人の個性なのよ!と思えるのですけれど...。
      だから穂村さんの感性が滲み出ているエッセイには私、単純に笑うだけではいられないのです。
      穂村さん独特の感性が伺えるととても嬉しくなる♪
      「音痴」だなんてほんとね♪さすが歌を詠む人の素敵なセンスだと思います。
      それにもう一人、私は又吉直樹さんにもそれに似た個性をお持ちだと感じていたりします。

      私の音痴さ加減はこのレビューがしっかりと物語っていますね。
      あはは...お恥ずかしい.......(*ノωノ)
      2018/02/01
  • ユーモアと少しの哀しみをたたえて、他者とのズレや痛さを包み隠さず綴るエッセイ。可笑しい。


    飲み会や社交の場に出た時の心もとなさ。

    人のことより、体裁を瞬時に考えてしまった自分に自意識のカタマリだと思い恥じたとき。

    きっと人との関係を築いていくうえで答えは色々とシンプルなものだと思うのだけど、
    上手くやりたいのに上手くできないそんな時、ああ、わたしみんなができること何でできないんだろう、と途方に暮れちゃうことがある。

    自意識過剰すぎると疲れる。
    悲観的に考えすぎてばっかりいると肩が凝る。

    そんな時に穂村さんの本を思い出す。

    こんな気持ちを文章にしてくれて、ちょっと大げさかもしれないけれど
    救われた心地になりました。

  • 初エッセイなだけあって、内容が濃い!笑
    あーにやにやして読んでしまった。

    わたしもわりと自分に甘く精神で生きているから、共感できる部分もある…けど、穂村さんほどじゃありません。ごめんなさい。

    寝ぼけたまま菓子パンをほお張り、朝起きてお布団の中にその残がい(しっぽのようなもの)を見つけて暗い気持ちになるとか…
    デニーズで年賀状を手書きし、豚のハンコを押してふきだしをつけ「にゃあ」と入れるとか…
    元カノの名前をインターネットで検索するとか…

    笑えて、不思議で、切ない。

    獏を知らなくて、運転が下手で、お箸の持ち方がほぼグーで…

    読みながら何度も、「結婚できて良かったね」と上から目線で祝福せずにいられませんでした。

  • これ、原稿書きながら泣いてたんじゃないかな…って心配になるぐらいの 切実さで書かれている文章たち。違う。どうしても本物になれない。そちら側に行けない。行きたい。目に涙を浮かべて そう訴えている“穂村クン”を よしよしってなだめながら、ギュッて抱きしめたいって思った女性は多いと思う。

    わたしは読みながら、若き日の穂村さんの、今では多少中和されてしまったセンチメンタルを思っていました。エッセイとしては おそらく初めて出版されたこの本の、狂おしいほどのむき出し感。さすがにこれを今も維持していたら…読めてないだろうなと。苦しくて。

    一目散に 好きな人に会いに行って、
    「わたし、あなたの事全部知ってるけど、全然知らないの。でも、愛してる。大好きだよ。大切なの。要らないかも知れないけど、わたしの全部あげたいから、貰ってくれるかな。何でもするよ、あなたのためなら。」
    とかって、ひたすら 愛してるってことを伝え続けたい。そんな気持ちになった。

    センチメンタルな男の人って、わたしにとっては とても魅力的。

  • 「今の私は、人間が自分かわいさを極限まで突き詰めるとどうなるのか、自分自身を使って人体実験をしているようなものだと思う。本書は云わばその報告書である。」
    あとがきのこの文章を読むまで、これはいったい何だろう?と思っていた。
    エッセイというより自己分析?
    自分が女性だったらこんな男は嫌だという批評が繰り返されるのはなぜ?
    実はナルシストなのかな?とかいろいろ想像してしまう。

    穂村さんがますますミステリアスな人に思えてきた。

  • 確か一番最初に読んだ穂村さんのエッセイ。
    原田宗典さんともちょっと違うしょんぼり感が漂う、読んでいると「ちょっと位ダメ人間でも、まぁいいかな」という気楽な気持ちになれる1冊。

  • ほむらさんのエッセイを読むと、この人は恋愛対象として、あるいは結婚相手としてどうなのかということを結構真剣に考えてしまいます。
    選挙に行ったことがないということを知り、そういう人はわたしはやっぱり無理だなと、意味もない(しかも若干上から目線の)再確認をしてしまったりしましたが、そんなことをリアルに考えてしまう時点ですでに彼の術中にはまっているのかもしれません。

  • 世界音痴・・・
    よく言ったものだなあ。くすくす笑いながら読める。

    「世界」と「自己」の認識のズレから発生するぎこちなさって、確か自分にもあったはず。というか、今もある。
    この話は、他人事ではなく自分のことでもある。

    それを、大人になるにつれ、経験が増すにつれ、
    私は、誤魔化したり、やり過ごしたり、とりつくろう方法を身に着けてしまった。
    そして、自分は大きな恥はかかないと、大丈夫だと、根拠のない自信のようなものを身に着けてしまった。
    でも、本当にそうだろうか。
    世界と自己との違い、ズレについて、見ないふりをしているだけのような気がしている。
    と同時に、何か大きな、大切なもの…感性や感受性といったものを失ってしまったような気がする。

    穂村さんのような歌人というのは、
    それらを大人になっても抱え続けることのできる人たち、抱える方法を極めた人たちなんだなと強く思う。

  • 人生に希望がいっぱい沸いてくる。なんの根拠もない希望。穂村弘さんの本をまとめて6冊購入し読み終えたこれが2冊目。まだ4冊ある。それがあまりにもうれしくって自分で食べるオムライスにケチャップでがんばれと書いた。もしも道に迷ってもこの本があるから十分に迷える。それがうれしい。人生って希望しかない。

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著者プロフィール

穂村弘(ほむら ひろし)
1962年、北海道生まれの歌人。1990年歌集『シンジケート』でデビュー。その後、短歌のみならず、評論、エッセイ、絵本、翻訳など幅広い分野で活躍中。2008年『短歌の友人』で第19回伊藤整文学賞、『楽しい一日』で第44回短歌研究賞、2017年『鳥肌が』で第33回講談社エッセイ賞、2018年『水中翼船炎上中』で第23回若山牧水賞をそれぞれ受賞。歌集に『ドライ ドライ アイス』、『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』。その他代表作に、『本当はちがうんだ日記』『絶叫委員会』『世界音痴』『整形前夜』『蚊がいる』『短歌ください』『野良猫を尊敬した日』など著書多数。

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