新編傑作選 1 青嵐 (小学館文庫 や 15-1 新編傑作選 1)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094084603

作品紹介・あらすじ

武士の生き様を描いた周五郎の短編傑作選!

昭和の文芸に不滅の業績を残した山本周五郎。短篇の名手と評された周五郎の作品を、新たな視点で編纂した傑作選第1巻。
隠し子をめぐる若侍の夫婦愛と友情を描いた表題作「青嵐」、おっとりとした武家の四男坊の日常をユーモラスに描く「ひやめし物語」、国元の改革に乗り込んだ若き武士の奮闘がすがすがしい「いさましい話」、安政の大獄に材をとり静謐感の中に武士の悲哀を漂わせる「城中の霜」、三千両輸送の大役を命ぜられた男の道中を描く「枕を三度たたいた」、余命数カ月を宣告された武士の壮絶な生き様と死に様「月の松山」、病身の若殿と型破りの家臣の少年の交情を描く「桑の木物語」の、武家ものの秀作7篇を収録した。
周五郎の描く武士は、決して特殊な生を生きる人々でなく、愛し憎み、時に過ちを犯しつつも懸命にその生を全うしようとする。その姿は、文壇的栄誉を拒み、つねに読者に向き合おうとした周五郎の人生に似て、今も我々の胸を打つ。

感想・レビュー・書評

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  • 中短編ばかりだが、起伏がしっかりあって
    登場人物の成長や変化も読み取れる、
    よく計算された小説だと感じた。

    生き方が清々しい登場人物ばかりで
    勇気が湧く。

  •  真面目に一生懸命に生きる妻、武士の物語。泣き言を言わず自分の役目を懸命に生きる人ってかっこいい。出世も金儲けもないけど懸命に仕事役目を果たそうとする姿がいいねえ。今みたいに価値観が多様すぎないのがいいのかも。山本周五郎さんの人物描写は、人間味があふれていて、人となりにひきつけられると思う。

  • 読んでほっこりの時代物短編集。

  • 110108購入

  • 最近、時代小説をよく読むが、山本周五郎の作品は
    落ち着いて読むことができる。
    作家の好みにもよるのだろう。登場人物の男性は
    鷹揚で、ゆったりとしたおらかな人が多く、女性はいかにも
    昔の女性らしさがにじみ出る。短編10作品を集めた作品集

  • 短篇ですが、山本周五郎さんらしい作品が多くまとまってます、個人的に桑の木物語が大好き

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著者プロフィール

山本周五郎(やまもと しゅうごろう)=1903年山梨県生まれ。1967年没。本名、清水三十六(しみず さとむ)。小学校卒業後、質店の山本周五郎商店に徒弟として住み込む(筆名はこれに由来)。雑誌記者などを経て、1926年「須磨寺付近」で文壇に登場。庶民の立場から武士の苦衷や市井人の哀感を描いた時代小説、歴史小説などを発表。1943年、『日本婦道記』が上半期の直木賞に推されたが受賞を固辞。『樅ノ木は残った』『赤ひげ診療譚』『青べか物語』など、とくに晩年多くの傑作を発表し、高く評価された。 

解説:新船海三郎(しんふね かいさぶろう)=1947年生まれ。日本民主主義文学会会員、日本文芸家協会会員。著書に『歴史の道程と文学』『史観と文学のあいだ』『作家への飛躍』『藤澤周平 志たかく情あつく』『不同調の音色 安岡章太郎私論』『戦争は殺すことから始まった 日本文学と加害の諸相』『日々是好読』、インタビュー集『わが文学の原風景』など。

「2023年 『山本周五郎 ユーモア小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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