ハピネス (小学館文庫 た 1-9)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094085242

感想・レビュー・書評

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  • 切なくて悲しいのに、明るく綺麗な純愛ストーリー。読み終わった後に幸せな気持ちになれる本でした。

  • ロリータのお洋服メーカーとかわかったら、もっとハッキリ想像できたのかなあ、と思いつつ。ヒロインが本当に楽しそうに過ごしているから、最初想像したよりは重く感じない。でも、余命一週間の女の子の話なんだよなあ……。

  • 人は忘れた。
    人が死ぬことがこんなに悲しいということ。
    一人の人が死ぬことは悲しいことを。
    なぜ人は忘れてしまった。
    なぜ人は人が死ぬことをたやすく無視できるのか。
    悲しさそのものを忘れてしまったのかもしれない。
    人は死ぬ。
    悲しい。

  • 図書館で借りた。(単行本の方)
    「嶽本 野ばら」(たけもと のばら)
    エッ?男の人なの???まずはそこでビックリ!
    余命を告げられた女の子が好きなものや人と
    残された日々を過ごすお話。
    著者は男性なのに乙女心がとても良くわかっているなぁ。

  • こんな高校時代を送りたかったような気がします。ヒロインは不治の病ですが。

  • きれいな話だった。もう読む前からあらずじで亡くなることがわかってるのはせつないけど、結末がわかっていてもぐいぐい読んでしまう。さわやかな関係の2人だった。

  • 電車内で読み始めて、約50ページで号泣してしまった。
    ただただ切ない。
    愛する人との死別という恋愛小説としてはベタな展開なのに、
    群を抜いて綺麗で真っ直ぐである。
    私も彼女と同じくInnocentWordをこよなく愛し、
    最近ロリィタデビューした身。
    その辺りも相俟って、最後まで涙が止まらなかった。

  • タイトルがハピネスってゆうのも深いなあと思う。
    彼女のような考え方を持ちたい。
    文章はお行儀のいい、という印象で、すらすら読めた。

  • 主人公は私たちだ。
    ロリータ好きな姉がいたり、そのせいでロリータに詳しかったりするけど、基本的に主人公は私たちが感情移入しやすいように作ってある。
    冒頭で私はもうすぐ死ぬ、といった後の怒涛のファッション用語攻撃。
    戸惑ってさっと読み飛ばした人も多いだろうけど、そのことで最初の一文が薄れることはない。
    読んでる側も一緒に「そんなことより今なんていった?」と聞き返したくなる。
    だからこそ感情移入し、最後の場面では感動できる。

    普段ミステリを多く読む私としては、死は唐突なもので、読めないものだ。
    けれど、この作品では死は身近なもので、ゆっくりと、確実に迫り来るものである。
    その状態で必死に生きようとする、くじけずに辛いそぶりを見せない彼女。

    これはいわゆる憲法で言う幸福追求権、ひいては自己決定権の問題にもつながる。
    尊厳死や安楽死などの問題ともかかわってくる。
    フィクションではあれど、周りが認め、自己の意思を貫いて幸せになった一つのケースといえるだろう。

    縛ることなく自由にさせる親、躊躇いながらも彼女の最後の願いを普段どおりにこなそうとする彼氏、医師。
    全ての人がこうならばいいだろう。けれど、実際にこの世間で生きていく以上こんな恵まれた環境が与えられることはないだろう。
    でももしそうなれば、人は幸せに死ねるのである。

  • 儚いゆえに美しい

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著者プロフィール

文 嶽本 野ばら
京都府宇治市出身。作家。
1998 年エッセイ集『それいぬ̶ 正しい乙女になるために』(国書刊行会)を上梓。
2000 年『ミシン』(小学館)で小説家デビュー。
2003 年発表の『下妻物語』が翌年、中島哲也監督で映画化され世界的にヒット。
『エミリー』(集英社)『ロリヰタ。』(新潮社)は三島由紀夫賞候補作。
他の作品に『鱗姫』、『ハピネス』(共に小学館)、『十四歳の遠距離恋愛』(集英社)
『純潔』(新潮社)など。『吉屋信子乙女小説コレクション』(国書刊行会)の監修、
高橋真琴と共書絵本『うろこひめ』(主婦と生活社)を出版するなど少女小説、お姫様をテーマとした作品も多数。

「2021年 『お姫様と名建築』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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