歌舞伎町のミッドナイト・フットボール: -世界の9年間と、新宿コマ劇場裏の6日間- (小学館文庫 き 11-2)
- 小学館 (2010年9月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094085426
作品紹介・あらすじ
異能の音楽家が見据えた世界の九年間と、コマ劇場裏の小さなホテルでの体験が錯綜する。二一世紀日本を代表するカルチャー・ヒーローが、一九九六年から二〇〇四年の間に書いたさまざまな領域についてのエッセイ・評論の合間に、新宿歌舞伎町のホテルで過ごした六日間の記録が挿入され、音楽の、文学の、映画の、セックスの、料理の、言語学の、精神分析の、格闘技の、愛と憎しみと生と死の、憂鬱と官能と諧謔にまみれたレシピが完成した。饒舌なトリックスターにしてエレガンとアンニュイの司祭、菊地成孔が贈る、『スペインの宇宙食』に続く第二エッセイ集。
感想・レビュー・書評
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9年間に書かれた過去の文章と、とそれを回想する9日間のレビューによる構成が妙。時間軸のゆらぎとも呼べる感覚を想起させる。本人にはそんな意図なかったかもしれないけど、これはアイディア勝ちだな。
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2004年刊行、2010年文庫化の第二エッセイ集。その後、歌舞伎町にて暮らす著者、各エッセイ前に後書き的解説を記すスタイルが画期的である。その後のエッセイ、ラジオで展開する音楽、芸術、文化への言説の壮大な前振りのようである。
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ワタシが愛聴しているラジオ番組『粋な夜電波』のパーソナリティであるジャズサックス奏者・菊地成孔氏が書いた一冊。
ラジオでは、歌舞伎町在住であるからこそ話せるようなWBO話(悪くてバカで面白いヤツらの話)が最高に面白い。そこで、そんなノリを期待して今回その著書に手を伸ばしてみたのだけれど、その結果は期待以上の面白さだった。ただ、それはWBOなノリが期待以上だったということではなくて、氏の深さ(教養、雑学、経験、など)と文筆家としての才能がよく分かったという意味で期待以上だった。本人曰く「書きとばした」ものばかりとのことで、音楽評、講義録(氏は私塾を開講していて、東大で講義を受け持った経験もある)、対談、小説など多岐にわたる文章は、いい加減と言えばいい加減。でも、そのいい加減度合いが絶妙で楽しく、かつセンスを感じさせる。本当にいい加減な文筆家には、こんな文章は書けないと思う。
ラジオ、本、と来たので、次は氏の演奏をライブで聴いてみたい。 -
エッセイにとどまらず、小説やら企画書やら対談やら色々な文体が入り乱れるオムニバスな本。さすが、著者がジャズミュージシャンだけでなく、文筆家、講師など様々な面を持っているだけのことはある。「肉声」が好き。
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いやー、文体だけで、神本ですよ。
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2-2 音楽論
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カヒミとオザケンの章だけ読了。大人になった、あるいはなりそこねたその後の渋谷系。カヒミ trapezisteとコーネリアス point を聴きたくなる