ビターシュガー(虹色天気雨2) (小学館文庫)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 188
レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094085730

作品紹介・あらすじ

前作『虹色天気雨』から数年後。市子、奈津、まりの三人は、中学、高校からの二十年来の付き合いを続けている。モデルをやめて専業主婦になった奈津は、失踪騒ぎを起こした夫・憲吾と別居、娘の美月と二人で暮らしている。キャリアウーマンのまりは年下のカメラマン・旭との恋愛に疲れ、別離を選んでいた。市子はあいかわらず執筆業を続けていたが、ひょんなことから、まりの恋人だった旭が彼女の家に転がり込んできたことから、市子、奈津、まりの三人の関係に微妙なほころびが生じることになる…。連続ドラマ化もされたアラフォー女性の恋愛&友情小説。

感想・レビュー・書評

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  • 読み終えてまず思ったのは、
    「あ~、わたしもこういうの、面白いって思うようになったんだなぁ」
    ということ。
    誤解を恐れずに言うと、これを読んで何かしら共感したり、面白いと思えたりするのは、どこかしら「年、とったなあ」と自分で感じ始めている人なんじゃないだろうか。
    事実わたしはちょうどそんな時期にあるわけで。
    きっとこの本を5年前に読んだなら、けっして「面白い」とは思わなかっただろうし、まず手に取ることさえしなかっただろう。
    20代から30代へ、30代から40代へ…そんな、ちょっとした人生の区切りにある人には、どこか共感できて、ちょっとだけ勇気と元気をもらえる、ほんな「ほっこり」した一冊だと思う。

    小説というよりは、長編エッセイのような本作。
    主人公は40代だか50代だか、恐らく漫画家らしい女性。(すみません、前作読んでないもので。)
    未婚、子供はなし、恋愛にも興味なし。
    そんな自分の現状に特に不満を持つわけでもなく、個性的な友人とその子供達に囲まれて、日々を淡々と、しかしピリッと刺激はありつつ楽しみながら生きている。
    そう、まさにビターシュガーな日々である。
    わたしはバツイチ。
    おまけに、大恋愛の末のこの結末だから、正直もう一生「恋愛」はできないと思ってる。
    実はそんな自分自身にちょっと焦りと感じていたりして。
    新しい出逢いを求めて新しい環境に飛び込んでみたり。
    旅に出てみたり。
    まあ、ここ一年半、足掻いてきたけれど…。

    なぁんか、別にいいんじゃない?

    読み終えたとき、カラッとそう思った。
    不思議なくらい、自然にカラッと。
    いいんじゃない、一生分の恋をしたんなら。もう無理して恋愛に拘らなくても。「友愛」の果てが一緒にいる相手だった、でもアリじゃない。
    良い友人、大好きな妹ちゃん、おちゃらけて明るい両親、絶対出会うことはなかっただろう人々…そんな人達と、楽しく元気に生きていければ。
    その中でちょっとシュガーだったりビターだったり、いろいろ感じながら生きていけば。
    気楽に生きよう。
    レッセフェール、ケセラセラ。
    奇しくもずっと自分のモットーであったその生き方に、巡り巡って辿り着いた感じ。

    本当に、本との出会いは奇なるもの。
    「傑作だ」とか「これ絶対読んでほしい」という作品ではない。
    でも、わたしのように、「一般的な人生ってなんだろう」と、それとの乖離に密かに焦っているような人には、ちょっと読んで欲しい一冊。
    ビターシュガー。
    人生ってそんなもの。
    気負わず、わたしも、日々のシュガーとビターを淹れたての珈琲を味わうが如く噛み締めつつ生きていこう。
    ふと、そう思った本なのでした。

  • 『虹色天気雨』の3年後。
    いまだに奈津は夫と別居中。
    全然事態が進展しない中、大人びて健気で空気読み~で美少女だった美月は、いっぱしの大人のつもりで、分かってない事まで分かったつもりで大人の生き方に口をはさみ、批判し、不潔扱いするという、まさに中二病真っ盛りの女子に変貌を遂げた。

    そして、主人公の市子は、厄介事を次々と押しつけられ、善意でした事(というか断れなかっただけ?)をみんなから非難され、家には押し掛けられ…という気の毒な状態。
    前作はそんなに気の毒にも感じなかったのだけれど…
    まりとか美月が何だか強烈で。

    前作は運動会、今作は、小糸ちゃんの結婚式やリンゴ狩り?
    登場人物が総出で楽しむ。
    切れたと思ったら、まだ繋がっていて、ちょっとついたと思ったら、ずっと切れなくて、納豆のような人間関係である。
    離婚したり、元夫と撚りを戻したりと、波乱といえば、皆、波乱に満ちた人生を歩んでいるのだが、まるでお経を聞いているような語り口で書かれている。
    以前、ドラマになったそうなのだが、この淡々とした感じを出す事が出来たのだろうか?

    厄介事が次々と舞い込む…と書くとマイナス印象だが、実は主人公のマンションは、みんなの帰る場所のような、つまり安らぎの空間なのである。

    そして、大所帯な行事の写真を“興奮した犬みたいに”写真に撮りまくる土方さんが、目に浮かんでくるようで、なんだか可愛かった。

    前作では、失踪してまで憲吾さんが何したいんだか全然分からなかったのだが、今回、長野が描かれるに至って、何だかちょっと分かったような気がした。

    “女性の友情”は、前作の方が感じたかなあ…
    私は、今作のまりはちょっと遠慮したいです。

  • 虹色天気雨の続編と知らずいきなり読んだので面白さは半分だったかもしれない。続きのようでわからないところもあったが中学、高校からの付き合いの市子、奈津、まりの何でも言い合える関係…絶妙な友達関係が大人になっても続くのはいいなぁーと思った。

  • 相変わらずいい大人が四六時中女子会を開いてる。

  • トレンディドラマのようでした。

  • 「虹色天気雨」の数年後。
    ひょんな事からまりの元彼・旭が市子のマンションに居候になり…

  • 2013 8/27

  • 前作同様、読みやすく、力をもらえるような一作だった。
    アラフォーになった女友達3人。離婚という大きな決断をくだしたり、新たな恋愛に踏み出したり、それぞれに人生の新しい局面にあって、ゆるやかに支えあっている姿が羨ましい。良い関係。

  • とても読みやすくてよかったと思う。読み終わってもなんか、ポカポカしてる感じ。こんな友だち関係が築けたら幸せやろうなと思った。

  • 前作から私が慣れたのか、大島満寿美に円熟味が生まれたのか^^;
    面白かった。
    前作から同様に軸は女子の友情と思ったが、前作ではぼやけていた(と私が勝手に感じていた)主人公の人柄で話は展開されていた。自然に登場人物の性格を出していくところは大島の真骨頂。登場人物は何処かにいそうで、でも、それぞれキャラ立ちしている。
    事件なんてほどのことはなち何気ない日常にふっとある非日常。トータルであーなんか、そういうのいいよねーと思わせる。
    自分の今までと今に同じものを見て、悪くないのかなと思う。そういう楽しみ方をする小説なのだろう。

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