- Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094085822
感想・レビュー・書評
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主人公の大森陽一くんは、青森の弘前出身の青年なのだが、故郷への反発心を抱きながら東京での孤独な生活を送っていた。
なかなか心身共に充実感を覚える事の出来ない生活の中で、偶然にも同郷の女性である七海さんと出逢い、ようやくにして陽一くんの人生に一条の光が射したのだ。
この二人を軸にして、津軽の地で、百年の時を越えて営々と語り継がれていく人の優しさと心が咲かせた、美しい奇跡と感動の人間物語が綴られるのだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
めちゃくちゃ落ち着くんだよね。
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素敵な物語に出会いました。青森三部作の「青森ドロップキッカーズ」もとても良かったです。登場人物は違っても、みんな「幸せ」というキーワードでつながれていました。残るは「ライアの祈り」。楽しみにしてます。
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カバーの津軽美人はトヨなのだな。故郷を離れ、東京で暮らす同郷の若者が出会う偶然。そして恋人同士になるのだが、互いの将来を想いすれ違いになりそうな危機感。陽一の言動にじれったさを感じるが、七海も含めて応援している自分がいた。巻末の津軽百年食堂リストでは中華のお店が多かったが、弘前を訪れる時には参考になってありがたい。津軽蕎麦が食べたくなった。「救急車を配車いたします」など違和感を感じさせる表現があったが、これは校閲・校正に気付いてほしかった。
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物凄く大きな感動はないものの、温かい気持ちになれる一冊。
津軽そば食べたいなぁ。 -
両親のなれ初めを聞いているような不思議な感覚がした。
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森沢さんの作品は毒が無く、爽やか。
登場人物も皆優しく、悪意の人が出てこない。 常に映像化を意識しているように感じられ、極めて読みやすく、心地良い。そんなところは原田マハさんに似ているように見える。
ただ、どこか物足りなさも感じてしまう。
それはストーリーの平板さなのでしょう。判り易く映画やテレビドラマ化には向いていると思うけど、どこか予定調和的というか、驚かすような展開がない。
もっともそれが嫌かと言われればそうでもなくて、こんな事が有ったら好いなというファンタジックな話に捉え、現実逃避的に心地良くなれてしまう。
最近こういう軽さが好きで。。。。 -
なんか、読み終わった後、えもいわれぬ優しさに満たされる本です。
作者誰だっけなー?と(ジャケ買いに近かったのですぃません 笑)見たら、森沢明夫さん。なんか納得しました。
心がデトックスされました。
あとがきで、本当に青森には、百年食堂を認定する制度があるんだと知り...当たり前だけどいろいろあるはずの人情ドラマに今さら想いを馳せ。少しそういう食堂に行きたくなるという。
あまり普段気に留めてこなかったな、と気づかされます。
青森ドロップキッカーズと、それを含めた第三作目がその2冊をつなぐ1冊になっている、という文庫版解説があったので...読んでみたいかも~。 -
家族の優しさ、故郷の温かさを実感できるところは良い。ただ、主人公の陽一があまり魅力的でない。また、七海の真意がまったくわからない。陽一の母に出汁の引き方を教えてほしい、自分以外の女性には教えないでと頼んでいたが、写真家の道を行くと決めたのではないのか?それに、七海の実家のりんご農家の跡取り問題はまったく解決していない。いずれにせよ、陽一と結婚して店の女将になる未来はないのではないかと思うが……。
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現状に迷いを持ちながら登場人物たちが一歩踏み出す物語