小太郎の左腕 (小学館文庫 わ 10-3)

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  • 小学館
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レビュー : 217
  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094086423

作品紹介・あらすじ

一五五六年。勢力図を拡大し続ける西国の雄、戸沢家は敵対する児玉家との戦いの時を迎えた。戸沢家の武功者「功名漁り」こと林半右衛門は、児玉家で「功名餓鬼」の異名をとる花房喜兵衛麾下の軍勢に次第に追い込まれていく。そんななか、左構えの鉄砲で絶人の才を発揮する十一才の少年・雑賀小太郎の存在が「最終兵器」として急浮上する。小太郎は、狙撃集団として名を馳せていた雑賀衆のなかでも群を抜く銃の使い手だが、心根が優しすぎるため、祖父・要蔵がその才能をひた隠しに隠していた少年だ。事態は、半右衛門のある行動を機に思わぬ方へと転じていく。

感想・レビュー・書評

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  • 半右衛門と喜兵衛の男前な遣り取りや、小太郎が覚醒する様は「かっこいい」の一言。フィクションだが、他の歴史小説ではあまり描かれない部分も織り交ぜながら真実味を与えている手法は見事。「人並みになるとは、人並みの喜びだけではない。悲しみも苦しみもすべて引き受けるということだ。」

  • 敵味方を超えて半右衛門と喜兵衛が互いを一人の男として認め合う様がかっこいい。小太郎の銃撃の腕もちろん重要だが物語のメインは二人を中心とした人間ドラマのように感じた。

  • ライバル同士の手に汗握る駆け引きだらけの合戦の中、真の主人公たる天才スナイパーが誕生する瞬間を読者に魅せる。読み出したら止まらない。

    最新の研究に基づく火縄銃による狙撃の可能性、大名内における組織人としての武士、合戦と飢餓など、従来の大河ドラマでは、表現してきれていない歴史の事実をフル活用していて、面白い。

    最後の評論も本作の読み漏らしを防いでくれる、網羅された内容で秀逸。
    時代小説は、当面、和田竜だけでいいと確信した作品。

  • 忍びの国、のぼうの城に続き、和田さんの作品は3作目。

    面白かった!
    前の2作よりも展開が早く、すんなり入り込めた。
    人物の心理描写がより深くなっているのかも。
    本来なら痛快であるはずの、敵を次々と撃ち落としていく場面がとても切なかった..
    物語の最後も戦国の時代だからこその結末。
    ロマンですね。

  • 時代小説なんて久しぶりでした。
    さすが「のぼうの城」の和田竜先生(^^)
    サラサラと読み易い平易な文章で戦国武者達の「生き様という美学」をスカッと気持ちいい物語にして読ませてくれました。
    戦国武者としてどのように武功を挙げ、自身の武名を巷間に轟かせ、如何に散るのか…今日の現代社会とは生きる目的のまるで違う世界を「戦」を主導した武者、その好敵手、そして「戦」に翻弄された少年を軸に描いたエンタメって感じの作品ですね。
    生死を賭けて戦っている双方が「同じ志」を胸に秘め、敬意を持って互いに認め合い、そして容赦無く殺しあう様の潔さに清々しさを感じる物語です。
    とても読み易いのでオススメです。

  • 史実にはないフィクションのお話であるとあとがきに書いてありました。
    それでも当時の時代背景、男たちの価値観や美徳などがとても魅力的に描かれており、そんな時代を、そんな時代らしく豪快に生きた半右衛門。それとは対照的な小太郎の少しずつ絡んでいき、迎える壮絶な最期にはとても感動しました。

  • 戸沢家の武功者『功名漁り』こと林半右衛門と児玉家で『功名餓鬼』の異名をとる花房喜兵衛そして、小太郎の物語。 小太郎は祖父の要蔵にその才をひた隠しにされていたが実は群を抜く銃の使い手だがそんな小太郎の望むものは『人並みになる』こと。『人並みになる』ということは喜びだけではなく、悲しみも苦しみもすべて引き受けるということ。それを享受したとき小太郎はどうするのか。 もう、どうして戦国の時代ってこうなんだ。考え方が格好いいと言うのか、それとも阿呆というのか。呆れる。けど、格好いい。 和田竜さんの作品で1番すき。

  • タイトルの左腕とは火縄銃を左構えで撃つ事だった。半右衛門という武将が中心でテンポ良く読めた。ストーリーの途中で現在との比較や解説をしてくれる場面が特に好き。

  • 2017.11.18 読了
    ストーリーも面白いが最新の中世時代考証を取り入れていることが興味深い。戦国時代の鉄砲が狙撃中心だったとか、弾と火薬を一体化した早合を使えばある程度の連射ができるとか・・・

  • 歴史物苦手なのだが、和田先生の作品はどれも圧倒される。

    雑賀衆、伊賀者、、、
    和田先生の作品を読んでこられた方なら物語にのめり込まれるだろう。

    この物語は切ない。
    切ないが、戦国の男の格好良さに圧倒された。

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