誤飲 misswallowing (小学館文庫 せ 2-6)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 330
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094086829

作品紹介・あらすじ

医療ミステリー第一人者仙川環初の連作小説

医療ミステリーの第一人者である仙川環氏の初となる短編連作小説が登場!『STORYBOX』誌で連載した同名作品7話と、連載では読めなかった文庫書き下ろしの最終章を加えた新しい試みの作品。
著者の大ヒット文庫作品『感染』『繁殖』『転生』『再発』『潜伏』に続く話題騒然必至の力作。
連作のテーマは、身近にある「薬」。風邪薬、ピル、向精神薬、花粉症治療薬……。正しく使えば問題ないこれらの薬を巡り、8組の男女が織りなす黒い人間模様を活写。
登場するのは、リッチな医療カウンセラー、失業中のDV夫、美貌の女性カウンセラー、さえない精神科医……。日常に潜む悪意と偶然に翻弄され、ごく普通の家庭、人間関係が崩壊していく恐怖をスピード感溢れる筆致で描いています。仙川環ファンにはたまらない、ひりひりする読後感に快感を味わってください。

感想・レビュー・書評

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  • 薬に関しての、人それぞれの必要な症状に合ったものが、選ばれているか?
    人によって、薬は、害になる物もあるし、個人個人の思いが、違う。
    ちょっとした、人生のボタンのかけ違いで、人間関係が、崩れていく様を連作短編集として、描かれていて面白く、あっと言うも読めてしまった。
    睡眠薬、向精神薬、経口避妊薬、抗ウイルス薬、精力剤などなど、、、普通に、手に入る物だけど、、、、副作用も、、と言う最後の話のオチも、、、なるほど、、、という描き方だった。

  • 何人か登場人物がいますが、上手く話が絡み合っていて内容がすっきりまとまっているように思います。
    普段何気なく飲んでいる薬ですが、本当に様々な事で使われているんだなと読んでいて思いました。正しく服用する事が一番です。

  • 短編集、登場人物が他の短編にも出てくる。
    いろんな人のつながり、薬にまつわる話。
    さらさら読める。
    けど、何も残らない。

    本を読むのが苦手な人には、おすすめかも。

  • 「薬」を軸とした人間模様の医療ミステリー。

    第一章 藤本洋文
    第二章 小野恭子
    第三章 木島博人
    第四章 林崎洋子
    第五章 松原延彦
    第六章 沢村亜美
    第七章 小野厚之
    第八章 三田秋枝

    八つの作品は全て同じ舞台で錯綜する。
    相手を騙して薬を飲ませたり、あるいは不正に薬を入手しようと奔走するも、事態は深刻になったり、思いがけず転機になっていくお話。

    暗いばかりの結末だけでなく、希望も織り交ぜられているところが良いと感じました。

  • 面白くて一気読み。薬にまつわる8つの作品の連作短編集。薬で利益を得ようとしたり、逆に自分の首を絞めるような結果になったり。。印象に残ったのは第一章の藤本。前妻とのトラウマがあって今の妻とは子供を作らないようにしている。妻が子供が欲しい素振りを見せた時にある行動に出るが結局、自分の望まない結果になる。でも、第八章の妻の立場から語られる妻の気持ちは夫の考えるものと全く違うのが皮肉。シリーズ化されてるみたいなので他の作品も読んでみます。

  • 薬は使いようによっては毒にもなる。
    決められた用法や用量をしっかりと守らないと逆に健康を害することになったりする。
    物語は「薬」をめぐる連作短編集だ。
    それぞれの物語に登場する人物たちは微妙に他の物語とリンクしている。
    医療ミステリーシリーズとあったけれどミステリー感は少ない。
    隠された心の暗部が描かれている心理サスペンスのような気がしないでもなかった。
    それぞれに描かれている人たちの身勝手さやずるさ、愚かさや陰湿さにも非現実的なリアルさもあり面白かった。
    深く掘り下げた物語が好みの人には物足りなさもあるだろう。
    けれど短編集が好きな人にはいいのでは?と感じた。

  • 薬がテーマの連作短編集
    サクサクと読み進めた面白い話しでした
    たった一つの薬がこれほどまで人を振り回すとは毎日薬の仕事をしている自分にとって面白かった。
    ただ登場人物が好きになれないタイプばかりでも亜美と木島ははじめはイライラさせられたけど、がんばってシアワセになってほしいな

  • 読みやすいよー、と勧められて読んだ本。確かに読みやすい。けどあんまり残らない。あっさりしすぎてるのと都合よくつながりすぎてるのと。人物像もみんな浅い。まあ、わけのわからない薬は飲んじゃだめだよね。

  • 仙川環さんの長編小説が好きです。この作品は、連作短編だったが、巡り巡ってつながっていて面白かった。

  • 一つ一つの短編が繋がるオムニバスとなっていて、最後には廻り回って一番悪いヤツが痛い目に合う物語。
    でも、あまりに世間が狭すぎる感はある。
    他人同士がそこまで繋がる事は無いだろう。
    やっぱり仙川さんはじっくり読める長編が良いな。

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著者プロフィール

せんかわ・たまき
1968年東京都生まれ。大阪大学大学院医学系研究科修士課程修了。大手新聞社在籍中の2002年に書いた小説『感染』が第1回小学館文庫小説賞を受賞し、作家デビュー。その後執筆活動に専念し、医療問題を中心に社会性と娯楽性を兼ね備えた作品を発表する。著書には『転生』『繁殖』『誤飲』『疑医』『鬼嵐』などがある。本作は『幸福の劇薬』に続く「医者探偵・宇賀神晃」シリーズ第二弾!

「2020年 『偽装診療 医者探偵・宇賀神晃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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