凍原 北海道警釧路方面本部刑事第一課・松崎比呂 (小学館文庫)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 459
レビュー : 72
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094087321

作品紹介・あらすじ

一九九二年七月、北海道釧路市内の小学校に通う水谷貢という少年が行方不明になった。湿原の谷地眼(やちまなこ)に落ちたと思われる少年が、帰ってくることはなかった。それから十七年、貢の姉、松崎比呂は刑事として道警釧路方面本部に着任し、湿原で発見された他殺死体の現場に臨場する。被害者の会社員は自身の青い目を隠すため、常にカラーコンタクトをしていた。事件には、樺太から流れ、激動の時代を生き抜いた女の一生が、大きく関係していた。いま最注目の著者唯一の長編ミステリーを完全改稿。待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • この小説はを推理小説と思って読むと少しガッカリするだろう。最後まで犯人の動機については納得がいく説明がなかった。しかしながら、作者が得意とする影のある幸薄い女性の一生を描いた作品だと思って読めば、やはり味のある仕上がりになっていると思う。

  • 一九九二年七月、北海道釧路市内の小学校に通う水谷貢という少年が行方不明になった。湿原の谷地眼(やちまなこ)に落ちたと思われる少年が、帰ってくることはなかった。それから十七年、貢の姉、松崎比呂は刑事として道警釧路方面本部に着任し、湿原で発見された他殺死体の現場に臨場する。被害者の会社員は自身の青い目を隠すため、常にカラーコンタクトをしていた。札幌、小樽、室蘭、留萌。捜査行の果てに、樺太から流れ、激動の時代を生き抜いた顔のない女の一生が、浮かび上がる!文庫化に際し完全改稿を行なった、新・直木賞作家唯一の長編ミステリー!

  • ある女性の大河ドラマのような壮大なスケールの話だと思うけど、ただただ鈴木洋介がかわいそう。簡単に殺されすぎ。
    桜木紫乃は2冊目だけど、北海道=湿原=暗い、寂しいの印象で、ここにさらに今回は樺太、引き上げ・・・というワードも加わってさらにうら悲しい。天気で言うといつも曇りのイメージ。
    十河キクの工房や暮らしぶりの描写は、唯一の晴れのイメージだったんだけどな。

  • 北海道という土地が背負う歴史と、女たちの業が描かれたドラマ。登場する女性たちひとりひとりの描写が丁寧で引き込まれました。ドラマとしては面白く読みましたが、ミステリとしては微妙な感じで、被害者男性のことをもう少し掘り下げてほしかったかなと思います。

  • 人間ドラマの要素が濃いが、それでもミステリー小説ではあるのでストーリーの詳しくは割愛。テーマはそれほど目新しさはないもの、第二次世界大戦後に樺太から追われた者たちの苦悩や混沌、釧路湿原に代表される道東の持つ特有の雰囲気はよく描かれている。

    とはいえ殺人に至る犯人の動機や背景が読者にとっては希薄に映るし、鈴木洋介の葛藤にも少し焦点を当てるべきだったかもしれない。中盤以降は伏線回収という名の御都合的な展開もやや気になる。

    登場人物の抱える孤独や哀しみを重層的に描く作品であっただけに、肝心のミステリー部分にはやや物足りなさを感じた。

  • 最初の方に出てくる性描写が女性作者のわりにリアルで生々しくしいと感じた。

    時代が戦後直後の北海道を、舞台にしているということもあって、環境の極寒と人の余裕の無さからくる冷酷さがよく伝わってきた。

    そこから紐解いていく殺人事件。時をまたいで、解決していく内容深めの話だと思う。

  • 真冬の北海道の広大な大地に広がる曇天の空模様を連想する作品だった。谷地眼で消えた弟、刑事となった姉、湿原での殺人事件、被害者が固執した自身のルーツ、樺太からの引揚者、捜査線上に浮かぶ顔の無い女―。全てが複雑に入り混じり、濃密で大河的な人間ドラマが完成する。サブタイトルで警察小説をイメージすると私の様に少々面食らうかもしれない。不明瞭な犯人の動機だが、母への免罪を【代替品】に投影した因果だったのだろうか。自身の納得なしに前へは進めない物事を誰しもが抱えているのかもしれない、例えそれが誰かを傷つけようとも―。

  • 最近お気に入りの桜木さんの本なので、わくわくしながら読みました。

    1992年、北海道釧路市市内の小学生が行方不明になった。

    湿原に落ちたと思われるが、帰ってくることはなかった。

    それから17年、姉の松島比呂は刑事として釧路に着任し、

    その湿原で発見された他殺死体の現場へ。。。。


    事件の捜査を始めると、そこには、激動の時代を生き抜いた、

    顔のない女の一生が浮かび上がる!




    最初から、面白くて、ぐいぐい引き込まれてしまいました。

    時代が交差し、ある女性の存在が重要なカギになってくるのだけど、

    それが、一体誰なのか?。。。わくわくドキドキ。。。


    が。。。。最後の最後で犯人がわかるのですが、

    なぜこの人が犯人なの?

    いったい、犯行の動機は何?

    ??????


    私の理解力がないのか?!。。。と、もう一度パラパラと読み返したけど。。。

    うーん。。。。納得いかない。。。という感じでした。

    惜しい!一冊です。

  • 樺太の話〜とても興味深かったが、犯人の動機にあたる人間関係をもっと詳しく書いてくれないと、腑に落ちにくい。誰が誰だかちょっと混乱した。

    釧路湿原、普通に観光コースに入っているけど、怖いねぇ!

  • 桜木紫乃さんの作品、初めて読みました。北海道警察釧路方面本部刑事一課。松崎比呂。樺太からの引き上げ、その時代に生きた人達。。

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著者プロフィール

1965年北海道生まれ。2002年「雪虫」で第82回オール讀物新人賞を受賞。07年、同作を収録した『氷平線』で単行本デビュー。13年、『ラブレス』で第19回島清恋愛文学賞、『ホテルローヤル』で第149回直木三十五賞を受賞。『ワン・モア』『起終点駅(ターミナル)』『ブルース』『それを愛とは呼ばず』『霧(ウラル)』『裸の華』『氷の轍』『ふたりぐらし』『光まで5分』『緋の河』等、著書多数。

「2020年 『砂上』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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