- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094087611
作品紹介・あらすじ
一九六三年から一九七〇年まで、ビートルズの登場から解散までの六〇年代を背景に描く青春小説の名作が甦る。淡い恋、性へのときめき、そして音楽。少年は、ジョンとポール、ジョージとリンゴ、そして愛する恋人を抱きしめて時代を駆け抜ける。
感想・レビュー・書評
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ビートルズや1960年代の空気感が好きなら星4つ。
青春小説としてはつまらなくはないけど、
すごくおもしろいわけでもないかな。
物語は終始淡々としており、大きな起伏はない。
しかしそのなかに友人との出会いと別れ、
好きな女の子にストレートに気持ちを伝えられないもどかしさ、
人生を左右するような衝撃(ビートルズとの出会い)などは描かれており、
この時代に生きていなくても、どこか自分に置き換えても共感できる懐かしさを感じさせられた。
最後の終わり方も良いと思う。
基本的には楽しく読めたが、
主人公の人間性がよくわからず行動原理が理解しきれなかったので、
個人的感想として星3つとさせていただいた。 -
松村雄策のロマンチシズムに満ちたラブストーリー、ビートルズと共に。
ロッキンオンの松村雄策のディスクレビューはアーティストへの愛に満ち溢れていて、好きだ。
が、この小説はあまり頂けなかった。
たぶん、自分の学生時代をもとに作られた小説であろう。
時代背景なのか、男女のやりとりもかなり強引で、読んでいる方としては、きょとんとしてしまった。
それと、ロッキンオンとか他の著作でも言っている『俺はビートルズを武道館で見たんだ!』『ビートルズと俺は育ったんだ!』『ビートルズこそ俺の学生生活そのものだ!』という色が濃すぎて、そろそろいいかなと思った。
最後らへんでマリファナでサイケになっていくあたりはいいけど、最後久美子と草原で終わりというのもなぁ。
よく言っている『レットイットビー』の映画を最後見に行って、あぁビートルズは終わったんだなぁと、空虚感ぽい感じで締めくくって欲しかったかな。 -
ビートルズとの遭遇の物語にはいつも羨望を感じる。どんどん細分化して行く今の音楽シーンからは、こういった事象は発生しえないだろうから。90年代のニルヴァーナが最後だったんだろうか。
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私よりも5歳年上の世界。ちょっと大人っぽい女の子がいて、ビートルズに命をかけ、エレキギターを武器として学園紛争に向かっていく。そんな時代を等身大で書いている。レコードを聴くにも、ギターを弾くにも、女の子と手を繋ぐにもすべていっぱいいっぱいで必死だったあの頃がある。
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松村雄策の自伝的青春小説、と言っても松村って誰だれだよ?と思うのが普通である。
あのロック雑誌「ロッキングオン」で創刊当時から渋谷陽一とクダらないお笑いロック妄想対談「渋松対談」を続けてウン十年、ビートルズ評論家そして熱烈なファンであることがその存在の全て(?)という松村雄策だ。
小学校の五年生でビートルズと出会って、中学生で伝説の武道館公演を見に行き、そして高校を退学し、バンドを組むという当たりまでまさにビートルズと共に歩んできた松村の青春記なんだろうということが伺える物語だ。
但し、ビートルズが好きだからといって松村の青春記に必ずしも同調するものではないし、渋松対談で嫌というほど松村雄策を知っているので嬉し恥ずかし青春記は読んでいるこちらがかえって恥ずかしくなるような物語だ。