- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094087697
作品紹介・あらすじ
一途な恋の行方を描く江戸っ子鍼師の一代記
ボコボコにされておしゃあのもとに駆け込まれた男は、瀬戸内育ちの漁師で古川庄八といい、幕府の命により水夫となり、江戸にやってきていた。女郎上がりで鍼師となったおしゃあは男嫌いだったが、庄八と恋に落ちる。庄八は、次第に重用され、オランダにまで留学するようになる。戊辰戦争では、幕府方として函館で明治政府軍と戦って捕らえられる。解放された庄八に会いたさに、函館まで出かけていったおしゃあだったが、そこには奈津という許嫁がいた……。
将軍の侍講にしてジャーナリストの成島柳北、安田銀行・安田生命の創業者である安田善次郎などの傑物もおしゃあと親しい患者として登場。
治療の腕と気っぷの良さは天下一品! 逞しいけど恋には純粋な江戸っ子おしゃあの、一途な恋の行方を描いた幕末明治一代記。
単行本刊行時には、『笹色の紅 幕末おんな鍼師恋がたり』という題名でしたが、文庫化に際し改題しました。
【編集担当からのおすすめ情報】
単行本刊行時には、縄田一男氏、北上次郎氏ほか文芸評論家が書評で絶賛された作品です。
今回は、推薦オビを女優の杏さんに、解説を立川志らくさんが書いてくれることになりました。
感想・レビュー・書評
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なんでこんなに読んでる人少ないんだろう。面白いのにもったいない!鍼師おしゃあのキャラが強烈!江戸っ子でぇい!てやんでぃ!粋だなぁ。笑ったり切なくなったり最後まで面白かった。古川庄八、安田善次郎、成島柳北、と実在するらしい人物が多く出てきて、どんな人かネットで調べながら読みました。
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苦労人の鍼師おしゃあの健気さと,素朴な漁師庄八の恋愛模様がどこか噛み合ってないところも含めていじらしい.江戸っ子のきっぷの良さも生き生きと描かれて,成島柳北や安田善次郎の脇役も主人公と言っていい程精彩を放ち,幕末の混乱期を鮮やかに切り取っている,そして,江戸っ子達のたくましさにほれぼれした.
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ざっくり言うと時代ものの恋愛小説だけど、鍼の治療から幕末の江戸の風俗などてんこ盛りで楽しかった。
庄八さんは実在してたんだ。こんなカップルいただろうな。
江戸はさばけてていいな。 -
おしゃあの一代記というより、おしゃあと庄八二人の記録って感じ。おしゃあの過去の苦労の上にあるきっぷの良さが気持ち良いのですが、二人の人生を追うせいか話が散漫になって、後半は勢いが無くなってしまい残念。
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江戸っ子女鍼師のおしゃあの、幕末から明治にかけての物語。
お相手役には、塩飽島から来た水夫、のちに幕府公式のオランダ留学生に選ばれ箱館戦争にも参加した古川庄八を。
女流作家さんの歴史作品はクセがあるものが多いような気がしますが、主人公おしゃあの江戸っ子ならではの気質からなのか、はたまた筆者自身の持たれる気質からなのか、サッパリとした文調で気持ちよく読める作品でした。
これもひとつの、女の生き方。
ですね。 -
江戸から明治に生きた粋な女性の話。キップがよいとはこういうことか。
恋愛というよりは時代の景色が楽しめた気がする。
鍼灸院に一度いってみたくなるなぁ。肩凝りなおりそう。
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