女ともだち (小学館文庫 か 29-1)

  • 小学館
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本棚登録 : 247
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094088052

作品紹介・あらすじ

女ともだちは、恋人よりも愛おしい。人気女性作家5人が競演する魅力あふれる恋愛小説アンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • おんなともだちに、まつわる短編集。
    なんですが、どの話も派遣で働く女性の気持ちが書かれていて、私が派遣で働いていた時が、フラッシュバックするような描写があちこちに。
    一話目のここじゃないんだ。。あるある!

  • 2023/8/5

    短編集。
    派遣社員にまつわる話たち。
    「海まであとどれくらい?」角田光代
    「野江さんと蒟蒻」井上荒野
    「その角を左に曲がって」栗田有起
    「握られたくて」唯野未歩子
    「エイコちゃんのしっぽ」川上弘美

    通勤読書にぴったり。
    どの作品も雰囲気が好み。友達の話を聞いてるみたい。
    野江さんと家飲みしたいし、ひとみさんと旅行に行きたいし、やぎちゃんと夜の街を散歩したい。

    唯野未歩子さんは初めて読んだかも。また他の作品を読んでみたいな。

  • タイトル通り、女性同士の友情がテーマのアンソロジーかと思っていたら、もうひとつ「派遣社員の」という縛りもあったみたいで、知らずに読んだので「なんでみんな派遣社員なんだろう?イマドキの社会情勢反映するとこうなるの?」と不思議に思っていました(苦笑)。正直、不要な縛りだった気がします。基本設定が派遣社員に限定されることで、どうしても似通った部分がでてくるし、派遣の経験のない人には共感しづらいだろうし、もっとバラエティに富んだ関係性のものも読みたかった。

    とはいえ、私自身は結構長く派遣で生活していたので「派遣あるある」的な部分は面白かったです。逆に「それはないわ~」と思う作品もありましたが、ストーリーの本筋とは関係ないのでまあ流せました。

    一番好きだったのは角田光代の「海まであとどのくらい?」。かつて一緒に働いていた5人の派遣仲間が再会するお話なのですが、個人的には一番共感度も高く、5人のキャラクターもそれぞれ個性的で、さすが角田光代という完成度。

    栗田有起「その角を左に曲がって」は左側ばかり怪我をするひとみさん、川上弘美「エイコちゃんのしっぽ」はタイトル通りしっぽのあるエイコちゃん、と、ちょっと特殊な個性をもったキャラクターが登場するあたりに作者の持ち味が出ている感じ。

    井上荒野「野江さんと蒟蒻」は「野江さん」のキャラが結構強烈(笑)。コミカルでもあるけど、怖いような気もする。

    唯野未歩子「握られたくて」は唯一読んだことのない作家さんでしたが、正直共感度はいちばん低く、友情展開もやや唐突で、個人的にはイマイチだったかな~。

  • 井上荒野さんの「野江さんと蒟蒻」が気になった。青ちゃんは野江さんが気になっていて、野江さんは青ちゃんが好きだったんだろうか。野江さんは、青ちゃんをつけていたのだろうか。蒟蒻を青ちゃんの家の台所で叩き潰した原動力は、青ちゃんの彼女への嫉妬心だったんだろうか。もう一度10年後くらいに読み直してみたい。
    この本「女ともだち」は、派遣で働く女性が主人公に据えられていて、あんまり自分とは価値観が合わない気がした。でも、こんな風な価値観を持って生きている人もいるんだなあと思った。

  • 井上荒野さんの話だけ良かった。
    あとは軽〜いお話。

  • 女性作家による派遣社員を中心とした短編集でした。テーマは「ともだち」ではなく何故、「女ともだち」なのかな? 主人公たちの立場は、「会社員」ではなくあえて「派遣社員」として、読み手の前提条件はどれぐらい違うんだろう。メタファや、複雑な事情がが多いかなと、期待をして手に取ったのですが、意外にもさらりと読み終えました。井上さんの蒟蒻の編が一番好き。男性が結婚相手の女性に抱くちょっとした違和感を、料理や服装の嗜好を使って微細な表現で表すあたり、さすがでした。

  • 派遣社員として働く女性が主人公のアンソロジー5編。
    角田光代 『海まであとどれくらい?』、井上荒野 『野江さんと蒟蒻』、唯野未歩子 『握られたくて』、栗田有起 『その角を左に曲がって』、川上弘美『エイコちゃんのしっぽ』

    どれも優しくて、結末が有るような無いような話、印象には残らないな。
    (図書館)

  • 『女ともだちは、恋人よりも愛おしい』
    全体的にどこか優しげで暖かい雰囲気でした。
    そんな中、井上さんの「野江さんと蒟蒻」だけが異質さを放っていた。いきなりやって来て
    麺棒で生板の上の蒟蒻を叩き続ける女…怖いわ!友達なのかは疑問だが一番印象に残った。

  • メインは、女ともだちというより、派遣社員として働く女たち。ハケンで働く人にもいろいろいるけどなぁ、と思いつつ、さらっと読めた。

  • 女ともだち。タイトルに引かれて読んだ。自分の女ともだちにはいないタイプの話ばかりで共感できるものはあまりなかったけれど、読み終わったあと、仲の良い女ともだちに会って話がしたくなった(笑)

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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