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本 ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784094088328
作品紹介・あらすじ
戦時下にタイムスリップしてしまった家族
東京近郊に住む平凡な家族は、ある朝、戦時中(昭和19年)の日本にタイムスリップしていた――信じられないようなSF的設定で始まる問題作。家族が投げ込まれた世界は、戦時下の「食糧不足」「言論統制」「強制疎開」「大空襲」の時代だった。憎むべき〈戦争〉の時代に、〈飽食した〉現代人はどう立ち向かうのか。太平洋戦争末期、敗戦へと向かう日本を鮮烈に描きながら、驚くべき結末が待ちうける戦慄の寓話。
解説、奥田英朗
感想・レビュー・書評
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実際に戦時を生きた作者だからこその描写がリアルで生々しかった。(個人的には銭湯のくだりが1番生々しく感じた。)
ラストの解釈に少し戸惑ったけど、伝えたいことは読み取れた気がしたので満足…!
あとがきにて山田さんが「アメリカが原爆を使用するまでに道徳的葛藤があった。使用したことには全く擁護は出来ないけれど、日本ももし原爆持ってたら絶対使ってたと思います。」と記載されていたのは色々考えさせられる…
反対というわけではなく、自分も同じ意見ではありつつ、アメリカの原爆使用について非難されるべきは「絶対に勝てる状況で使用した」という点で、これについてはどう考えてもおかしい。
同じ状況であれば日本は使ってなかったのでは…と思いたい…
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もしも、今タイムスリップしたら?
今の記憶を持って過去に戻ったら、自分ならどうするだろうか?
誰しもが一度ならずとも思ったこと、想像したことあるだろう、もしもの話
この先の未来を知っていて、それでも自分は自分でいられるのか?
そして、これは本当に過去なのか?
それともーーー
SFと恐怖が見事に重なっている
ラストまで見逃せない
本閉じた後、自分ならどうするだろう?どうなるだろう?
と、考えたくなる余韻をくれる一冊です -
戦時中にタイムスリップした家族。
ラストは現代に戻るのかと思いきや、、
実はタイムスリップでもないような、
知った顔や、知り合いがいっぱい出てきたらもっと違う物語だったかな。
親も戦後生まれという時代に生まれ、
戦争は昔の話
な、自分たちにも比較的読みやすい。
本自体は作り話だけど、
戦争は本当にあったこと。怖い本。 -
ネタバレ注意
今まで読んだ戦争モノは過去の戦争の恐怖を伝えるものだった。この本もそうだと思って読んでいたらまさかの衝撃のラスト。
9条の改憲などが議論されている今の日本に必要な本だと思った。
特に改憲賛成派の人には必ず読んで欲しい。自分たちがやろうとしていることがどういう結末を導くのか、よく分かると思う。 -
ある家族が昭和19年の太平洋戦争終結の一年前にタイムスリップし、その中で自分たちができることはないか葛藤し、東京大空襲の犠牲者を1人でも救おうと決意し行動するが…歴史は少し変わっていた…そんな物語だ。
ちょっと最後はなんとも言えない無常感、そして未来への警鐘のような…名作ドラマだった。
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著者プロフィール
山田太一の作品





