金米糖の降るところ (小学館文庫 え 4-2)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094088663

感想・レビュー・書評

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  • 登場人物には誰ひとり共感出来ないけれど、不思議な世界観に魅了されて1日で読み終えた。

  • 初めて読んだけれど、世界観が独特で綺麗。
    入り込んで読むって言うより、世界をのぞかせてもらう感じ。

  • 恋人を共有するのはきっと非道徳的な行為だけれど、それが正しくないと言いきれないとおもわされるのは、江國香織の文章の力だ。

  • ここに登場する人たちは皆不道徳です。けれどある意味、誠実でもあると思います。生きるというのは孤独な作業です。欲しいものを手に入れ、満ち足りた生活をしていても、寂しさはつきまとうものです。愛情でさえ、その寂しさをぬぐい去ることはできません。だからせめて、自らの感情に誠実であることが、ときとして必要になるのかもしれません。
    愛憎にとどまらないもっと複雑な感情が描かれているにもかかわらず、文章は淡々としています。けれど、行間から立ちのぼる空気は、冷ややかでも刹那的でもありません。むしろ穏やかさや、温もりといったものが感じられるから不思議です。生きるために必要なのは、愛なんていう不確かなものではなく、寂しさに慣れ親しむことのできる、しなやかな意思のようなものなのかもしれませんネ。

  • ああ、何も感じない人だらけ。
    もう嫌になるわ、登場人物を通してわからせられる自分の穢さ。江國さん。一体なにを。
    読後は、安全で清潔な恋(そんなのあるかしら)をしたいと思った。

  • 手放して、これ以上愛さなくていい、と安堵するところなんて恐ろしいまでの描写で、これまた好き嫌いは分かれるでしょうがわたしには全然ファンタジーなんかじゃなくリアルで溺れるようでした。

  • 父より老いた男性に知性や安心を感じるアジェレンの気持に一番に共感してしまった。というより姉妹でありながら男を共有してきた佐和子とミカエラの関係は余りに親密で入り込めなかった。達哉も二人を切り離せないのだろう。恋愛とは相手を唯一無二だと錯覚することではと思うけれど姉妹は男というより人生を共有し過ぎてしまったのかも知れない。子供の頃の世界に住み続けながら恋愛や性愛に生きるアンバランスさに驚く。

  • 全く理解出来ない考え、行動、感情を持ったりしたりする人々にはこの世の中にはまだまだ沢山いる、と知れただけでこの本を読んで良かった。
    流れる様な文体、会話は何故かさらさらと入ってくる。

  • 江國さんの書く文章がすき

  • 「嗚呼、そうだこの2人に会いたかったんだ」
    読後そう思わせてしまうほど、江國さんの描く女性は強く照らされている。

    した事の無い恋愛の、した後の心持ちを、こんなに共有できる。ヘンテコなのに、ブレない。
    カリーナのように佐和子のようになりたい。

    恋愛を終えた時読むのに、こんなに一緒に居てくれる本は他にはいない。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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