短歌という爆弾: 今すぐ歌人になりたいあなたのために (小学館文庫 ほ 4-3)
- 小学館 (2013年11月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094088694
作品紹介・あらすじ
人気歌人が放つ、衝撃の短歌入門書!
人気歌人、穂村弘による衝撃の短歌入門書が待望の文庫化。冷たく不気味な世界のすみっこで「短歌という爆弾」を炸裂させて、世界の心臓を爆破しよう。短歌の「製造法」(レッスン)、「設置法」(作った短歌をどう広めるか)、「構造図」(現代短歌の魅力の解剖)を、都市を疾走する歌人、穂村弘が熱く語る。文庫化にあたって、21世紀の短歌についての著者ロングインタビューと、歌人枡野浩一氏による解説を収録した。
【編集担当からのおすすめ情報】
穂村弘の爆笑エッセイ『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』も、小学館文庫から好評発売中です!
感想・レビュー・書評
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「何かをみつけるの何かって、いったいなんだ。これだというものって、いったいどれだ。今すぐにそれをやり始めて、世界と自分を決定的に変えられるような何かはどこに隠れているんだろう。
経験的に私が示せる答えがひとつある。それは短歌を作ってみることだ。案外そんなところに、「何か」は隠れているものではないか。
(中略)
その時々の景色や感情を封じこめるという点で、短歌は写真みたいなものであり、生き生きと想いを伝えられるという点で、手紙みたいなものでもありますね。
そしてぼくたちが大昔の歌に感動できたり、逆に未来の読者を夢見たりできるという点で一種のタイムマシンでもある。あと言っておきたいのは、今しか作れない歌が必ずあるということ」
なんとも私にとっては魅惑的な文章でした。
短歌は歌集を出そうとか、歌人になろうとか大きすぎる野望がなければ、誰でも挑戦できるジャンルだと思い、心が動かされました。
それ程までに、この本は面白く魅惑的なのです。
この本は短歌というものは何か知りたい人から上級者でプロを目指す人にまで向けて書かれています。
解説で枡野浩一さんが、
「短歌には興味がないが、穂村弘の顔やエッセイのファンであるというあなたや、短歌に興味を持ち始めたばかりで親切な入門書をさがしているあなたは、本書を買わなくていいかというと、買っておいたほうがいいと思う。
(中略)
本書は「短歌入門」のスタイルをとっているが、ほんとうは初心者向けではない。初心者には理解不能の言葉がたくさん書かれていると思う。初心者でない私にもいまだに理解しがたい部分もある。けれども、だからこそ、あなたは本書を買っておくべきだ。
今はよくわからなくても、本書に書かれていることが必ず必要になる日が来る。あなたが短歌または穂村弘に興味を持っている場合。「ああそういうことだったのか」と本書を読み返したくなる日が来るのです」
とおっしゃられています。
私は歌集の読み方の教科書として本書を買いましたが、確かにこの本は初心者には難しくてわからないところが多々ありました。でもこのまま飽きずに短歌を続けて読んでいけば、もう一度この本を読み、この本の言っていることがわかることもあるかもしれないと思います。
ご紹介下さった5552さん、とても興味深い本をありがとうございました。 -
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5552さん
いえ、私の方から質問しておきながら、失礼いたしました。
特に、落ち込んでいるとか、そういう事はありませんので。
今まで通りの...5552さん
いえ、私の方から質問しておきながら、失礼いたしました。
特に、落ち込んでいるとか、そういう事はありませんので。
今まで通りの心境です。2023/01/13 -
たださん
そうなんですね。
それは良かったです。
今回、お話できて嬉しかったです。
ありがとうございました。
また、こちらから...たださん
そうなんですね。
それは良かったです。
今回、お話できて嬉しかったです。
ありがとうございました。
また、こちらからもたださんのレビューにお邪魔するかもしれません。
そのときはよろしくお願いします。
2023/01/13 -
5552さん、こちらこそ、ありがとうございます。お気を遣わせてしまいましたね。
最近は仕事が連勤中で、感想は書けずに、こうして、コメントの...5552さん、こちらこそ、ありがとうございます。お気を遣わせてしまいましたね。
最近は仕事が連勤中で、感想は書けずに、こうして、コメントのやり取りをするくらいしか出来ないのですが、いつでもお待ちしておりますし、私もお邪魔いたしますので、よろしくお願いします。2023/01/13
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今すぐ歌人になりたいわけではないが。「0導火線」で期待高まり「1製造法」「2設置法」の楽しげな雰囲気に浮かれる。が「3構造図」で穂村さんの意外と熱い理論的な説明に充実感と難解さも感じる。それもまた新鮮。解説の枡野浩一さんも良い。
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111108、おはよう!
今すぐ歌人になりたいわけではないが、って始まり方面白いな。思わず笑っちまったぜ!
この本面白そうだな。行きつけ...111108、おはよう!
今すぐ歌人になりたいわけではないが、って始まり方面白いな。思わず笑っちまったぜ!
この本面白そうだな。行きつけの本屋や図書館には置いてなかったと思うから、今度取り寄せてみようと思う。2022/11/13 -
張飛さん、おはようございます!
ふふふ…何だかちょっと照れちゃったんですよね。「すぐにモテる秘訣」みたいな本を読んでるの見つかった時「いや...張飛さん、おはようございます!
ふふふ…何だかちょっと照れちゃったんですよね。「すぐにモテる秘訣」みたいな本を読んでるの見つかった時「いや、そんなつもりじゃなくて〜」と言い訳するような?
穂村さんの本気度がうかがえる本でしたよ。張飛さんのように短歌作っている人にとっては、具体的で実践的かも。最初書かれた時から20年位経ってるのですが、文庫版あとがき対談では取り巻く状況やその後出てきた歌人達についても書かれてます。
2022/11/13 -
111108、確かにその感覚は凄く分かるぜ!
もし俺がモテる秘訣の本を読んでるのを関羽に見つかっら「おまえにプレゼントしようと思ってたんだ...111108、確かにその感覚は凄く分かるぜ!
もし俺がモテる秘訣の本を読んでるのを関羽に見つかっら「おまえにプレゼントしようと思ってたんだ」的な言い訳をしてしまいそうだ。
あとがき対談も気になるから、今持ってる本を読み終えたらぜひ読んでみたい。ありがとよ!2022/11/13
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昨年の年末に、111108のレビューを読んで購入した。読みごたえがあって何度も読んだ。
一番印象に残ったのは、5552もレビューで書いていた「オートマティック」な感じになるのはだめというものだ。慣用句的な表現といっていいかもしれない。慣用句的な、みんなが使いそうな表現を使うと、オリジナリティが希薄になる、そんな内容を書いていて勉強になった。
2章の設置法では、歌集の作り方などを著者自身の経験をもとに書いている。歌集のタイトルは自分の名前とのバランスが大事など、他の短歌入門書ではあまり書いていないことも丁寧に書かれている。
3章の構造図は、いろんな短歌を分析している論文のようで少し難しいが、凄く深くて短歌を作るうえでとてもためになる内容だ。-
5552、ハッピーバレンタイン!コメントありがとう!ブログも見てくれてありがとう!
言葉がスルスルと出てきたら意外と注意、確かに!俺も完成...5552、ハッピーバレンタイン!コメントありがとう!ブログも見てくれてありがとう!
言葉がスルスルと出てきたら意外と注意、確かに!俺も完成した短歌を少し時間を置いて、オートマチックになってないか見直そうと感じたぜ。
それと、この本を読んで短歌って凄く深いなーと感じてもっと短歌を作ったり読んだりしたいと思ったよ!2023/02/14 -
みなさんこんにちは♪
短歌のオートマチック避けたいのは、お笑いでベタな笑いに持っていくのを避けるのと似たところがあるのかもしれませんね。
...みなさんこんにちは♪
短歌のオートマチック避けたいのは、お笑いでベタな笑いに持っていくのを避けるのと似たところがあるのかもしれませんね。
NHK短歌これからも楽しみです♪2023/02/15 -
111108、そう言われてみればベタな笑いにするのを避けるのに似てるかもしれねえな!
オートマチックという言葉自体を聞くのが、宇多田ヒカル...111108、そう言われてみればベタな笑いにするのを避けるのに似てるかもしれねえな!
オートマチックという言葉自体を聞くのが、宇多田ヒカルの曲名以来だったからとても新鮮で面白い表現だと思ったぜ!2023/02/15
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来月短歌入門教室に通う予定で予習のつもりで読んだ。
今すぐ歌人になりたいあなたのためにとあるのに、解説の方が、初心者向けじゃないですって。
ほんと、そうです。
メールレッスンはとても楽しそう。
批評会のお知らせは行きたくなっちゃう。
十二か月の歌はとても素敵。
覚書
短歌は写真みたいなもの 一種のタイムマシン
今しか作れない歌が必ずある
その川の赤や青その川の既視感そのことを考えていて死に損なった 早坂類
好きだった世界をみんな連れてゆくあなたのカヌー燃えるみずうみ 東直子
ひどくあいしたあとはコーラの缶のあかビールの缶のぎんならぶだけ 加藤治郎
いいえいいえわたしはここに残ります割れたコーヒーカップ見つめ 東直子
かたむいているような気がする国道をしんしんとひとりひとりで歩く 早坂類 -
短歌について知るための入門書のようだけれど、ずいぶんボリュームがあって難解だった。
構造図の章では、著名な短歌の読み解き方を事細かく解説してくれているが、『〈実存的な読み〉の可能性を探る』という形而上学みたいな話で、ほとんど何を言っているのかちんぷんかんぷんだった……。
でもそれこそ今すぐ歌人になりたい人にとってはスペシャルに親切な文章なのやもしれない。私は歌人にはなれぬ……。
でも心に残る表現はたくさんみつかった。
ふわふわしたことばっかり言っているほむほむさんが好きだけど、こういう真面目な話をしているほむほむさんもすてきです。
「世界を覆す呪文を求めて」の終章は、穂村弘さんがどのように短歌と出会っていったかがイノセントに綴られていてたまらない気持ちになる。
〈それまでに誰も考えなかったような、自分だけの呪文を意識して歌を作るようになった。それとともに、誰か僕の呪文を好きになってくれないだろうか。誰かそれを覚えていっしょに唱えてくれないだろうか。そんな風に思うようになった。たまたま隣の席に座った友達に歌のカードを見せてみた。友達はちょっと困ったように歌を見て「いいね」と言った。 〉 -
穂村弘(1962年~)氏は、札幌市生まれ、上智大学文学部卒、1986年に連作「シンジケート」で角川短歌賞次席(同年の受賞作は俵万智の『サラダ記念日』)、1990年代には加藤治郎、荻原裕幸等とともに「ニューウェーブ短歌」運動を推進した、現代短歌を代表する歌人の一人。エッセイスト、絵本の翻訳家等としても活動している。
私は50代の会社員で、最近短歌に興味を持ち始め、これまで俵万智、穂村弘、東直子、枡野浩一、木下龍也等の歌集や短歌入門書、また、現代短歌のアンソロジーである、山田航の『桜前線開架宣言』、瀬戸夏子の『はつなつみずうみ分光器』、東直子/佐藤弓生/千葉聡の『短歌タイムカプセル』等を読み、半年ほど前から新聞短歌に投稿している(最近ぽつぽつ採用もされるようになった)。
本書については、少なくない若手歌人が、短歌をつくるきっかけとなったとか、影響を受けたと語っていることから読んでみた。(実は、著者の入門書では、『はじめての短歌』を読んだ後、本書を一度本屋で手に取ったことがあるのだが、難しそうで断念した)
そして、今回一通りページを繰ってみたが、著者が「読み手にインパクトを与えて、世界を一瞬揺るがせる短歌の魅力とはいったい何なのか。破壊力のある爆弾の中身はどうなっているのか」を語ったメインの章については、一つ目に挙げられていた、いい短歌は読者に「共感(シンパシー)」を抱かせるだけではなく「驚異(ワンダー)」を与えるものである、という点以外は、残念ながら消化不良に終わった。そういう意味では、解説で枡野浩一が書いているように、本書は「初心者向けじゃ、ない!」し、素人・初心者には枡野の『かんたん短歌の作り方』、木下龍也の『天才による凡人のための短歌教室』、俵万智の『考える短歌』等の方がはるかに実践的・有用だろう。(私はいずれも読んだ)
また、本書には、文庫化(2013年)された際に、単行本(2000年出版)の内容に、「爆弾のゆくえ 現代短歌オデッセイ2000~2013年」というインタビューが加えられており、そこでは、著者や俵万智の世代以降の短歌界の歴史について語られているのだが、こちらは、上述した現代短歌アンソロジーで多数の歌人の作品を読み、その主題・スタンス・スタイルのバリエーションの広さに驚いている私としては、とても興味深く読むことができ、頭の整理にもなった。
もう少し作歌を続けてから、改めて読み直してみたいと思う。
(2021年12月了) -
タイトルと著者からどれだけラジカルなお話かと期待するが、なんと本当に歌人になりたい人へのレクチャーなのである。しかしやはり、なぜ爆弾が欲しいのか、扉を吹き飛ばす呪文が欲しかったのだ、という原動力が描かれていて、そこにとても惹かれるのです。製造法、設置法、導火線、構造図と、爆弾のように描かれている。どんな出版社から出すか、紹介文を誰に書いてもらうか、なんてくだりまで。短歌がつくりたかったわけではないが、僕も爆弾を作りたかったのかなあ、と思った。説明がうまくできない「力」というか、そういうの。
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短歌の入門書のようでいて、けっこう難しいところまで踏み込んでいます。歌の読み込みや歴史的な説明など中盤は私には難解過ぎましたが、「これいいなあ」と思う歌にたくさん触れることができたのは嬉しかったです。
私が短歌を作ってみる起爆剤になってくれたわけで、やはり名著と呼ぶべきなのでしょう。これから「爆弾」を作り続けたら難しく感じた部分も素直に読めるようになるかもしれないと思うと、ワクワクしてきました。いや、違った。短歌だけに、和歌和歌してきました。 -
詩歌らしきものが自分でも作れるのではないかと思わせる本です。phaさんの紹介で読んでみました。でも実際手を動かしてみると難しい。
生穂村さんは、お会いできたのが当時はそんなに凄いことだと思っていなくて、印象が薄いんです。あまりよく覚えていなくて。
言...
生穂村さんは、お会いできたのが当時はそんなに凄いことだと思っていなくて、印象が薄いんです。あまりよく覚えていなくて。
言葉そのままですが、印象の薄い方だった気がします。
当時、私が短歌にそれほど興味を持っていなかったせいもあると思うのですが。
でも、私の講座でできた友人も、穂村さんが好きで「来月は穂村さんが来るならいこうかな~」とか言っていたし、凄い人気ですよね。
枡野浩一さんが、俵万智より『シンジケート』の方が売れるはずだとこの本でおっしゃっていましたよね。
5552さんZoom参加難しいのですね。
まだ、穂村さんがいらっしゃると決まった訳では全然ないんですけど残念ですね。
コロナ禍も、引いてきたので対面でやるってこともあるかもしれません。
県外からの参加者も凄く多い講座なんですよ。
昔は講座後にサイン会と懇親会があってすごく楽しかったのですが、なくなっちゃいました。
まだ、穂村さんが来ると決まった訳では全然ないのですが。
まことさんのお話を聞いて、穂村さんに失礼ながら「ほむほむらしい〜」と感じてしまいました。
エッセイなどで読む穂村さんは、...
まことさんのお話を聞いて、穂村さんに失礼ながら「ほむほむらしい〜」と感じてしまいました。
エッセイなどで読む穂村さんは、エネルギッシュで活動的なイメージはなく、どちらかというと、物静かなイメージ。
お声もソフトですし、人を圧する雰囲気などない方でだろうと、思います。
あと、もうひとつ。変なこと言うようですが、生放送とか苦手なんです。しかも、Zoomだと、双方向でやり取りできて、質問タイムとかもあるかもですよね。
心臓が堪えられそうにありません(←少しおおげさか 汗)
なので、憧れの作家さんたちと直に会ってちゃんと交流できるまことさんを尊敬します。
そうですね。
穂村さんは印象に薄いというのが、結構そのまんまかもしれないですね。
私もそんな気がします。
生放送...
そうですね。
穂村さんは印象に薄いというのが、結構そのまんまかもしれないですね。
私もそんな気がします。
生放送が苦手なんですね。
そういう方もいらっしゃるんですよね。
人それぞれですよね。
あと、前の話に戻るのですが、杉崎さんが存在しないというのはわかります。あんな素敵な歌を作る方はなんか俗世にはいないというか。
本当にあんな方がいらっしゃるのかな~。夢じゃないのかなとか。