くちびるに歌を (小学館文庫)

著者 : 中田永一
  • 小学館 (2013年12月6日発売)
3.88
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  • レビュー :228
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094088816

作品紹介・あらすじ

青春小説の新たなるスタンダードが文庫化!

長崎県五島列島のある中学合唱部が物語の舞台。合唱部顧問の音楽教師・松山先生は、産休に入るため、中学時代の同級生で東京の音大に進んだ柏木に、1年間の期限付きで合唱部の指導を依頼する。
それまでは、女子合唱部員しかいなかったが、美人の柏木先生に魅せられ、男子生徒が多数入部。ほどなくして練習にまじめに打ち込まない男子部員と女子部員の対立が激化する。
一方で、柏木先生は、Nコン(NHK全国学校音楽コンクール)の課題曲「手紙~拝啓 十五の君へ~」にちなみ、十五年後の自分に向けて手紙を書くよう、部員たちに宿題を課していた。
提出は義務づけていなかったこともあってか、彼らの書いた手紙には、誰にもいえない、等身大の秘密が綴られていた--。



【編集担当からのおすすめ情報】
著者の中田永一さんは、乙一さんの別名義でもあります。

帯には、アンジェラ・アキさんの推薦コメントが入る予定です。
解説は、作家のねじめ正一さんが執筆されています。

くちびるに歌を (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ☆☆☆☆☆5をつけたのは

    【くちびるに歌を】 永田永一著

    NHK全国学校音楽コンクール、通称”Nコン”
    長崎の五島列島にある中学校の合唱部が目指したNコン。
    課題曲はアンジェラ・アキがNコンのために作った『手紙~拝啓 十五の君へ』

    臨時音楽教員の柏木先生。
    柏木先生目当てに入部してきた男子部員たち。
    それまでは女子だけの合唱部だったため、部員たちは戸惑い、不満だらけ。
    バラバラだった合唱部がぶつかり合いながら、同じ目標に向かって成長していく。
    「ザ・青春」です。
    どんどん引き込まれ、ラストは胸キュン。

    著者である永田永一さんは、乙一さんと同一人物。
    知らなかった…
    乙一さんは山白朝子名義でも小説を執筆しているのだとか。
    永田さんの本はこれが初めて。
    乙一さんの本は読んだことがない。
    ちょっと読んでみたくなった。

  • とある読書会で紹介いただいた一冊。
    舞台は長崎は五島列島のとある中学校。

    そこの合唱部に、ちょっと風変わりな美人ピアニストが、
    顧問として来るところから、物語は始まります。

    それまでは女子部員だけだった合唱部ですが、
    そこに美人顧問目当てに入部してきた男子部員が参加。

    そして、動機が動機だけに、真面目に練習をしない男子、
    当然のように、男女の対立が始まります。

    それを知ってか知らずか、部員たちに、、
    「15年後の自分への手紙」を書く課題を出します。

    それをきっかけに、というわけでもないのですが、
    徐々に一つにまとまっていく様子が、青春だなぁ、、と。

    15年前の自分は何をしていたのかな、
    そんな風に思ってしまうのはやはりいい年だからでしょうか。

    『楽隊のうさぎ』とあわせて子どもにも読ませてみたい、
    そんな風に感じた一冊です。

  • 爽やか

    こころが洗われる気がする

  • 来し方行く末に思い悩むのは、内容は違えど昔も今も同じなのかもしれない。何処にも辿り着けない自分があって、胸に萎れた想いを抱えた者がいて。泣いて破って晴れて笑って、一つ一つクリアして大人になっていくのだと思います。あの頃は怖くて想像も出来なかった15年後はちゃんとやって来ました。沢山の出会いと別れがあって、生まれる命と去る命も見てきて、世の中は大きく変わってしまったけれど自分は変わらず自分を生きている。15年とはあまりにも早くて苦しくて美しい月日です。歩いてきて良かった、15年前の私にそう言います。

  • アンジェラ・アキ『手紙 ~拝啓十五の君へ~』が課題曲だった年、Nコンを目指す中学生男女と一人の先生の物語。
    映画になっていて、柏木先生の役を新垣結衣さんが演じていたのを知っていましたが、話を読んでみると柏木先生の口調が思ったより男っぽくてさばさばしてました。これで外見が新垣結衣って、かなりギャップ萌えだろうと(笑)。

    語り手の一人は自閉症の兄を持ち、兄のために生きていくこと決定づけられている少年・桑原サトル。もう一人はサトルと同学年の少女・ナズナ。
    サトルとナズナをとりまく環境と彼らの心情を中心に話が進む。
    サトルはいわゆる「きょうだい児」ということになります。兄の面倒を見るために作って、生まれてきたと両親にはっきり告げられている。将来はもちろん、知友学生のうちからも兄の面倒を見るのに結構な犠牲を払っている少年です。
    しかし悟は兄のことが嫌いじゃないし、その運命を受け入れている。
    そのせいもあってか多分、同級生の誰よりも大人びていて、中二なのに自分の人生を俯瞰して見られている。
    中学生・高校生のうちって、まだ自分が何になるか決まってないし、夢があってもかなわないかもしれないし、だからこそ不安定なんですが、サトルはそれより少しだけ大人というか。
    別になりたくてなってるわけじゃなくてなし崩しにこうなっているんですけど、本人は何もかも受け入れていて、切なくもじれったくもありました。
    もう一人の語り手・ナズナは等身大の中学生。男子ともめたり、恋愛で悩んだり人間関係に躓いたり。登場人物の中では一番素直で柔軟性の高い子ではないかと読んでいて思いました。

    中学生の子たちはそれぞれに話の中で成長していくんですけど、柏木先生もその中の一人。
    柏木先生は飽きっぽいし適当だし、元カレと結婚して身ごもった親友にモヤモヤしたものを抱えっぱなしだし、もしかして一番子供っぽい登場人物かもしれない。
    でも、子供たちの生きざまを目の当たりにして、一番影響を受けた人でもあると思います。
    親友を祝福する曲を完成させたというエピソードがその典型かな。
    子供たちの手を借りて成長した柏木先生は、今度は一人で強くなろうとまた東京へ戻ったんだと思う。

    産休で教師の立ち位置を柏木先生に一時任せた松山先生と、電話でつながりながらの合唱シーン。
    まさにクライマックスでした。
    ばらばらになりかけた心が一つにつながり、大きな力となるのを感じ、涙が止まらず(一人で読んでてよかった・笑)。
    合唱とか演劇とか学園祭とか体育祭とか、「みんなで力を合わせようよ」と大人に声高に言われてウザく感じた中高生時代。
    現実で「合唱やろう」とか言っても、なかなか難しいと思います。好き嫌いがあるしね。
    ただ、一人でやるよりみんなでやると大きな力になることもやっぱりある。
    若い心でいるうちに一度味わっておくと、のちに人生の助けになることもあるんじゃないかな、と思います。

  • Nコンに出場し良い結果を残そうする女性部員
    産休の先生に代わって来た綺麗な代休教員目当てで入部する男子
    男子と女子のイザコザや恋愛模様、家庭環境を1人の男子部員と1人の女子部員目線で書かれている。

    合唱を中心に書かれている作品かと思いきや合唱を軸とした周りの環境中心に書かれている。
    最後は感動でホロリとしました。
    映画まだ見てないので見てみようと思います。

  • 長崎弁が入った文だったが、分かりやすくて面白かった。

  • 五島列島の中学の合唱部がNコンの予選に出るまでの話。

    男女1人ずつ、視点となる部員がほぼ交互に代わっていく。どっちなの?と混乱する時もあったけど、だんだん慣れてくると「これはどっちかな?」と楽しみながら読めました。

    最初から微笑ましい文章で一気に読めました。
    中学生のやり取りが楽しかったり、歌うことを本当に楽しんでいて上達を目指してる姿が清々しくて気持ちが良かったです。

    初めて読んだ作家さんでしたが、他の作品も読んでみたくなりました。

    と思って調べたら実は乙一さんだった。
    乙一さんも読んだ事は無かったのでやっぱり初だったw
    全然違う作風を別名義で書きたかった、と言っていたのを見かけた事があったので、乙一名義作品を読みたいとは思えないけれど…

  • いい歌だよね。最後泣いてしまった。

  • 際立つ盛り上がりはない。しかし爽やかで心がほっこりする読了感。
    ねじめ正一氏がストイックに手練れの技を抑制していると、評している。なるほど、これがこの爽やかさにつながっているのか。

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