くちびるに歌を (小学館文庫)

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  • 小学館
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本棚登録 : 2198
レビュー : 256
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094088816

感想・レビュー・書評

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  • さわやか。

  • アンジェラ・アキの「手紙 拝啓 ~十五の君へ~」良い曲ですよね。昔ながらの合唱曲じゃなくてポップスからの課題曲というあたりが今風ですが、生徒たちが十五年後の自分に手紙を書くというエピソードと絡めてピッタリな選曲です。
    去年の秋に五島列島の福江島へ旅行に行きました。目的地の駐車場を探しているときに城の門みたいな校門の高校を見つけましたが、その事が作品の中で触れられていて一気に親近感がわきました。島で食べたお寿司がとてもおいしかったです。
    一人称で書かれている作品ですが、主人公が二人いるため最初はすぐにどちらの視点か分からなくて考えながら読んでいました。途中からはすぐにわかるようになりましたけど。時折島独特の閉塞感が描かれてるんだけど、でもなんかちょっと違うなーとも思ったり。自分が田舎に住んでるからかもしれないけど、生徒たちが何となく田舎くさくないんですよね。キラキラしてるというか、泥臭くない。なので全体的に実際に見た福江の雰囲気とはちょっと違うような、どこか田舎の島を思い描かれた理想郷のような感じです。
    それでもやっぱり合唱って青春ですね。大人になればなんであんなことで揉めたんだろうって思うんだけど、本番になるとみんながひとつになって、歌い終わった後のなんともいえない充実感や達成感はもう二度と経験できないんだろうなって思います。いいなぁ、それはとても尊いものだと思います。コンクールが終わった後の会館前の合唱シーン、とてもよかったです。

  • *柏木先生「合唱はみんなで足並みを揃えて前進しなくちゃいけない。みんなでいっしょになって声を光らせなくちゃいけない。なによりも、他の人とピッチを合わせることが武器になるんだ。誰も見捨てずに、向上していかなくちゃならない。」

    登場人物それぞれが様々なことを考えながら前に進んでいく物語で、読んでいてとても心地が良かった。
    長谷川さんも優しくて好き。そして桑原くんが自らさらりと告白してしまうほどに男らしくなってむず痒かった!

    最後に桑原くんのお兄さんのために、赤の他人の他校の生徒もいっしょになって声を合わせていくところも良かった。

    2018.4/8読了

  • 本屋大賞入賞ってことで気にはなっていたけど、『いつか読めばいいや』くらいに思っていた作品。”読むのが怖い”の中で、本作者が実は乙一だってことを知って慌てて読むことに。結果、やっぱり彼の作品はホラー系の方が好きっていうのが分かりました。人物の立て方とか、物語のプロットはさすがって思うけど、内容自体に、彼ならではの良さってのをあまり感じられなかったのです。当然、つまらない訳では決してないんですが。

  • よかった。胸がすっとして、前向きになれる。と同時に、器楽部時代のことたくさん思い出した。

  • 「くちびるに歌を持て、朗らかな調子で」長崎県五島列島のある中学校の合唱部顧問の松山先生は、その言葉を大切に歌うことの楽しさを生徒たちに伝えてきた。そんなある日、松山先生は産休に入ったため、代わりに臨時教師の柏木先生が現れた。臨時教師の柏木先生は、とても美人で、男子生徒からは特に注目の的となっていた。生徒たちは臨時合唱部顧問でもある柏木先生のそばにいたいがために、合唱部への入部を決意する。しかし、合唱部では男子生徒の入部自体が初めてだったため、男子と女子での混合合唱を行った事がなかった。女子達は不安の中、仕方なく男子生徒達の入部を許可した。しかし、男子生徒の入部は、部の全体が崩れる羽目になってしまった。柏木先生目当てが多い男子生徒達は、先生のいない所での練習を全く真面目に行わなかった。そんな中で、NHK全国学校音楽コンクール、通称Nコンが近づいてきた。課題曲の「拝啓十五の君へ〜」を練習しつつも、柏木先生は部員達へある宿題を出した。それは15年後の自分宛に手紙を書くというものだった。その宿題には使徒達の悩みや、誰にも言えない秘密などが綴られていた。

    この本では、登場人物が様々な悩みや秘密などを抱えながらも、合唱部で一番となって合唱をするという話だ。異なる家庭科尿や将来の進路、そんな中で部員達は思い違いなどをする場面もある。私がこの本を通して感じた事は「諦めない気持ち」というものだ。合唱部は、男子生徒達が入部した事で大きく変わり、男子の不真面目の練習態度からは「絶望」の四文字しか感じられなかった。しかし、Nコンを控えた合唱部は、少しずつやる気がみなぎり、男子生徒達も、真面目に練習にはげむ様子が見られるようになった。そして最後、最高の画商でNコンの幕を閉じた合唱部からは「諦めない気持ちがあれば目標は達成できる」ということを学んだと思う。

    (ソフィア)

  • 長崎県五島列島にある中学校の合唱部が舞台。産休代理の美人先生が顧問になったことで、今まで女子生徒しかいなかった合唱部に男子部員が入部してきた。生徒達には様々な思い、秘密があるなか、何人かの生徒目線で話は進む。

    個人的にはラストで各校の生徒達が歌い出すところが好き。ただし、内容的にはありがちな展開ではある。

  • 青春だなあ。コテコテの青春物語も、たまには悪くない。合唱部は吹奏楽部と同じようなイメージがあったが、結構体育会系なのね。もう少し新しい顧問の先生のキャラが濃くてもいいかなあと思う。この物語の中では元顧問に喰われてる気がする。等身大の高校生の青春物語、というよりも、綿密に作られた手作りストーリーという感じは否めないが、まあふつうに読めるかな。

  • ほっこりした、優しい気持ちになった。
    そして、合唱やってればよかったなぁ、と。
    合唱部員の歌ってる時の表情が苦手で学生の頃はやらなかったけど、大人になってからは、やってればよかったなぁとよく思うようになった。
    サトルの成長?ぶりがとても良かったな。
    五島の青空と透き通るような歌声が頭に鮮明に浮かんで、綺麗だった。映画も見てみたいな。

  • 2018.1

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著者プロフィール

1978年福岡県生まれ、2008年『百瀬、こっちを向いて。』でデビュー。他の著書に『吉祥寺の朝日奈くん』『くちびるに歌を』『私は存在が空気』。別名義での作品も多数。

「2017年 『僕は小説が書けない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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