誰も行けない温泉命からがら (小学館文庫 G お- 1-1)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094115246

感想・レビュー・書評

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  • 世の中には、どんなジャンルにおいてもド変態というのはいるものなんだなあ、ということが実感できる本。

    著者は写真週刊誌FLASHの創刊メンバーのうちの一人。日本各地の温泉、しかも普通の旅行ではまず行かない、行けない、地図にも載ってない、むしろ常人だったら頼まれても行きたくない、というレベルの温泉を探し、発見しては何とかして「入浴らしきもの」を済ませ、写真を撮り、ルポを書く。

    温泉に入りに行くための山道を歩くための登山靴、地面を掘って湯船を作るためのスコップ、山道を歩く時の備えとしての熊避けの鈴、有毒ガスがたちこめる温泉に入るためのガスマスクまで背負って探しに行くというのだから、もう完全に常軌を逸している。40の温泉(そのうちのいくつかは明らかに川であり、いくつかは明らかに水たまりである)が紹介されているが、入ってみたいな、と思えるのは僅かに3つぐらい。

    でも、世の中にはそういう変態がいるのを知れるということと、そういう変態がいないとこういう本が出てこないということには、それなりの価値がある、ように思える。

  • 世界で一番役に立たない温泉ガイド。三部作(になってしまった)第一弾は北海道から東北、北関東。この本が出た当時は温泉写真家だったはずがこのヒットにより露天風呂評論家に格上げ?
    元々アウトドア指向ではなかったはずが3作も続くうちにはガイドまでつとめられるようになってしまったらしい。

    先ずは2万5千分の1の地図で温泉マークを見つける、または地獄や硫黄や湯と言う地名を探す所から。装備は鉄板入りの地下足袋やガスマスクなど。
    苦労して入った秘湯が必ずしも気持ちよくない、というか普通の人は近づきたくもない秘湯だらけだ。源泉が熱すぎれば川の水を足したり、湯船も地面をほったり石を積んで水をためたり、天然の水たまりに入ったりと様々だ。
    行程もたいへん。多くは立ち入り禁止だし、硫化水素でくらくらしたり崖から落ちたり、熊との遭遇はしていないようだが蛇やカエルとは混浴している。

    秘湯をいくつか紹介。
    先ずは北海道は然別湖畔近くのヤンベツ川の湯
    畳十畳ほどの水たまりに土管が立てて埋めてある。これが湯船だ。手を付けてみると温かい、温泉である以上入らねばならない。土管の内側は泥だらけ、水たまりはミズスマシやカエルが泳いでいる。
    山形県広河原温泉は間欠泉の湯
    2m吹き上げる間欠泉が源泉。ちゃんと脱衣所もある。
    栃木県那須高原膳棚の湯
    登山道を外れたがれ場の急坂を下りた所に2つの湯船が有る。一つは岩風呂でもう一つはタライ。
    群馬県草津は国道脇の湯
    走行中に白煙を見つけたからには行かねばならない。場所は国道292号沿い。豊富な量の源泉を見つけたが熱くて入れない。そこで適温になる下流を探し見つけた所は西の河原露天風呂のすぐ向かえ温泉客(男湯で良かったね逆なら捕まっている)から見つかり、仕方なしにこちらも脱いで入浴する。裸の男通しわかり合えるはずだと。

    一応地図と目印はついているがいくつかを除けば行けそうにない。

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